先日の日記に、えむでん殿からコメントをいただいていました。
http://blog.goo.ne.jp/m4-mee/e/c0c55bd96dc547d5cfa505b67b6ead3d
ディエップの写真では、竹やり型延長排気管だけしか写っておらず、エアインテークのタワーが装着されていないのはなぜだろう、とおっしゃるわけです。そういえばそうですね。私も、ご指摘いただいて初めて気がつきました。確かに上方に逆八の字に伸びた排気管は見かけますが、トランク型の吸気用ダクトは目にしません。しかし、英本土の演習でも、後のノルマンディーでも、使っている写真はありますので、この時に使用しなかったというのも変です。こうなると早速調べてみたくなりますね。いつも参照している『DIEPPE, THROUGH THE LENS OF THE GERMAN WAR PHOTOGRAPHER』をまた引っ張り出してきて、眺めてみました。
そうしたら、よく見るとタワー型のダクトは写真に写っていることが分かりました。問題は次のように整理できます。
1、ディエップに関してよく見る写真は、ドイツ側の軍事報道カメラマンが戦闘後に撮影したものがほとんどである点。そのため、写っている車輌はすべて撃破されて擱坐した後の状態であること。
2、タワー型のダクトは、テンションのかかった状態のワイヤーで固定されており、上陸後はただちに車内からワイヤーを解放して、外側に倒れる形で投棄されること。
よって、揚陸艦を離れると同時に撃破された車輌は別として、ダクトを投棄後多少なりとも前進した車輌、さらに波打ち際から岸壁を越えた車輌などは、投棄されたダクトがすぐ近くにはない、ということが考えられるんです。竹槍型の延長排気管は一々投棄しませんので、そのままの状態で行動します。だから擱坐した時点では、装着した状態のダクトも、すぐ側に投棄されたダクトも、いずれも見あたらないとしても不思議はありません。
そこで、上に挙げた写真集から、ダクトが写っている車輌を探してみました。写真をご覧下さい(該書P.61)。車輌のニックネームは読み取れませんが、Mk.3が写っている写真の一部です。ご覧のように、右エアインテークのすぐ下にダクトが転がっているのが見えます。この位置で投棄したように見えます。但し周囲の状況からしてこのMk.3は波打ち際から数メートル陸に上がっているようです。上陸時が満潮であったことを考えても、やはり何メートルかは前進している。ということは多少なりとも波打ち際から前進した時点でダクトを投棄したのでしょうか。
写真右手前にもダクトらしきものが写っています。これはやはり別の車輌が投棄したものでしょうか。同じ車輌のものだとすると、もしかしてキャタピラを破損するか、玉砂利でスリップするかして、車輌が向きを変えたのかもしれません。もしくは、投棄後に波にさらわせて移動したか。この周囲にも何輌かのチャーチルが擱坐していますので、おそらく他の車輌のものである可能性が高いとは思うのですが。
いずれにせよ、このように地面に落ちた渡渉用ダクトはいくつも確認できます。よって上陸時には使用されていたことは間違いありません。上陸後すぐにダクトは投棄され、投棄後に移動してから擱坐した車輌が多いので、ダクトは写真にあまり写っていない、と、このように考えられます。
http://blog.goo.ne.jp/m4-mee/e/c0c55bd96dc547d5cfa505b67b6ead3d
ディエップの写真では、竹やり型延長排気管だけしか写っておらず、エアインテークのタワーが装着されていないのはなぜだろう、とおっしゃるわけです。そういえばそうですね。私も、ご指摘いただいて初めて気がつきました。確かに上方に逆八の字に伸びた排気管は見かけますが、トランク型の吸気用ダクトは目にしません。しかし、英本土の演習でも、後のノルマンディーでも、使っている写真はありますので、この時に使用しなかったというのも変です。こうなると早速調べてみたくなりますね。いつも参照している『DIEPPE, THROUGH THE LENS OF THE GERMAN WAR PHOTOGRAPHER』をまた引っ張り出してきて、眺めてみました。
そうしたら、よく見るとタワー型のダクトは写真に写っていることが分かりました。問題は次のように整理できます。
1、ディエップに関してよく見る写真は、ドイツ側の軍事報道カメラマンが戦闘後に撮影したものがほとんどである点。そのため、写っている車輌はすべて撃破されて擱坐した後の状態であること。
2、タワー型のダクトは、テンションのかかった状態のワイヤーで固定されており、上陸後はただちに車内からワイヤーを解放して、外側に倒れる形で投棄されること。
よって、揚陸艦を離れると同時に撃破された車輌は別として、ダクトを投棄後多少なりとも前進した車輌、さらに波打ち際から岸壁を越えた車輌などは、投棄されたダクトがすぐ近くにはない、ということが考えられるんです。竹槍型の延長排気管は一々投棄しませんので、そのままの状態で行動します。だから擱坐した時点では、装着した状態のダクトも、すぐ側に投棄されたダクトも、いずれも見あたらないとしても不思議はありません。
そこで、上に挙げた写真集から、ダクトが写っている車輌を探してみました。写真をご覧下さい(該書P.61)。車輌のニックネームは読み取れませんが、Mk.3が写っている写真の一部です。ご覧のように、右エアインテークのすぐ下にダクトが転がっているのが見えます。この位置で投棄したように見えます。但し周囲の状況からしてこのMk.3は波打ち際から数メートル陸に上がっているようです。上陸時が満潮であったことを考えても、やはり何メートルかは前進している。ということは多少なりとも波打ち際から前進した時点でダクトを投棄したのでしょうか。
写真右手前にもダクトらしきものが写っています。これはやはり別の車輌が投棄したものでしょうか。同じ車輌のものだとすると、もしかしてキャタピラを破損するか、玉砂利でスリップするかして、車輌が向きを変えたのかもしれません。もしくは、投棄後に波にさらわせて移動したか。この周囲にも何輌かのチャーチルが擱坐していますので、おそらく他の車輌のものである可能性が高いとは思うのですが。
いずれにせよ、このように地面に落ちた渡渉用ダクトはいくつも確認できます。よって上陸時には使用されていたことは間違いありません。上陸後すぐにダクトは投棄され、投棄後に移動してから擱坐した車輌が多いので、ダクトは写真にあまり写っていない、と、このように考えられます。