ディエップ上陸作戦に参加したカナダ軍のチャーチル、エシュロンの1/35とペディングハウスの1/72とで、字体などに少し解釈の違いがある、という話をしました。どうも気になるので、『DIEPPE, THROUGH THE LENS OF THE GERMAN WAR PHOTOGRAPHER』の写真を見直してみました。
この本、H.G.HenryとJ.P.Palludの共著で、本文はH.G.Henryの執筆によるものです。Henryは大学院で特にこのディエップ作戦について研究し、この本の基礎になるデータはその時に書いた論文にあるようです。ドイツ、フランス、カナダ、イギリスのアーカイブから丹念に写真を探し、ディエップ作戦に参加した各車輌それぞれの運命を一つずつ調べた、という労作です。このときの主力はチャーチルのMk.Ⅰ~Ⅲなので、写真もチャーチルが中心です。他にも装甲車や揚陸艦なども写っています。ただ、戦闘直後にドイツの宣伝カメラマンが撮影したものだけに、戦死した兵士もたくさん写っていて、気が重い面もあります。
さて、ディエップについてはドイツ側がこれ幸いとプロパガンダのネタにしたので、かなりたくさん写真や映像が残っています。この本もそのお陰でできたわけです。しかし、いざデカールの検証のためにこの本を引っ張り出して見ると、やはりそう簡単にチェックできるものではないようです。そりゃそうですよね。模型マニアが自分の模型作りのために博物館の展示車両を各方向からくまなく撮影するのとは違います。ドイツのカメラマンは、前後左右からマークや装備品がよく分かるように、という意識では撮影していません。だから見たい部分が写っている写真がすべてあるわけではなく、必要な情報を探すのはやはりそれなりに大変。
その点からすると、エシュロンのデカール、よく調べていますね。さすがと言うべきでしょう。で、問題のデカールの字体です。写真をご覧下さい。ニックネーム「ボルスター」のMk.Ⅰです。左上のがエシュロンデカール(1/35)の説明書に描かれたマーク、左下がペディングハウスデカール(1/72)のこの車輌用のデカール、そして右半分が『DIEPPE, THROUGH THE LENS OF THE GERMAN WAR PHOTOGRAPHER』に掲載された同車の写真(一部)です。いかがですか。これで見ると、明らかにエシュロンデカールの字体の方が正しい、ということが分かります。このようにFの字が右上方向に長く伸びているのが正しいんです。さすがはエシュロン。
ではペディングハウスのが完全に誤りかというと、まあ必ずしもそうは言えないと思います。このデカールはBスコードロンの所属車輌用ですが、それ以外の他の所属車輌、例えばAスコードロンの車輌を見ると、このペディングハウスのデカールと同じ字体が使われています(但し枠は丸ですが…)。むしろBスコードロンの描き方の方が特殊だったのかもしれません。そう思えば、特にミニスケールではそれほど目くじら立てなくてもよさそうです。このまま作っちゃいましょう。
この本、H.G.HenryとJ.P.Palludの共著で、本文はH.G.Henryの執筆によるものです。Henryは大学院で特にこのディエップ作戦について研究し、この本の基礎になるデータはその時に書いた論文にあるようです。ドイツ、フランス、カナダ、イギリスのアーカイブから丹念に写真を探し、ディエップ作戦に参加した各車輌それぞれの運命を一つずつ調べた、という労作です。このときの主力はチャーチルのMk.Ⅰ~Ⅲなので、写真もチャーチルが中心です。他にも装甲車や揚陸艦なども写っています。ただ、戦闘直後にドイツの宣伝カメラマンが撮影したものだけに、戦死した兵士もたくさん写っていて、気が重い面もあります。
さて、ディエップについてはドイツ側がこれ幸いとプロパガンダのネタにしたので、かなりたくさん写真や映像が残っています。この本もそのお陰でできたわけです。しかし、いざデカールの検証のためにこの本を引っ張り出して見ると、やはりそう簡単にチェックできるものではないようです。そりゃそうですよね。模型マニアが自分の模型作りのために博物館の展示車両を各方向からくまなく撮影するのとは違います。ドイツのカメラマンは、前後左右からマークや装備品がよく分かるように、という意識では撮影していません。だから見たい部分が写っている写真がすべてあるわけではなく、必要な情報を探すのはやはりそれなりに大変。
その点からすると、エシュロンのデカール、よく調べていますね。さすがと言うべきでしょう。で、問題のデカールの字体です。写真をご覧下さい。ニックネーム「ボルスター」のMk.Ⅰです。左上のがエシュロンデカール(1/35)の説明書に描かれたマーク、左下がペディングハウスデカール(1/72)のこの車輌用のデカール、そして右半分が『DIEPPE, THROUGH THE LENS OF THE GERMAN WAR PHOTOGRAPHER』に掲載された同車の写真(一部)です。いかがですか。これで見ると、明らかにエシュロンデカールの字体の方が正しい、ということが分かります。このようにFの字が右上方向に長く伸びているのが正しいんです。さすがはエシュロン。
ではペディングハウスのが完全に誤りかというと、まあ必ずしもそうは言えないと思います。このデカールはBスコードロンの所属車輌用ですが、それ以外の他の所属車輌、例えばAスコードロンの車輌を見ると、このペディングハウスのデカールと同じ字体が使われています(但し枠は丸ですが…)。むしろBスコードロンの描き方の方が特殊だったのかもしれません。そう思えば、特にミニスケールではそれほど目くじら立てなくてもよさそうです。このまま作っちゃいましょう。
ディエップを意識してAFVクラブのチャーチル買って作りました。
レジキャストの渡渉セットをゲットしたのですが、疑問がわきました。
実際の写真では竹やり(排気管)だけでエアインテークのタワーが装着されていないんですね。なんでだろう。。。?
えむでん殿
こんばんは。
まず返信が遅くなりましたこと、お詫びいたします。
そう言えばそうですね。
早速『Dieppe, Through the Lens of the German War Photographer』を見直してみました。
結論から言うと、やはり、
エアインテークの徒渉用タワーは使っていたようです。
このタワーはテンションのかたった状態のワイヤーで固定されており、
上陸直後に車内からワイヤーをリリースすることで、
外側に向かって倒れるように外れるようです。
残されているディエップの写真は、
ご存じのように
戦闘直後にドイツのカメラマンによって撮影されたものがほとんどです。
つまり全ての車輌は、撃破された場所にいるわけです。
多少なりとも玉砂利の浜を前進したもの、
岸壁にたどり着いたものは、
すでにタワーを外してしまっています。
だからタワーは近くにはないんです。
何輌か、揚陸艦を離れた直後に撃破されたものを
よく見ると、
車輌のすぐ横に外れたタワーが転がっているのを
確認できました。
やはりタワーはつけていたんですね。
他の車輌もよく見ると、
エアインテークの縁に、
タワーをつけるためのアダプター(シーリング)を
つけているように見えます。
いや、よいところに気づいて下さいました。
私も、ミリキャストのキットを作るときは、
そのつもりでタワーの有無を選択したいと思います。
チャーチルの徒渉用キットについては、
お友達の根生殿が「プラモ日記」で
ノルマンディーのものを作っておられましたよ。
http://okiraku.air-nifty.com/plamo/2009/04/index.html
http://iinamotto.com/plamo_gallery/uk/op164.html