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チェルノブイリからの報告ーウクライナは訴える

2012-09-27 21:57:01 | 防災、安全

9月25日、NHK ETV特集「チェルノブイリからの報告ーウクライナは訴える」が放映された。視聴者の多くが、福島原発事故以来、不安に思っていた放射能の内部被曝の危険性について、おそくら、対岸の火ではなく、わが身に降りかかる危険であることを自覚させられたといっても、過言ではないと思う。

 

番組に沿って紹介しよう。去年4月、チェルノブイリ原発事故25周年の会議で、ウクライナ政府は、汚染地帯の住民に深刻な健康被害が生じていることを明らかにし世界に衝撃を与えた。


チェルノブイリ原発が立地するウクライナでは、強制避難区域の外側、年間被ばく線量が5ミリシーベルト以下とされる汚染地帯に、事故以来26年間、被災地に登録されている人はウクライナ全体で236万人もいます。


公表された「Safety for the future未来のための安全」と題されたウクライナ政府報告書には、そうした汚染地帯でこれまで国際機関が放射線の影響を認めてこなかった心臓疾患や膠(こう)原病など、さまざまな病気が多発していると書かれている。

特に心筋梗塞や狭心症など心臓や血管の病気が増加していると指摘。子供たちの健康悪化も深刻で2008年のデータでは事故後に生まれた子供たちの78%が慢性疾患を持っていたという。報告書は事故以来蓄積された住民のデータをもとに、汚染地帯での健康悪化が放射線の影響だと主張、国際社会に支援を求めている。

今年4月、NHKは汚染地帯のひとつ、原発から140キロにある人口6万5千人のコロステン市を取材した。この町で半世紀近く住民の健康を見続けてきた医師ザイエツさんは、事故後、目に見えて心臓病の患者が増えたことを実感してきたという。その原因は、食べ物による内部被ばくにあるのではないかとザイエツさんは考えている。

予算が足りず除染が十分に行えなかったため、住民は汚染されたままの自家菜園で野菜などを栽培し続け食べてきた。また汚染レベルの高い森のキノコやイチゴを採取して食用にしている。
学校の給食は放射線を計った安全な食材を使っている。しかし子供たちの体調は驚くほど悪化。血圧が高く意識を失って救急車で運ばれる子供が多い日で3人はいるという。慢性の気管支炎、原因不明のめまいなど、体調がすぐれない子供が多いため体育の授業をまともに行うことができず、家で試験勉強をして体調を崩すという理由から中学2年までのテストが廃止された。

低線量でもウクライナの汚染地帯で確かに人々は深刻な健康障害に苦しみ、将来に不安を抱えながら暮らしていた。

しかしIAEAをはじめとする国際機関は、栄養状態の悪化やストレスなども原因として考えられるとしてウクライナの主張を認めていない。放射線の影響を科学的に証明するには被ばくしていない集団と比較しなければならないが、住民の被ばくに関するデータも、被ばくしていない集団のデータも十分ではなく、今後も証明は困難が予想される。

低線量でも被曝している人では明らかに放射性セシウムの影響と思われる疾患が図のような倍率で発症している事実があり、何らかの証明がされれる可能性は高いとみている。

その一つが放射性ヨウ素による甲状腺がんである。IAEAははじめ、ヨウ素による甲状腺がんを認めてこなかったが、ヨウ素は半減期が48日と短いため、原発事故前と原発後に被曝した人の甲状腺がんが多く発症したため、7年後に放射性ヨウ素による甲状腺がんを認めた。

 

ウクライナでは放射性セシウムの汚染地図がつくられており、上記の症状を訴えて発症している人が高い割合で発生していることを考えるとやがて、放射性セシウムの影響であることは証明されると思われる。ウクライナでは国際社会に支援を訴えながら、放射線の影響とは認められていないウクライナの健康被害を明らかにする努力が続けられています。

 

 

 

 


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