野中広務・元自民党幹事長は15日放送のTBS番組「時事放談」に出演し、安倍晋三首相の政治姿勢を厳しく批判しました。
首相の施政方針演説について野中氏は、「私が中学生のころ、昭和16年に東条英機首相が大政翼賛会の国会演説のラジオ放送を耳にしたときの感じと変わらない」、「重要な部分に触れないで、非常に勇ましい感じで発言された」と述べました。
沖縄の痛み分からぬ政治に憤慨
沖縄県・辺野古への米軍新基地建設を民意に背いて強行する姿勢については、「沖縄を差別しないために政治生命を懸けてきた一人として、絶対に許すことができない」と強調。「私にとっては、本当に悔しい。死んでも死にきれない」と述べ、「県民の痛みが分からない政治だと思い、強く憤慨している」と批判しました。
野中氏は、ODA(政府開発援助)に関する新たな「大綱」について、「非軍事的援助といいながらも、それが先方で軍事的に使われていても何も言えない」「これからの平和につながっていかない」と指摘しました。
戦争は絶対にやってはならない
また、来年度予算案について「防衛費だけが増えていく、そういう国づくりが本当にいいのか」と疑問を投げかけ、「一番大切な中国の問題、韓国の問題を正面から捉えようという意欲がないのではないか」と指摘しました。
最後に、「私は戦争を経験した生き残りの一人だ」と述べ、「どうか現役の政治家に“戦争は愚かなものだ”“絶対やってはならない”ということを分かってほしい」と訴えました。
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