民主党政権下の日本の行方ー新自由主義か新福祉国家かと題する書籍が旬報社より60周年記念企画として発刊されました。
その本の紹介も含めて「新たな福祉国家を実現するために」学習講演会が開かれたので参加してきました。
この企画は5月19日、20日と大阪、東京で連続的に行なわれたものでした。今回は本の著者である神戸大学教授の二宮厚美さんの「財政危機の深刻化と福祉国家型財政への転換」都留文科大学教授の後藤道夫さんの「貧困・生活困難と新福祉国家づくりの課題」という講演が行なわれました。
「民主党の3つの構成部分」
この本で面白かったのは渡辺治(一ツ橋大学教授)の総選挙で勝利した民主党が国民への期待を裏切り、失望へ転化していった原因について次のように述べています。
「民主党に3つの構成部分(頭部、胴体、手足)がある、と指摘しています。
第1は頭部。民主党執行部で、新自由主義・自由主義派(鳩山由紀夫、菅直人など)が、反開発型政治、反自民党利益誘導型政治「脱官僚政治」を目指す。しかし国民の怒りに支えられて政権が出来たことを自覚し、できるだけ福祉の政治を実現しようとしている。これを渡辺氏は「余儀なくされた新自由主義派」と命名し、その根源の問題点を次のように指摘しています。
今の政治の諸悪の根源が「官僚主導の政治」にあるといっているが、これは全くの誤りであり、官僚は手先に過ぎない。また、自民党の開発型国家を壊すことに執念を燃やしているが、小泉構造改革と変わらない新自由主義型国家構想しかなく、福祉型国家を構想できていない。
胴体ー小沢派「利益誘導型政治」
民主党の構成部分の第2は、小沢派とでも言うべき勢力で、民主党の心臓を含めた胴体部分、と指摘しています。地場産業、ゼネコン、農家層を民主党が吸収し自民党の支持基盤を切り崩すとともに、150名の巨大な小沢派を党内に形成した。陳情窓口の幹事長室一本化によって自民党議員の利益誘導をシャットアウト、党内での小沢体制を固める。これは自民党利益誘導型の民主党版であり、その独占を小沢は着々と実行している。
第3のグループ「手足」
第3のグループは、社会保障や雇用、教育など各分野の利益集団、運動や労働組合とも連携して「構造改革」に反対して来た勢力。民主党マニフェスト各論の制作者であり、その実現に力を入れている中堅議員グループ。しかし、彼らにも福祉国家構想がなく、国民の期待に応えられない。
この分析は渡辺氏らしいもので感心しました。やはり、学習は大事で「知は力」です。
その本の紹介も含めて「新たな福祉国家を実現するために」学習講演会が開かれたので参加してきました。
この企画は5月19日、20日と大阪、東京で連続的に行なわれたものでした。今回は本の著者である神戸大学教授の二宮厚美さんの「財政危機の深刻化と福祉国家型財政への転換」都留文科大学教授の後藤道夫さんの「貧困・生活困難と新福祉国家づくりの課題」という講演が行なわれました。
「民主党の3つの構成部分」
この本で面白かったのは渡辺治(一ツ橋大学教授)の総選挙で勝利した民主党が国民への期待を裏切り、失望へ転化していった原因について次のように述べています。
「民主党に3つの構成部分(頭部、胴体、手足)がある、と指摘しています。
第1は頭部。民主党執行部で、新自由主義・自由主義派(鳩山由紀夫、菅直人など)が、反開発型政治、反自民党利益誘導型政治「脱官僚政治」を目指す。しかし国民の怒りに支えられて政権が出来たことを自覚し、できるだけ福祉の政治を実現しようとしている。これを渡辺氏は「余儀なくされた新自由主義派」と命名し、その根源の問題点を次のように指摘しています。
今の政治の諸悪の根源が「官僚主導の政治」にあるといっているが、これは全くの誤りであり、官僚は手先に過ぎない。また、自民党の開発型国家を壊すことに執念を燃やしているが、小泉構造改革と変わらない新自由主義型国家構想しかなく、福祉型国家を構想できていない。
胴体ー小沢派「利益誘導型政治」
民主党の構成部分の第2は、小沢派とでも言うべき勢力で、民主党の心臓を含めた胴体部分、と指摘しています。地場産業、ゼネコン、農家層を民主党が吸収し自民党の支持基盤を切り崩すとともに、150名の巨大な小沢派を党内に形成した。陳情窓口の幹事長室一本化によって自民党議員の利益誘導をシャットアウト、党内での小沢体制を固める。これは自民党利益誘導型の民主党版であり、その独占を小沢は着々と実行している。
第3のグループ「手足」
第3のグループは、社会保障や雇用、教育など各分野の利益集団、運動や労働組合とも連携して「構造改革」に反対して来た勢力。民主党マニフェスト各論の制作者であり、その実現に力を入れている中堅議員グループ。しかし、彼らにも福祉国家構想がなく、国民の期待に応えられない。
この分析は渡辺氏らしいもので感心しました。やはり、学習は大事で「知は力」です。
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