安倍政権が戦争法を強行成立させたことを批判する学者や弁護士、俳優らが19日、「憲政の常道(立憲政治)を取り戻す国民運動委員会」(略称・民間「立憲」臨調)を発足させました。
同会に参加するのは約200人で、樋口陽一・東京大学名誉教授や中野晃一・上智大学教授、宇都宮健児・弁護士、宝田明さん(俳優)など各界で活動する多彩な顔ぶれ。SEALDsの奥田愛基さんなど、戦争法反対の運動を続ける団体からも加わっています。事務局幹事は、小林節・慶応大学名誉教授です。
同会は記者会見を開いて声明文を発表。戦争法の強行成立は「立憲主義を否定」したものと指摘し、「選挙によって成立した政権が立憲主義を否定した暴走は、有権者が選挙で倒して立憲主義を回復すべきで、それこそ、国民主権の具体化である」と述べています。
今後、月1度開く会合で立憲政治を取り戻す立場から政治状況を分析し、わかりやすい言葉で情報を発信するとしています。
代表世話人についた樋口氏は、立憲政治は、大日本帝国憲法をつくった権力者でさえ掲げたキーワードだと指摘。「安倍政治は、戦前に戻るなどという生易しいものではない。戦前の遺産そのものを無視する危険なものだ」と批判しました。
小林氏は、安倍政権が改憲のテーマにあげる緊急事態条項について「憲法停止条項だ。災害の対応も現行法制でできる」と発言。中野氏は同会について「強きものが弱きものをくじく、立憲主義をないがしろにするやり方は許してはならないという一点での団結だ」と語りました。
◆代表世話人・世話人
樋口氏、水島氏、小林氏を除く代表世話人、世話人は次の皆さん。
▽代表世話人=宇都宮健児(弁護士)、三枝成彰(音楽家)、宝田明(俳優)、湯川れい子(音楽評論家)
▽世話人=青木理(ジャーナリスト)、伊勢崎賢治(東京外国語大院教授)、伊藤真(弁護士)、今井一(ジャーナリスト)、岩上安身(同)、大谷昭宏(同)、大森典子(弁護士)、岡野八代(同志社大院教授)、奥田愛基(SEALDsメンバー)、角谷浩一(政治ジャーナリスト)、香山リカ(立教大教授)、木内みどり(女優)、古賀茂明(元経産官僚)、佐高信(評論家)、佐藤学(学習院大教授)、角田由紀子(弁護士)、寺脇研(京都造形芸術大教授)、中野晃一(上智大教授)、長谷部恭男(早稲田大教授)、原中勝征(医療法人理事長)、福岡政行(白鴎大教授)、福山洋子(弁護士)、吉原毅(城南信金相談役)