”Magnit ”by Julia Savicheva
ロシアのロック姉ちゃんの3rdアルバムである。2006年作。
小回りの利きそうなギター主体のシンプルなバンドをバックに、小気味の良いロックをキビキビと歌っている。”拝啓、モスクワの路上より”みたいな感じだろうか。
冒頭の曲、ロシアの哀愁一杯のメロディとロックの元気の良いリズムとが交じり合ってはじける感じが、まず良い。
とか言ってるけど、基本的には「ロックそのものはもういいや」って立場の私である。この種の音楽は、もう私の心の中では終わってしまったものであり、いまさら入れ込む理由もない。
が、それでも冬のど真ん中になると毎年、ふと聞きたくなる瞬間があり、こうして夜中、彼女の音楽と一人向き合うことになる。
そうなる理由は、なんだか錆びたみたいな色調のジャケ写真に包まれたこのアルバムの中の、ロシアの若き女性ロッカー、Julia Savichevaの音楽が、遠いモスクワの今の空気、かの地の若者たちが呼吸しているヒリヒリした空気の匂いをダイレクトに伝えているみたいな感触があるからだ。
その、おそらくはラフでタフな、でも決定的に未熟な戸惑いの中にある世界と、遠く離れた土地で年老いつつあるこの私が、不思議な異次元ポケットでつながっているみたいな幻想を、私の脳内に作り出す力が、どうやらあるようなのだ、彼女の音楽には。
歌詞の一節一節を噛み締めるようにリズムに乗せて行く。ロックとはいえ、無駄な絶叫調やら過度な感傷に陥らない歌い方が良い。
明日の見えない閉塞感の中で、それでも絶望に陥らずに一歩一歩光を求め歩み扉を叩き続ける、みたいな彼女の想いを、それは象徴している様だ。
ああ、今、プロフィールを読んでいて知ったんだが、彼女はまだ20代の前半なんだね。
とか言っているうちに夜は明け始め、私はベッドにもぐりこむ。モスクワは今頃、深夜なんだろうか?
ロシアのロック姉ちゃんの3rdアルバムである。2006年作。
小回りの利きそうなギター主体のシンプルなバンドをバックに、小気味の良いロックをキビキビと歌っている。”拝啓、モスクワの路上より”みたいな感じだろうか。
冒頭の曲、ロシアの哀愁一杯のメロディとロックの元気の良いリズムとが交じり合ってはじける感じが、まず良い。
とか言ってるけど、基本的には「ロックそのものはもういいや」って立場の私である。この種の音楽は、もう私の心の中では終わってしまったものであり、いまさら入れ込む理由もない。
が、それでも冬のど真ん中になると毎年、ふと聞きたくなる瞬間があり、こうして夜中、彼女の音楽と一人向き合うことになる。
そうなる理由は、なんだか錆びたみたいな色調のジャケ写真に包まれたこのアルバムの中の、ロシアの若き女性ロッカー、Julia Savichevaの音楽が、遠いモスクワの今の空気、かの地の若者たちが呼吸しているヒリヒリした空気の匂いをダイレクトに伝えているみたいな感触があるからだ。
その、おそらくはラフでタフな、でも決定的に未熟な戸惑いの中にある世界と、遠く離れた土地で年老いつつあるこの私が、不思議な異次元ポケットでつながっているみたいな幻想を、私の脳内に作り出す力が、どうやらあるようなのだ、彼女の音楽には。
歌詞の一節一節を噛み締めるようにリズムに乗せて行く。ロックとはいえ、無駄な絶叫調やら過度な感傷に陥らない歌い方が良い。
明日の見えない閉塞感の中で、それでも絶望に陥らずに一歩一歩光を求め歩み扉を叩き続ける、みたいな彼女の想いを、それは象徴している様だ。
ああ、今、プロフィールを読んでいて知ったんだが、彼女はまだ20代の前半なんだね。
とか言っているうちに夜は明け始め、私はベッドにもぐりこむ。モスクワは今頃、深夜なんだろうか?