南斗屋のブログ

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2007年度から被害者支援の保護司誕生のニュース

2007年01月28日 | 交通事故刑事事件の基礎知識
 12月31日のエキサイトニュースに「<保護司>犯罪被害者も支援 加害者情報を提供 法務省方針 」と題するニュースが掲載されていました。

 罪を犯して実刑となりますと、受刑者ということになりますが、受刑者は裁判所の判決で言い渡された刑、例えば、「懲役2年」という判決があったとしますと、この懲役2年全部を刑務所で過ごすというわけではありません。
 「仮釈放」という制度があり、刑務所から社会に出ることが可能です。
 もっとも、例えば、懲役2年の判決で、1年6ヶ月経過したときに社会に仮釈放で出たとしても、残りの6ヶ月が直ちに免除になるわけではありません。
 6ヶ月間は「保護観察」ということになり、このときに保護司の元に通うことになります。

 このように保護司は、受刑者の仮釈放のお目付役のような仕事を担っており、被害者との接点というのはこれまでほとんどなかったはずですが、今後は都道府県には必ずひとり被害者専門の保護司を置くというのが2007年度からの方針というのがニュースの内容です。

 被害者サイドからすれば、
 1 刑務所での加害者の処遇状況や仮釈放の予定などの情報の提供を受けることが出来る
 2 被害者や遺族が置かれている状況や心情を聞き取って加害者側に伝えること
ことが可能となるようです。

 もっとも、もともと保護司は、「加害者の自覚を促して更生につなげる役割」ですから、その限度でということになってしまうかもしれません。

 ネットのニュースは時間が経つと消えてしまいますので、以下に記事全文を掲載しておきました。参考にしてください。


(毎日新聞記事)

<保護司>犯罪被害者も支援 加害者情報を提供 法務省方針 [ 12月31日 03時06分 ]

 法務省は07年度から、犯罪被害者の支援を専門に担当する保護司を全国すべての保護観察所に配置する方針を固めた。これまで加害者の立ち直りに取り組んできた保護司の一部が、その経験を生かして被害者と加害者の“橋渡し役”として被害者支援に当たる。

 主な業務として、刑務所での加害者の処遇状況や仮釈放の予定などの情報を被害者に提供することが想定されている。逆に、被害者や遺族が置かれている状況や心情を聞き取って加害者側に伝えることにより、加害者の自覚を促して更生につなげる役割も担う。これらの業務は、国家公務員の保護観察官と連携して行う予定だ。

 計画では、全国50カ所の保護観察所すべてに被害者支援専門の保護司を置く。東京、大阪などの大規模庁には数人、小規模庁にも最低1人を配置し、全国で常に数十人以上が被害者支援に臨める態勢をつくるという。07年度予算の政府原案に配置費用として3600万円が計上された。

 民間から委嘱される保護司は全国に約4万9000人おり、犯罪者や非行少年を社会の中で立ち直らせる保護観察制度を担っている。昨年12月に閣議決定された犯罪被害者等基本計画が、被害者支援担当の保護司の配置を検討するよう同省に求めていた。【森本英彦】

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