きゃおきゃおの庭

近代建築から現代建築までPHOTOたてもの探訪の記録。大切にしているものなど写真で綴ります。

きゃおきゃおツアー 旧古河庭園

2009-10-28 | 西洋館
「ブログ楽しみにしています。今度一緒に建物見学に行ってみたい…」

高校時代の友人から突然メールが届きました。
嬉しいファンレターに舞い上がった私は
さっそく「あなたに見せたいっとっておきの場所」をまわる
きゃおきゃお建物ツアーを計画しました。

せっかくなので、高校時代の友人3人+同居人Mを誘い
うらうらと出かけることに。

その 待ちに待った日曜日。
じゃーん 雨です。
雨の日の休日は、普通家で静かに家事をします。
洋館めぐりは青空の日に…。
がっかりしながら家を出ました。

古河邸本館見学は、往復はがきで申し込みます。
予定の立たない私は、今まで見学したことがありません。
この機会にと申し込み、10時30分からのガイドツアーに参加しました。





車寄せの下に約30人が並びました。事前申し込み分で定員に達したそうです。
ホーンテッドマンションや、タワー・オブ・テラーのように
1階ホールでお屋敷の歴史の説明を受け、
時計回りに一部屋ずつ見学してまわりました。
全員が部屋に入ると入り口の扉は閉められ、後戻りはできません。
団体行動です。

内装はきらびやかではないけれど、上質な気品のある造りとなっています。
外観の石造りのごつごつしたイメージとは違い、木の材質のよさが引立つ
明るい部屋が続きます。
ビリヤード室から喫煙室となったサンルームが見えます。
緑のラインが描き出す幾何学模様に心惹かれました。
どの部屋からも庭が見え、浮世の雑多を忘れてしまいます。

外はあいかわらず雨が降り続いています。やまないかな~。
気温がかなり低くて肌寒く、厳冬期の暮らしぶりは さぞ厳しいものだったでしょうね。

階段室はとても広く、窓を開け閉めするための小さなバルコニーが付いています。
2階は、寝室以外は和室で、廊下には木の扉があり、一歩入ると中には襖のある和室となっています。凝った造りの仏間など、イギリス人コンドルの日本への造詣の深さに驚いてしまいました。和と洋がうまく独立しながら、違和感無くとけこんだ洋館です。

当主古河虎之助には子供が無く、奥さん側の西郷家から養子を迎え3人で暮らしましたが、温泉に避暑へ行った際チフスにかかり亡くなってしまい
ここに住むのが辛く思われ、住まいは牛込若宮町に移されました。
竣工から9年余りで迎賓館として使われるようになりました。

その後、連合軍に接収され、1956年に東京都の公園となり一般公開が始まりましたが邸宅は荒れ果てたまま。
1982年から1989年にかけて改修工事が行われ、美しい姿に甦り今日に至ります。
1階ロビーに、改修前の蔦の絡まる重々しい写真が展示してあり、興味深く見てきました。住まいとしての歴史の短い、ちょっと悲しいお屋敷です。

見学ツアーは約1時間。
見ごたえのあるお屋敷でした。
天井の高さと、広い部屋を見続けたせいか、部屋の広さの感覚がすっかり麻痺してしまいました。

見学が終わる頃には、雨は小降りに。
庭を散策しました。
階段に並んで記念撮影。ぱしゃ。
高校生のような軽やかな 気分(でもないか…)
不思議と人はよけてくれるんですね。
良い記念写真が撮れました。
薔薇は さきがけ。
これからまだまだ見頃は続きそうです。
雨の洋館、本来の静けさを取り戻してひっそりと佇んで良い感じでした。



















つづく~。


◇旧古河邸本館
竣工 1917年
設計 ジョサイア・コンドル
所在 東京都北区西ヶ原1-27-39

本館見学は、予約制(有料)。建物内撮影禁止

2009.10.25
コメント (18)
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