きゃおきゃおの庭

近代建築から現代建築までPHOTOたてもの探訪の記録。大切にしているものなど写真で綴ります。

阿修羅展を観に。

2009-04-17 | 美術展

 こころの時計を ぎゅっと10日前に戻してみてください。
 東京は、桜の見頃を迎えていました。

 東京国立博物館で開催中の、阿修羅展に出かけました。
 時まさに 花見シーズン。上野公園は 花見客で大混雑。
 正門前に、ただいま40分待ちの表示が…。

 天平彫刻の八部衆像という、8体ユニットからソロデビューした 阿修羅。
 ガラスケースから飛び出して、周囲を360度まわって見ることができます。


展示室入ってすぐの高いところから、阿修羅像の展示室を見下ろすと、なにやら異様な雰囲気。
普段観られない全体像を見るために、何重もの人垣が時計回りに少しずつ動いているのが見えました。
すごい光景…。と言いながら、いつしかこの渦の中に。
左右の顔と 後姿。今しか見ることができないと思うと、何度もまわって見たくなります。
人垣が消えないのは、みんな同じ想いだからかな。
オリジナルの朱色が消え、より人間みの有る憂いの顔。ひきつけるものがあります。

大変、たいへん。阿修羅ファンクラブのバッジ、つけてくるのを忘れました!

八部群像は、どれも特徴があり 名前を覚えました。なかなか良い顔立ちをしています。
国宝八部衆・国宝十大弟子の現存14体が勢ぞろいするのは4月19日まで。
せっかくの機会、お見逃しなく!

四天王は、それぞれの役目にふさわしいものを手にした、迫力有る像でした。
踏まれている邪鬼の姿、とてもリアルで面白かったです。

夕方か、夜間延長時間に行くのがいかもしれません。
帰りに、阿修羅フィギュアを予約して帰りました。
届くのが楽しみです。

平成館、2階ロビーの大きな窓からみえる庭園は桜が満開。
本館北側に広がる庭園の公開も、19日までです。
詳しくはこちら





本館前の枝垂桜












混んでいるのです~~。



本館北側の庭園










桜の花を、小鳥が食いちぎって落としていきます。
風もあり、はらはらと散る花びらを、両手を差し伸べて一生懸命追っていたら
家族に笑われました。

◇阿修羅展
東京国立博物館平成館
2009.3.31~6.7
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2009.4.7

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有元利夫展 2009

2009-03-05 | 美術展

毎年 2月になると、会いたくて 会いたくて。
また季節が巡ってきました。

2月24日は、画家有元利夫の命日。毎年この日近くに、小川美術館で有元利夫展が開かれます。

良く見ると、美術館の入っている建物左手に緑の小径がありました。
突き当りには何があるのか、見てみたいものです。



小川美術館は、ビルの1階にあって一見ここが美術館とは気がつきません。
入り口の扉はわかりづらく、ガラスの掲示板左手の扉が入り口(足マットのあるところ)となっています。

有元利夫展

御影石のエントランスから中に入ると、天井の低くなった半円ドームの回廊があります。
左右の目の高さに、小さな作品が並べられています。

一枚一枚の、物語の世界に溶けて行くようです。
大好きな絵にも、会えました。

静かな時を 過ごしてきました。もうすぐ会期は終わります。

◇小川美術館
千代田区三番町6-2 三番町彌生館1F
会期  2009年2月23日(月)~3月7日(土)
時間  11:00~17:00 (入場は16:30まで)

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2009.2.28
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石田徹也ー僕たちの自画像ー展

2008-12-31 | 美術展

石田徹也は、3年前、31歳という若さで亡くなった画家です。現代社会を風刺した作品を多く残しました。
描かれている人物は、自画像のようでもあります。
焦点の定まらない うつろな視線の先にあるのは、現代社会の ベルトコンベアーに乗った自分自身なのかもしれません。
緻密に描かれた背景は この画家のはかりしえない才能の破片がちりばめられているかのようです。

石田徹也の求めていたもの…母のように 包み込んでくれる 愛情だったのかもしれません。

今回の展覧会は、始めてみる作品が多く、とても充実した展覧会でした。
見終わって、胸が苦しく感じるのはなぜなのか
解ったような気がしました。

私も 絵の中の
自分自身ではどうすることのできない
社会の歯車の一部だということに気付いたからです。

でも、私は歯車でも、職場では 重要な役目を負っている
縁の下の力持ち。
時には 潤滑油であったり。

大きな目標を達成するためのチームの一員だと言う自負があるから
仕事が楽しい。やりきれなさは ありません。
石田徹也より 長生きしているから
偉そうにいえるだけ。

もう少し長生きして
描き続けて欲しかった画家です。

練馬区立美術館
東京都練馬区貫井1-36-16

2008.11.9~12.28

会期が終わってしまいましたが、記録しておきたいのでUPします。
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「写真屋 寺山修司」展 摩訶不思議なファインダー

2008-12-24 | 美術展


幻想写真館からのご挨拶

[怪人奇人儒巨人、そして不美人の皆さん!あなたも美しくなることができます。
私は噂の写真屋、謎の影さらいです。
毎日が退屈していらっしゃる方、生活の短調さにイライラしていらっしゃる方、思うようになさらぬ現実に腹を立てたり、まちがった半生をふりかえって、「べつの生き方」をしたかったと悔やんでおられる方、変装狂、衣装倒錯症、性倒錯症、ナルシスト、の皆さん方。
そうした悩みを解決するために「幻想写真館」を開業いたしました。私は、スナップなどは撮りません。素顔も一切、扱いません。仮面、化粧、変身、幻想といったものにしか興味がないのです。]

という文で始まる「写真屋 寺山修司」 摩訶不思議なファインダー の写真集。

「写真屋 寺山修司」展は
すべてがこの文に説明されているといって良いでしょう。

展示してある写真を見ていると 
いつしか寺山修司の仮面舞踏会に入り込んでしまいます。
1枚1枚が、完結された物語で
私は、観客の一人。
おもわず拍手を贈りました。

◇BLD GALLERY
東京都中央区銀座2-4-9

第1期 2008.11.19~12.27
第2期 2009.1.9~2.28

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安藤忠雄建築展

2008-12-21 | 美術展
建築家 安藤忠雄の伝説の個人住宅を、原寸大で再現した建築展に出かけました。
地下鉄の駅から地上に出てすぐのギャラリー前には、人があふれ エレベーターは入場規制。会期が追っているから仕方がないと諦めました。エレベータを降りると 凄い人。
まだ見ぬ海外のスケッチや作品模型などが展示されていて、とても興味深いものでした。BGMに話し声が流れていて、ちょっと変っているなと、あまり気にもせず見てまわりました。

やはり興味は、長屋の再現。「住吉の長屋」は、大阪住吉区にある住宅で、間口3.6メートルの小さな長屋後に建てられたコンクリート打ちっぱなしの住宅。狭い敷地の三分の一を中庭が占めるという、ちょっと想像のつかない建物です。
会場から外へと出ると、なんとそこは長屋の廊下。階段を降りようとしたら、人垣ができていて進むことができない。長屋の入り口には、とうていたどりつけそうもないので、出口からこっそり中へ。
台所やトイレを通り過ぎて会場を見たら、人垣の先には、安藤らしき姿。トークショーを開催していました。途中から聴いたのと、先約があって時間がなかったので残念でしたが中座して帰りました。ギャラリー・トーク、さらにこのあと追加され、会期中計10回行われたようです。思い入れの深さを感じざるを得ません。

建物の再現は、コルビュジェ展でも体験しましたが、図面や模型から想像できない空間の広がりを感じることが出来ました。 現地大阪に行っても、個人住宅ゆえ、内部を見ることは出来ません。中庭があるため、トイレに行くとき、雨が降ったら傘をささねばならない。便利さを排除して、自然を体感できること。このコンセプトは 30余年を経過しても変ることの無いものだということを、この会場に来て安藤の熱い思いを感じることができました。雨の日のことや台所の大きな石など、住んでいる人の声を聴いてみたいものです。入場無料なのも、嬉しく思いました。

会期終了まじかは、リーピーターや駆け込み見学などで混むのは解っていましたが、トークショーまでは想定外でした。きちんと聴けずとても残念でした。   

2008.12.13

◇会期 2008.10.3~12.20(終了)
 会場 ギャラリー・間

会期はすでに終了し、大阪へと巡回予定
◇会場:TOTOテクニカルセンター大阪
 会期:2009年 2月11日(水)~ 3月7日(土)

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「明日の神話」岡本太郎

2008-12-06 | 美術展

2008年11月17日から、渋谷マークシティ 2階連絡通路で公開が始まりました。
幅30メートル、高さ5.5メートルの巨大壁画「明日への神話」
不思議な運命の作品です。

2月に、現代美術館へ行った時の記事です。

展示空間が変ると、こんなに印象が違うものなのでしょうか。







  足早に通り過ぎる人と、警備員の「静」










階上の通路から、通り過ぎていく人を
水槽の中の金魚を見るように眺めるのも面白かった。






その昔、待ち合わせは駅の改札口。携帯も無く、伝言板が唯一の情報元だった。
偶然会えたら良いなって 来るはずの無い人を待ってみたり。





日の落ちるのが早くなって、薄暮の世界。JR市ヶ谷駅のホームです。

2008.11.20


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花よろず -花咲く韓国刺繍ー

2008-11-23 | 美術展

CROKOさんに教えてもらった韓国伝統刺繍の作品展に行ってきました。
JR目白駅近くで開催しています。
写真掲載を許可して頂いたので、ここにご紹介させていただきます。



韓国刺繍について、まったく知りませんでした。
絹地に丹精込めて絹糸で刺された美しい作品が並んでいます。



入門は、この刺し方から始めるそうです。金の糸で葉の縁取りをして、葉脈はまっすぐ。私は、アバウトな正確なので あまりにの正確な針さばきにくらくらしました。

 

時間をかけて丁寧に仕上げられた作品にただただ驚くばかり。
偶然ですが、ブログ名(イニシャル)が同じ。これも何かのご縁かもしれません。
是非お出かけください☆



Kの庭 in 花よろず -花咲く韓国刺繍ー
http://koreanembroidery.blog10.fc2.com/?no=97
11月21日(金)~26日(水)10:00-19:00

ギャラリー花よろず 東京都豊島区目白3-14-8
     tel03(3954)4915 JR山手線目白駅徒歩2分


この日は、午後から東京カテドラル聖マリア大聖堂で友人の結婚式。
抜けるような青空が、二人の門出を祝福しているかのようでした。


 

バスで目白駅に戻り、目白に行った時 必ず立ち寄る所へ。
私はクリスチャンではありませんが、教会の礼拝堂で心静かにひと時を過ごすのが大好き。とても良いものをたくさん見れて幸せな一日でした。

 

ステンドグラスが美しい教会です。



◇目白聖公会
竣工 1929年
設計 坪井正太郎
所在 東京都新宿区下落合3-19-4

2008.11.22

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ヴィルヘルム・ハンマースホイ展

2008-11-15 | 美術展
ヴィルヘルム・ハンマースホイという画家を、この日初めて知りました。
美術館前の看板が、青空に映えています。

展覧会のタイトルが「静かなる詩情」
モノトーンの、静かな時を切り取ったような室内を描いた絵が多く並んでいます。

自宅の室内を、視点を変えて何枚も描いているのには、少し驚きました。
あまり変化の無いその風景を、なぜ好んで描いたのか。
妻の姿も描いていますが、なぜかしら後姿が多いのです。たまに描かれた顔は、少し疲れてけして美しいとはいえない。
最愛の妻のありのままの姿に、心が痛みました。

コペンハーゲンの自宅兼アトリエともなったストランゲーゼ30番地のアパートメントを、会場では3Dで体験することができます。
ひとけの無い室内の絵は、間違い探しの絵のように見えてきてしまう。
写生のようではあるけど、見えないものを描いた
不思議な絵。
私は 少し息が詰まりました。


◇ヴィルヘルム・ハンマースホイ展
国立西洋美術館
2008.9.30~12.7



西洋美術館の「建物探検マップ」なるチラシが置いてあり、ル・コルビュジェの美術館(本館)探検のための16のチェックポイン
トが載っています。時間があれば、これを片手に探検観察してみるのも楽しそう。なにげに見ているものが、建築家の思い入れの
デザインだという事に気付き、あっと声を上げてしまいそうです

   上野公園派出所

上野公園では、この日「町中アート」展を開催中。
木造の小屋を壊すインスタレーションや、街頭のオブジェに遭遇。少し壊れた建物、帰るときにはぺしゃんこになっていました。大勢の人がトラロープを引いた姿、見たかったな~☆



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大琳派展◇東京国立博物館

2008-11-15 | 美術展
正面入り口の看板、いつみても面白いなって思います。
●ここは、東京国立博物館です。
絵、彫刻、よろい、陶磁、掛け軸、はにわなど
美術工芸品を主に展示してあります。恐竜の化石や模型はありません。
国立科学博物館へどうぞ と書いてあります。




「大琳派展」を観ました。
会期中展示替えが多く、訪れるのは2回目。後期は風神雷神図が4枚揃った壮観な展示となっています。
俵屋宗達の卓越した才能の凄さをまざまざと感じました。
光琳の研ぎ澄まされた美的感覚も、堪能することができました。
琳派というアートの流れを、広い視野でまとめたこの展覧会のサブタイトルが、「継承と変奏」。
うまく付けたものだなあと、関心しました。

見所満載なので、書ききれません。
何度でも足を運びたくなり、11月に入ってからもう一度訪れました。

 

 

  

 

本館正面階段を上りきった2階に、貴賓室があり、見ることができます。以前は、月に2日間だけ公開されていましたが、今はいつでも見れるようになったのでしょうか。知りませんでした。名前が「便殿 びんでん」。読み方が難しい。間違えて発音しそう…。国賓・公賓の休憩室として使われる部屋だそうです。

大琳派展と同期間、国立博物館本館2階の7室で、北庭に建つ応挙館の「障壁画」が展示されています。
普段見ることのできない杉戸に描かれた「朝顔狗子図」や襖絵「芦雁図」を見ることができました。
今まさに飛び立とうとしている姿など、墨の濃淡を生かして見事に描かれています。

  

 

1階の少し陰気臭い展示室を抜けると、休憩室にたどり着きます。
タイルや照明、何度見ても飽きません。
ここから眺める庭の景色、私は大好き。

この日本庭園の、秋の一般公開が始まりました。
まだ秋色にはなっていませんが、応挙館に置いてあった散策マップを片手に、ぶらぶら散策してみました。




庭のテラスから見た、1階休憩室。

  

転合庵 六窓庵

茶室「転合庵」は、この日茶会が行われていて、近寄る事ができませんでした。残念~!
博物館の敷地は、もとは寛永寺の境内。現存する建物は、すべて移築保存されたもので、当時の寺の面影はないようです。


 

「九条館」 外から見学しました。床の間に、狩野派の山水画が描かれています。欄間の透かし彫りが美しい建物です。

企画展終了後、半券を持っていくと平常展が半額になります。(期限があります)また来たくなった時のために、半券は大切に持ち帰りました。
見所は、まだまだたくさんあって、ゆっくり訪れたい場所です。
案内カウンターに置いてある「東京国立博物館ニュース」。2か月ごとに発行される小冊子をぜひ手にして周ることをお薦めします。丁寧に展示の解説がしてあるのでとても勉強になります。大琳派展いよいよ明日が最終日。混みそうです。

大琳派展◇2008.10.7~11.16

東京国立博物館本館
竣工 1937年
設計 渡辺仁+宮内省
所在 東京都台東区上野公園13-9


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「ますむらひろしの世界」展◇ギャラリー猫町

2008-09-09 | 美術展
石段の脇に、「ギャラリー猫町」のプレートが緑の中に埋もれています。
初めて訪れたのは、2005年の9月。ますむらひろしの「ゴッホ型猫の目時計」の原画展でした。
2年ぶりの猫町は、スリッパが無くなっていました。
入り口で靴を脱ぐと、友人の家に来たような懐かしい気持ちに包まれます。




1階には、2009年カレンダーの原画が展示。
カラフルな色彩の背景の中に、無邪気に遊ぶヒデヨシの姿。
画文集 「イーハートヴ波」から選ばれた作品が多いかな。



浴衣地や手ぬぐいなどの販売コーナーがあり、新作のコミック手ぬぐいシリーズの中に、大好きな「トト&ドス」を見つける。もちろん買いました。




「アタゴオル玉手箱 9巻」に収められた作品で、
寒い洞窟の中で、不思議な卵を2個発見し、中からヒトデ型の生物が2つ生まれ、物語が始まります。

子供のように慈しみ、時には対等に遊んだ(遊ばれた)トトとドスとのお別れのシーン。涙が出ます。

このお話の中で、一番好きなところは… (手ぬぐいの中にはありません)

お月様が追いかけてくるよ。
ホラ さっきからずーっと追いかけてくるよ。
安心しろ。お月様なんかオレがぶちのめしてやるぜい。
わーい わーい。

ああ、おれも ずーっと小さい頃
そんな気持ちになったことがあるぜ。  今もだけど。


私も、ますむらさんと同じ米沢に生まれ、育ちました。

子供の頃、母に手をひかれて 松原の道を歩いた夜のこと。

雪の積もった原野に 頭上高くにある月が
すきとおった光を放っていました。
どこまでも 月はついてくるのです。
きーんと冷え切った空気を やさしく照らしていました。
とぼとぼと歩く私たちを見守るように どこまでもついてくるのです。
とても不思議な 特別な光景に思えました。

冬の記憶。
窓ガラスに霜の花が咲く。アラベスク模様の白い花。それを指でなぞると、ひんやりとした、かたく鎖された 何かが伝わってくる。
雪が降るのをじっと見上げていると、いつしか自分が天に昇っていくような
灰色の雪空に 吸い込まれていき、天使になって 空を羽ばたいているような。
不思議な気持ちになってくる。
ヒデヨシが空を飛ぶのをみて、ああ、私も子供の頃 雪空を飛んだっけなー。と思ったり。

ヒデヨシは 忘れ去った 
懐かしい 遠い日々を「思い出」というお酒の中に溶かしてくれます。


2階では、初期の作品 アタゴオル絵本 「青猫島コスモス紀」の中から選んだ原画のプリントと、造形作家HISOKAさんの作品を展示。
ますむらの原点ともいえる、濃いエッセンスが閉じ込められている作品。
精巧に仕上がっているけれど、でもやはり、オリジナルが見たいなと思う。
5枚組みのポスターセットを売っていたので、購入。
HISOKAさんの作品は、アタゴオルの森をかたどったもので、伸びたツルの先にヒデヨシの家がぶらさがった楽しい世界。

  購入したポスター

2時からこの会場でサイン会が行われました。アタゴオルの浴衣を着たますむら氏、暑そう~!
ポスター5枚に、1枚づづサインしてもらいました。
ついでに、持参した本にも。
幸せな一日でした。

  

あと、購入したカレンダーの、自分の誕生日にサインをいただきました。

おしょうしな~!

米沢弁で、一番好きな言葉。(ありがとうの意)

◇「ますむらひろしの世界」展
ギャラリー猫町
東京都台東区谷中 2-6-24
2008.9.4~9.21(8,9,10,16,17休)
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「NIPPONの夏 」-応挙・歌麿・北斎から「きもの」まで-

2008-08-03 | 美術展
暑いので、涼を求め 三井記念美術館へ出かけました。
展覧会のコピーには、「暑い夏の日を涼しく過ごす工夫や遊び心、忘れかけていた夏の風情を満喫できる展覧会です。」とあります。

初めに見たのは
夏の取り合わせ「茶道具名品展示」。

三井記念美術館に来ると、つくづく思うのです。
少しでも、お茶をたしなみたいって。
そうしたら、もっと違った見方が出来るんだろうな。

◇「NIPPONの夏 」展
江戸時代の うつろう夏の日の一日を、時の流れに沿うように
Ⅰ 朝の章」、「Ⅱ 日盛(ひざかり)の章」、「Ⅲ 夕暮の章」、「Ⅳ 夜の章」と 見ることが出来ます。

朝顔は、江戸時代は旧暦なので秋の花になるそうです。
初めて知りました。
鈴木其一の描く朝顔図には、すがすがしい朝の空気がみなぎっていました。
広めにとった余白が、凛として咲く朝顔の美しさをひきたてています。




左から
「夏の朝」葛飾北斎、「青楓瀑布図」円山応挙、寒泉浴図」喜多川歌麿。


涼を誘う工芸品なども展示してあり、忘れていた季節感にはっとしました。

ガラス製の櫛や簪が、実に涼しげ。
こんなところにまで、夏を感じているんですね。
麻や絽の着物の、大胆なデザインにため息がでました。
暑い日も、きちんと肌襦袢を着けて着物を着ていたなんて、想像ができません。
江戸時代は、まだまだ緑の多いのどかな風景が広がり、
朝夕は いまほど気温は高くなかったことでしょう。

そういえば 私が子供の頃は、エアコンなど無くて、
平気で眠っていました。
いつからこんなに東京の夏は暑くなってしまったのかな。



広重の版画は、江戸の夏の風景を見ることが出来ます。
川の深い青に吸い込まれそう。

江戸の夏の暮らしぶりを満喫して帰ってきました。


三井記念美術館◇シリーズ美術の遊びとこころⅢ
NIPPONの夏 ―応挙・歌麿・北斎から「きもの」まで

2008年7月12日~9月15日
前期 7月12日~8月10日、後期 8月13日~9月15日
東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階

2008.8.2

◇おまけ
そういえば、広重の版画は東京芸術大学美術館にたくさん所蔵されていて
昨年、芸大コレクション展
歌川広重《名所江戸百景》のすべて という企画展を見ました。

江戸は、深山のように描かれています。
昌平橋聖堂神田川あたりが 好きかな。
たまに 江戸を散歩しています。
あなたにも、おすそ分け。

■歌川広重《名所江戸百景》マップ
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2007/collection200707/googlemaps/

廊下に、チラシコーナーがあって
秋の東京国立博物館特別展のちらしが置いてありました。
すぐにでも、行って見たくなってしまいました。笑!

■尾形光琳生誕350周年記念 「大琳派展-継承と変奏-」
2008年10月7日(火)~11月16日(日) 平成館
http://www.rinpa2008.jp/
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「フランスが夢見た日本」展と「対決巨匠たちの日本美術」展

2008-07-31 | 美術展
国立博物館ニュースの読者プレゼントで招待券を頂いたので、東京国立博物館へ行ってみました。

正面入り口に、こんな看板が出ています。
きっと、クレームをつける方がいるんですね。
間違えてがっかりする子供の顔を想像してしまいます。





「フランスが夢見た日本」展 会場は、東京国立博物館の表慶館。

 
 

北斎や広重などの版画からデザインした食器類が展示してあります。
陶器と、元の版画との対比が面白い。
トリミングしてあるものの、まったく同じ構図で、驚いてしまった。
食卓を飾るのにはどうかなと思われる 鳥が餌をついばむ姿やモグラなど
あらゆるものがお皿などを飾っています。
現代なら、コピーに当たるわけで、どうなのかな…と不安になるくらいそっくり使用されています。
デザイン集は、ジャポニズムの宝として使われたことでしょう。

いつも悩むこと。料理をひきたてるお皿は、はたしてどんなお皿なのか…。
シンプルな無地の白いお皿が私的には好き。

食べ終わった後のお皿を楽しむこと
これもまた、ご馳走の一つなんですね。
フルセットのテーブルウエアにため息が出ました。
フランスにおける日本芸術の評価の高さを感じました。

表慶館の窓はふさがれ、ちょっと外観は見た感じはよくありません。
2階でも展示があるのかと期待していましたが、1階のみの会場でした。
美しい階段は、幕で仕切られ見ることができませんでした。

正面エントランスは、売店などが設置され、素敵なモザイクタイルなどの内装を楽しむ事ができません。
せっかくの表慶館を使っての展示、もう少し工夫して 建物の素晴らしさも一緒に鑑賞できると良いのに。とても残念に思いました。



表慶館を後にして、平成館で開催されている、親と子のギャラリー「博物館の中の水族館」を見に行きました。
東京国立博物館所蔵品の中から、魚や貝、蟹など海や川で暮らす生き物の作品が展示してあります。蟹の造りが精巧で見入ってきました。

重要文化財の 褐釉蟹貼付台付鉢、高村光太郎の鯰など、さりげなく素晴らしい作品が並んでいて、
子供だけでなく、大人も楽しめる展示となっています。



そして、次回 夏休みの平日に来ようと思っていた
対決巨匠たちの日本美術」展。空いてるので、急遽観ることに。
日曜日の昼間なのに、空いていました。

日本美術の奥の深さを感じさせる、盛りだくさんの展示となっています。
展示替えのため、風神雷神図屏風が見れなかったのが残念。
何度も訪れたくなる展覧会です。



ロビーに山口晃のガチャポンがあって、楽しめました。

そうそう、アニメ「時をかける少女」に東京国立博物館のシーンが出てきます。
私の大好きな本館 1階休憩室の描写には、参りました。
詳細に描かれていました。

2008.7.13
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「森山大道展Ⅰ.レトロスペクティヴ1965-2005/Ⅱ.ハワイ」

2008-05-29 | 美術展
デビューした1960年代から、混沌とした焦燥感あふれる時期を経て、
スタイルを確立して現在に至る
最新作までの作品が展示されている。
森山大道入門写真展という感じ。

「アレ・ブレ・ボケ」という言葉の通り
なんだか カメラを構えるときの水平・ピントなんか考えるのが
問題外…という 大きな気持ちになれるモノクロームの作品が連なる。

上下2段の展示は、照明がガラスに反射して
せっかくの作品が良く見えない。
展示方法に問題ありかな。

モノクロームの光と翳の世界。
粒子の粗い写真は
想像をかきたててやまない。

ハワイの撮影風景の映像があり、スナップ写真に風景を切り取る姿をみることができる森山の映像は必見です。

写真って、やっぱり面白い。

◇森山大道展
東京都写真美術館
2008.5.13 ~ 6.29

2008.5.22

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澁澤龍彦回顧展と薔薇

2008-05-22 | 美術展
なんとなく 乗り気じゃなくて
お昼近くに横浜に出かけた。
元町から坂道を登り、港の見える公園を散歩。

近代文学館を目指してここまで来たけど、
イギリス館の周囲は、薔薇園だったことを忘れていた。
咲いている時期に来たのは 初めて。
ちょうど見頃。たくさんの人で賑わっていた。

薔薇の香り、
素敵です。
















 これは ノースポール





みごとなバラ園をぐるぐる歩き回って
やっと 今日の目的地、近代文学館・澁澤龍彦回顧展に到着。

書簡と写真の 静かな展覧会。





せっかくなので手紙を読むことに。
かなり時間がかかる。
豊かな交友関係を 静かに紐解いていく感じ。

由比ガ浜にて 矢川澄子とコイコイをしている写真は、
何度見ても 美しいと思う。

今年は、生誕80年。サブタイトルは、ここちよいサロン。




◇澁澤龍彦回顧展
会期 2008年4月26日~6月8日
県立神奈川近代文学館
横浜市中区山手町110

2008.5.18

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サラ・ジー展◇メゾンエルメス

2008-05-12 | 美術展
この展覧会のことを知ったのは、5月9日。

5月とは思えぬ肌寒い、雨の日曜日。
午後になって雨があがったので、最終日に出かけてみた。

エレベーターで8階に降りると、すぐそこから作品は始まっていて
床に青い細い糸が何本も張り巡らされていた。
その上を歩くのをためらいながら進むと、9階まで吹き抜けになった
会場奥にいろいろな物を積んだタワーがあり、タワーから赤い糸が伸びて、
いや、いろいろなところからタワーに向かって赤い糸の触手が伸びているようにも見えた。

タワーの周囲の床は、白い紙で覆われ、雪の世界。
タワーに向かって、ぐっと引かれている半分うずもれたオブジェ。
床に鏡を敷き詰めたところは、池に見え、エルメスの外壁のガラスの壁を映し
もう一つの世界がそこに広がっている。

日常の身近なものを使って、自由に 美しい世界を描き出している
彼女の感性に 感動。
建築を学んだというだけあって、緻密に計算された構造物の都市のようだ。

作品に 近寄って 確かめることのできる幸せ。
私的には、緑の足跡が好きでした。
サラ・ジーの世界…すっかりはまりました。

入場無料なのも嬉しいけど、カタログがまた素敵。
この展覧会の見所を、写真でみごとに再現。
作品集といっても言い過ぎではないと思う。

サラ・ジー 展
◇メゾンエルメス
2008年02月08日 ~ 2008年05月11日
東京都中央区銀座 5-4-1



 

 

2008.5.11
コメント (2)
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