とのさま不経済新聞 by 雲葉

「よるのとのさま」から改題(2013年2月1日)

小海線放浪記

2012年10月02日 | とのさまの漫遊
  それでもアラームより早く目が覚めた。昨夜は帰ってからベッドに倒れこんで居眠りしてしまい、気づけば深夜1時過ぎ。1時までという健康ランド(大浴場)の利用時間を過ぎてしまったため再び寝ることにした。

  朝湯が6時からというのでそちらを利用する。当然と言えばそうだろうが極めつけにすいていて快適至極であります。早起きしたおかげ(?)で多彩な風呂を楽しめる。これが日帰り利用なら1200円、タオル、浴衣付きならプラス200円というのだから、宿泊費が割安なのか?

  朝食は1050円というのでパスした。もちろんそれなりのものが出るのだろうが、目の前に24時間営業のガストがあるし、そちらでよいと思っていた。ところが昨夜、戻る前に隣のコンビニに入ったらカップの「スガキヤラーメン」が売られているではないか。喜び勇んで購入し、部屋備え付けの湯沸しポットで作った。ベッドはセミダブルで広め。機会があればまた泊まりたいと思う。

  朝食(笑)

  まだ口の中が胡椒っぽい。9時10分ほど前にチェックアウトして駅とは反対方向に歩を進める。長土呂地区へ向かい、同名の簡易局を制覇する。新幹線駅最寄りの郵便局が簡易というのも凄まじい。さんざんチェーン店を建てる中で郵便局だけ作り忘れたかのよう。

  新幹線駅最寄り郵便局が簡易!

  佐久“平”というだけあって坂はない。冒頭写真はホテルの部屋から撮ったもの。典型的な郊外の住宅地という風情から、広い道と近代的な建物が現れたらそこが駅だ。駅併設の「プラザ佐久」で嫁はんの実家への土産を購入。地酒も魅力的な銘柄が並ぶがここは忍の一字とする。

  細長い通路を通って無人駅の小海線乗り場へ行くと、列車はあれあれ昨日と同じ編成だ。

  ゾロ目車輌の正面(岩村田駅にて)

  今回はそのゾロ目車輌に腰を落ち着ける。といっても中込行きなので直に降りねばならない。

  中込は岩村田に比べて商店街という感じがする。官公庁の出先機関などは岩村田でも、実際の町の中心はこちらなのか。駐車スペース付きの道路を設置工事中で、人通りはそれほどでもないにせよ活気は感じられる。中には夜更け近くに開店して未明まで営業というラーメン店も。もちろんしもた屋もあるのだが。

  中込局を制覇して、これがめでたくというかようやく1800局目となった。そうそう遠出はできないし、ずいぶん長い道のりだった。それを記念してというわけではないけど駅前の酒店で佐久の地酒、木内醸造の「初鶯特撰純米生一本」4合を買い、バッグを重くする。

  中込駅  待合室にはこんな掲示も

  次の小淵沢行き列車は国鉄東日本総本部ご自慢の複合動力車、キハE200形だ。動き出してしばらくしてからエンヂン音が響きだすのは特徴的で、昨秋に長岡から新潟まで乗ったHB-E300系を思い出す。そもそもその礎となった車輌であります。

  車内はガラガラでのんびり。車窓も長閑な田園風景が広がります。このあたりは私鉄の「佐久鉄道」として開業した区間のためか駅間が短く、動き出しては停まりの繰り返しでスピードは出ない。今日は時間がまだまだあるので海瀬で途中下車する。ホームへ降りると頭上を巨大な水路管が横切り物々しい。ホーム1本のいわゆる“棒駅”で、出入口通路も狭く無人駅マニヤは好みそう。知らずに来たら駅の入口を見過ごしそうだ。

  駅近くの四ツ谷簡易局を制覇して国道299号を歩き、千曲川を渡って国道141号に出る。道路脇の名所案内に「元気が出る公園」とあるので行ってみようかと思うも、単位が“㎞”だったため見合わせ。高野町局をも制覇して「ラーチ」というショッピングセンターがあったので、小休止がてらツルヤなる信州ローカルのスーパーを覗いてみる。

  すると店先に懐かしい日本航空の児童用遊具が置いてあるではないか。乗ってみるほどモノズキではないがカメラに収めておく。

  こちらはリストラされなかったよう

  さて店内に入ると安い安い。東京や神奈川のスーパーはどこも顔負けの勢いだ。酒のコーナーを見ると、地酒に店の独自ラベルを貼って売っているものもあり、500ミリリットルと量も少な目ながら普通酒なら400円程度、純米酒でも600円程度で売られている。右から左まで買っていきたいがそんなことをすれば荷物で身動きが取れなくなる。さりとて発送を頼むほどでなし、ここは1本だけにしておいた。

  もうひとつ長野県内には「ハッピードリンクショップ」という自販機コーナーをやたらに目にする。調べると山梨県の(株)フローレンなる企業が運営しているらしい。通常より安く、こういうのが横浜にあったら助かったのに。ただ会社のサイトに店舗一覧はなく、神出鬼没なので見つけたら“ハッピー”なのかもしれない。

  羽黒下駅へと歩き、駅前の羽黒下簡易にて経験値1とゴム印1を求める。昼食時なのでどこかと思うも旅館と酒屋だけで食堂の類いはなさそう。さっきのスーパーで弁当でも買ってくればよかったかと悔やまれる。

  待合いに腰を下ろすと窓口から「きっぷはお持ちですか?」と声がかかる。この駅は佐久穂町が受託しており、女性の職員がきっぷを売っていた。当方の片道乗車券では海瀬まで二重乗車となるため、「海瀬まで」と申し出ると不思議な顔をされる。そのため乗車券を呈示してかくかくしかじかでとわけを話すと納得して発売してくれた。140円なり。委託駅にありがちなペラペラのモギリ券ではなく一般的な機械発行のサイバネ規格券でちょっとがっかり。

   羽黒下駅 

  次は佐久海ノ口に降りてみます。すると駅舎が金網で囲われ物々しい。どうやら今月から駅舎の改築工事が始まったらしい。細い仮通路を通って外へ出、海ノ口局を制覇します。近くに食堂が2軒あり、局の先にある「みちくさ」で750円のモツ煮定食にありつきやれやれ。

  食後は村の散策とするも、驚いたことに食品を扱う店が1軒もない。役場があるだけの寂しい場所で、行政の中心ではあっても町の中心は野辺山なのだろう。野辺山方に「ストローハット」なるファミレス風の店もあったけどさっき食べたばかり。駅へ戻って時間を潰すことにする。

  改築が始まる佐久海ノ口駅舎
  旧出札口と荷物扱い所(金網越しに撮影)  ホーム側から。この看板は新駅舎に引き継がれるのだろうか

  仮の待合室は小さなスーパーハウスにベンチを置けるだけ置いたという感じで狭い。ところでこの駅でちょっとした疑問が湧いた。

  

  写真右手に見える逆L字型のポールは下り列車の3両編成の停止目標らしい。ところがホームの長さはどう考えても2両分しかない。その先は分岐機だ。本当に3両編成が停まれるのだろうか。

  待つこと久しい小淵沢行きは、またゾロ目だ。つき合いいいねぇ。

  列車は急勾配に挑み、野辺山でオバちゃんが大量乗車して一気に賑やかになる。旗を持った添乗員らしき男性がおり、何かのツアーだろうか。小海線が初めてなら最高地点通過も初めて。かつて国鉄バス最高地点だった和田峠南線の扉峠は通ったことがあるもののその路線も今はない。美ヶ原やビーナスラインを走るのは爽快だったものだが。

  オバちゃんご一行は次の清里で下車。自身の青春時代に想いを馳せるのだろうか。

  小淵沢で高尾からの115系に乗り換え。塩嶺トンネルでケータイが通じるのには驚いた。さすがビジネス路線でもある。5月の丹那トンネルでは圏外だったのに。

  定刻に塩尻について嫁はんと落ち合い、今回は母と妹も塩尻に来ている。お馴染み「五千石茶屋」で嫁はんの家族ともおいしい料理を囲んだのでした。

【行程】
[佐久平] 9:32(小海線128D キハ111-111 =2両)9:48 [中込] 10:30(同228D キハE200-1 =2両)10:47 [海瀬]~[羽黒下] 12:56(同230D キハ111-109 =2両)13:29 [佐久海ノ口] 15:02(同232D キハ111-111 =2両)15:56 [小淵沢] 16:22(中央本線441M モハ115-1076 =6両)17:13 [塩尻]

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2 Comments

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Unknown (けんもつ)
2012-10-11 01:02:22
自分が最後に小海線乗った時は
まだキハ10系のような
非力なディーゼル車両でした
両運転台の車両で
連結の渡り部分の運転席には入れませんでしたが
助手席?補助席?にイスがあり足元にペダルあったので
踏んで見たら思いっきりホーン鳴りましたwww
その後車掌さんに怒られましたw
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「高原列車は行く」は小海線のことではない (雲葉)
2012-10-11 13:31:43
せっかく「高原線」の名をつけて売り出してるのに、
固定窓の車輌というのは残念至極です。

小海線は小諸から乗るほうが楽しめそうな印象でした。
小淵沢からだと、いきなりクライマックスが来て、
あとは佐久平地方をダラダラ走るだけで退屈になりそうです。
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