とのさま不経済新聞 by 雲葉

「よるのとのさま」から改題(2013年2月1日)

信濃の國へ ~ミステリーホテル

2012年10月01日 | とのさまの漫遊
  颱風も過ぎてスッキリ晴れました。そして今日から例年通りの遅い夏休みとします。

  武蔵小杉11時ちょうど発の湘南埼玉ラインで出発。途中の通路にあった「よ ん れ つ」のポスターが貼りかえられてました。別に拙者がネタにしたからというわけではなかろう。(当たり前だ!)

  グリーン車も階下席はガラガラ

  高崎まで2時間あるのでここはグリーン車を驕る。といっても東急ストアのポイントがかなりあり、電子マネーに換えてそれで券を買った。どうせすいてるだろうと最初から階下席に向かえば案の定。埼京線内が混雑の影響で遅れが出ており、山手貨物線内はこちらも渋滞でノロノロ。気を揉んだものの赤羽を過ぎれば順調に走り出す。

  昨年に続き湘南色115系の登場

  高崎からは懐かしの湘南色115系で。北高崎で下校の高校生が乗ってくるけどさほどの混雑でもない。それも駅ごとに降りてゆき、ガラガラの状態で横川に着いた。改札で武蔵小杉までの定期券と、そこから品川までの160円券、さらにそこ(山手線内)から横川までの2210円の乗車券を提示して下車する(乗車券は回収)。せこいようだが安くできるならそうしたい。

  横川と言えば「釜めし」。そういえば今日から千円になったんだっけ。もとより食べる気はないのだが。ファンの方には申し訳ないけど話の種に一度食べればもういいという感じだった。横川郵便局(無関心)は移転して建替えられたよう。そういえばここへ来るのは十数年ぶりか。

  峠越えのバス

  もうひとつ、今日が長野新幹線開業15周年ということに気がついた。となればこれから乗るバスも15周年ということになるが、特にそういうことは宣伝していない。裏を返せば鉄道廃止15年でもあり、地元や関係者にすれば今も複雑な気持ちではないかな。なんでも東京中心という考え方が果たして良いものなのか、今も疑問に感じる。

  そのバスには15年にして初めて乗る。左手最前部が空いており、そこに腰を落ち着ける。もっともここだけが1人掛けで、他は2人掛けなのだから、普通なら観光客でも広いところに座るだろう。ずっと車外で電話をしている年配の御仁に運転手が気を揉んで声をかける。どうにか定刻前に通話を終えて車内に戻りやれやれ。

  走り出せば順調なドライブだ。カーブの連続なれど運転手は慣れたもの。すいすいと坂を上っていく。そして車窓も意外と退屈しない。店を閉じて廃墟と化したガソリンスタンドやドライブインもあるけど、所々見える麓の風景がパノラマのように広がる。鉄道も味があったけど、車窓という点ではトンネルがない道路に軍配が上がるのではなかろうか。

  当方も「国鉄全線完乗」を目指しているけど、それにはバスも含まれる。そう言いながら滞ってもおり、小諸や上田などに未乗路線も多い。癪なのは乗った路線ばかりが廃止になったことか。残っていればいるで乗りに行く楽しみもある。でもこれではまるで拙者が「歩く消しゴム」みたいではないか。

  峠を越えると小洒落た風景に様変わりする。新幹線やしなの鉄道の下をくぐり、軽井沢には定刻より2分早く着いた(行程表は実際のもの)。

  まずは軽井沢駅前局を不退転の決意で正面突破する。意外や未訪だった。そして駅へ戻ると、「おぎのや」の売店に全く期待していなかった「玄米弁当」が1個だけ残っており、あれうれしやと買い占めた。こちらは変わらず500円のまま。頃やよしと列車も入線したところのようで、発車までの間に車内でもそもそ。当たり前だがこちらも十数年ぶりに手にした。

  玄米弁当の掛け紙  軽井沢駅構内のEF63

  軽井沢を出て2つめの信濃追分で下車します。ここにある「あたらさん編集室」は、かつて暮らしの手帖社から別冊として出ていた雑誌で、拙者の高校の先輩が編集に関わっていた。今は休刊となり、看板から「(株)暮らしの手帖社」の表示も塗り消されています。

    信濃追分駅構内にある「あたらさん編集室」

  編集室へ足を運んでみると、金~月曜の10時から16時まで在室という旨の掲示があるが残念ながら外出中の札が下がっている。やむなく駅前の軽井沢追分局に行っただけ、次の電車で小諸へ転進と相成った。

  そこへ来たのが湘南色の169系 さっきすれ違ったのでもしやと思ったら案の定でした(冒頭写真)。車内はボックスシートではなく0系新幹線から転用した簡易リクライニング座席が向かい合わせで配置されてる。短い時間で降りねばならぬのが惜しい。帰ってから調べると運行予定は公開されてるんですね。

  169系車内  サボ

  思わぬ湘南色の乗り継ぎで満悦し、小諸で降りたなら懐古園へも行ってみます。1時間足らずしかないけど。

  動物園へ向かうと、まずは檻に入ったワンちゃんがお出迎え。キミも展示物なのかな?

  わりと懐っこい動物が多く、こちらへ寄ってきます。そこへクルマに乗った若い女性が現れ、作業服姿なので飼育員さんかなと思い「懐っこいですね」と話しかけます。「けっこうみんな馴れてますよ」とのこと。そこへ男性職員が現れ「先生」と呼んでいたので、どうやら獣医さんなのか。

  懐古園水の手展望台から望んだ千曲川

  ひと回り散策を楽しみ、17時になったので宿へ向かう前に街へと足を向けます。ところが歩けど歩けど店がない。寿司屋や喫茶じゃどうしようもないし、あとはスナックばかり。しもた屋と思しき区画もある。駅前にはいかにも観光客向けのような店があるけど、「新幹線が来ない街」というのをまざまざと見せつけられた思いだ。早々に今宵の宿がある佐久平へと列車に乗り込みました。

  ゾロ目

  これも意外や初めての小海線で、車輌は写真のように珍しいゾロ目。しかしこちらは混んでいたので隣の車輌に乗ります。このゾロ目に関わる数奇な運命に、この時は知る由もなかった。

  2両編成の列車は下校や勤め帰りの人たちで賑わう。乙女(駅)は「」にアクセントがあるのは初耳だった。佐久平駅の小海線側は無人駅で車掌が集札にあたる。小諸から塩尻までの乗車券を呈示し、途中下車である旨を申告した。

  今日の宿は駅近くの「佐久平プラザ21」を。ネットで探したところ、通常6400円からのところが5500円と割安なれど部屋タイプはチェックイン時のお楽しみという、まるで飲料自販機のミステリーゾーンのごとき。果たして部屋はというと、シングルバスなしという標準的なものだった。

  佐久平のコインランドリー「しゃぼん

  荷物を置いたら着替えてまずは近くのコインランドリーへ。これもネットで探した。店の入口には朝6時から23時まで営業とあり、かなり便利。近隣の主婦らしき女性が子供用の靴を洗いに訪れる。靴洗い用の洗濯機もあるのだ。軽く乾燥機もかけて、さて夕食だ。

  佐久平駅周辺はチェーン店ばかりなので岩村田の旧市街へと向かってみる。「一柳」という店に傾きかけたがここはどちらかというと定食屋のよう。ちなみに読みは“いちりゅう”らしい。岩村田駅近くまで来てちょっと賑やかな一角があったので入ってみる。

  岩村田駅近くの「百万両」

  店の前にクルマが何台かいたものの、これは隣のラーメン店の客のよう。暖簾をくぐると先客はご常連さんらしき男女3名だけ。まずは生ビールを。銘柄はサッポロ黒ラベル。メニューはそう多くなく、串焼き6種類と一品料理が7~8というところ。ボードに本日のおススメもあるけどすでに消されたものも。串焼きが美味しく、冷や奴が珍しく木綿豆腐だった。一杯呑み屋の風情なので、ここは軽く飲み食いして転進する。

  ところが駅周辺を歩いても店がなかなかない。これまた残念ながら臨時休業の貼り紙を出した店も。そのため百万両までの道すがらに見かけていた「とりやたまや」という、ちょっと洒落た店に入ってみます。

  お通しは蒸し鶏ときのこの和え物。ビールを頼むと、料理とのオトクなセットもあるという。何種類かあり、おススメを聞いてそれに従う。あとは串焼きの3本セット(野菜焼きのおまけつき)を。店内はスタッフも客層も若い人ばかり。

  さて出てきた料理はというと、なかなかうまい。でもお通しを含めてどれも塩と黒胡椒の味しかしないのはいかがなものか。野菜焼きとは小さながんもどき(2個)だったけど、これも塩味だ。佐久平のヤングはこういう味付けが好みなのだろうか。あるいはたまたまそういう料理ばかり頼んでしまったのかもしれないけれど、だんだんと計(はか)がいかなくなる。口直ししたいけど急に満腹感が襲ってきた。今日は夜勤明けでもあり、体がそろそろ休ませてくれと言っているのかもしれない。追加は頼まず安い勘定で後にした。

【行程】
[武蔵小杉] 11:00(湘南埼玉ライン~高崎線3610E サロE230-1053 4号車15D =15両、籠原から10両)13:01 [高崎] 13:12(信越本線137M クモハ115-1033 =4両)13:45 [横川] 14:00(JRバス関東碓氷線 M583-98401 500円)14:32 [軽井沢] 15:08(しなの鉄道2605M クモハ115-1018 =3両 230円)15:17 [信濃追分] 15:50(しなの鉄道771M クモハ169-6 330円 =3両)16:05 [小諸] 18:02(小海線238D キハ112-111 =2両)18:17 [佐久平]

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2 Comments

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Unknown (けんもつ)
2012-10-09 02:30:35
169系萌えます

あのモーター音

あの音だけで白飯3杯逝けます

熊本の青カエルも来年辺り引退なので

乗りに行きたいと思います
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車齢44年 (雲葉)
2012-10-09 13:13:34
ギア比4.21で白飯3杯とはツウですね(?)

熊本の青ガエルも久しぶりに乗りたいです。
昔乗ったら吊り革の広告が「東横のれん街」のままだったのが笑えました。
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