今日9月26日は、かの有名な小泉八雲の没日でございます。
巷では小泉元首相の政界引退が大きく報じられておりますが、同じ小泉でもどちらかといえば私の関心は小泉八雲の方にございますよ。
小泉八雲といえば『怪談』。私は小学生の頃にこの本を読みました。小学生でも読めたくらいですから、おそらく子ども向けに多少簡潔に書かれたものだったのだと思います。
この怪談に収められている作品の中で、私が最も恐ろしく思ったお話しは「むじな」。ご存知の方も多いでしょうけれど、簡単に説明すると商人がのっぺらぼうに驚かされるというお話でございます。
そんでね、そののっぺらぼう。
実はのっぺらぼうっていう妖怪はいないって知ってました?のっぺらぼうってのはタヌキが化けたもので、要するにその正体はタヌキなんですよ。「むじな」もタヌキを示す言葉ですし、当然ながらタヌキが人を化かすお話として書かれております。タヌキがのっぺらぼうに化けるんですよ。
私が読んだ本はその挿絵がすごく恐ろしくてね。その影響で今でもタヌキを見るとドキッとします。茂木に行く途中とかね、出るのよ、タヌキが(^^;)
じゃ、顔がツルッとしたのっぺらぼうが本当に全てタヌキなのか・・・というと、実はそうでもないんです。
俳人だった与謝蕪村の作である『蕪村妖怪絵巻』には「京かたびらの辻ぬつほり坊主のばけもの」という記述がございます。「ぬつほり坊主(ぬっぽり坊主?)」というのがどうやらのっぺらぼうを表現しているらしいのですが、この妖怪、「目鼻もなくひとつ眼で、眼は尻の穴にあって稲妻の如く光る」と紹介されており、挿絵も描かれております。それがこちら。
なぜか肛門に目が・・・。京都の帷子ノ辻に生息していて、人に会うと突然全裸になって尻にある目を見せて驚かすというわけのわからない妖怪でございます。特に人に害を加える事もなく、ただただ驚かすだけ驚かしていなくなるのだそうな。
妖怪界の巨匠・水木しげる先生が描いたお姿を拝みたいという方はこちらからどうぞ。
『水木しげる妖怪映像原画集・尻目』
この尻目というネーミングは水木さんによるものだそうでございます。見たまんま。
さて。
与謝蕪村がこの作品を手がけた当時(宝暦4年~7年)は江戸で妖怪ブームが起こった頃でございます。蕪村は京都の北部、丹後宮津に住んでいたそうですが、きっと江戸から伝わった妖怪ブームの影響で京都で起きた怪事件の噂話を空想上の妖怪として描いたのでしょう(いや、知らないですけど・笑)。
でもね。
たぶん当時の帷子ノ辻あたりにはこういう人が本当にいたんじゃないかと、私は勝手に推測しております。
私の仮説は2つ。
<仮説その1・脱肛説>
帷子ノ辻は京の都と嵯峨野を結ぶ道筋にございます。このあたり一帯は化野(あだしの)と呼ばれており、昔は風葬(死体を埋めずに放ったらかしにして風化させる葬法)の地として知られていたそうでございます。ですからね、当時はきっと草木の生い茂る荒れた道だったに違いありません(勝手な想像)。
夜更けの頃、その帷子ノ辻あたりでもよおした旅人Aさんがいたんですよ、きっと。で、草むらにわしゃわしゃと入って行き、着衣をはだけて用を足していたその時、いきんだ拍子にそのAさんは脱肛を起こしてしまったわけです。
脱肛ってものすごく痛いらしいんですよ。とてもじゃないけどひとりじゃどうにもならないくらい痛い。さて困った。
そこへ偶然、他の旅人Bさんが通りかかった。そこでAさん、肛門を見せつつ全裸で道に飛び出し助けを求めたところ、月明かりに照らされたその脱肛を見たBさんは「うわぁ~っ!!尻に目がありよる!!妖怪や!!」と誤解して逃げたと。でもAさんは痛くて追いかける事も出来ない。
そして京の都に逃げ帰ったBさんがこのお話を広めたんですよ。「尻に目があってな、それをばっと見せて来よんねん。でも追っかけても来いひんし、あれは愉快犯の妖怪に違いないな」と。
この場合、脱肛を起こしているAさんは腎虚証だと推測できます(笑)。
<仮説その2・露出魔説>
昔にだって変態はいたと思います。自分の裸を誰かに見て欲しいという欲求を持つAさんはきっと、人気のない帷子ノ辻で旅人に全裸を見せては悦んでいたんですよ。
ある日の夜更けの事。いつものように全裸で暗闇の茂みの中からガバッと出ようとしたところ、何かにつまずいて前のめりに転んでしまうわけですよ。その顛末を見た旅の娘Bさん、月明かりに照らされた変態Aさんの肛門を見て「キャーッ!!尻に目があるわー!!」とびっくり仰天。Bさんは一目散に逃げましたが、Aさんは転んだ痛みで追いかける事も出来ない。
そして都へ逃げ帰ったBさんがこのお話を広めたんですよ。「私が暗闇の中を歩いとったらな、突然尻に目がある妖怪が出てきてな、それをばっと見せて来よってん。でも追っかけても来いひんし、ありゃ愉快犯の妖怪に違いないわぁ」と。
この場合、露出魔のAさんは脾虚証だと推測できます(笑)。
ちなみに私、京都に住んでいた頃はよく帷子ノ辻あたりを通りましたが、残念ながら(?)尻目に会った事はございません(^^;)
・・・馬鹿な事やってないで仕事するか(-_-;)
巷では小泉元首相の政界引退が大きく報じられておりますが、同じ小泉でもどちらかといえば私の関心は小泉八雲の方にございますよ。
小泉八雲といえば『怪談』。私は小学生の頃にこの本を読みました。小学生でも読めたくらいですから、おそらく子ども向けに多少簡潔に書かれたものだったのだと思います。
この怪談に収められている作品の中で、私が最も恐ろしく思ったお話しは「むじな」。ご存知の方も多いでしょうけれど、簡単に説明すると商人がのっぺらぼうに驚かされるというお話でございます。
そんでね、そののっぺらぼう。
実はのっぺらぼうっていう妖怪はいないって知ってました?のっぺらぼうってのはタヌキが化けたもので、要するにその正体はタヌキなんですよ。「むじな」もタヌキを示す言葉ですし、当然ながらタヌキが人を化かすお話として書かれております。タヌキがのっぺらぼうに化けるんですよ。
私が読んだ本はその挿絵がすごく恐ろしくてね。その影響で今でもタヌキを見るとドキッとします。茂木に行く途中とかね、出るのよ、タヌキが(^^;)
じゃ、顔がツルッとしたのっぺらぼうが本当に全てタヌキなのか・・・というと、実はそうでもないんです。
俳人だった与謝蕪村の作である『蕪村妖怪絵巻』には「京かたびらの辻ぬつほり坊主のばけもの」という記述がございます。「ぬつほり坊主(ぬっぽり坊主?)」というのがどうやらのっぺらぼうを表現しているらしいのですが、この妖怪、「目鼻もなくひとつ眼で、眼は尻の穴にあって稲妻の如く光る」と紹介されており、挿絵も描かれております。それがこちら。
なぜか肛門に目が・・・。京都の帷子ノ辻に生息していて、人に会うと突然全裸になって尻にある目を見せて驚かすというわけのわからない妖怪でございます。特に人に害を加える事もなく、ただただ驚かすだけ驚かしていなくなるのだそうな。
妖怪界の巨匠・水木しげる先生が描いたお姿を拝みたいという方はこちらからどうぞ。
『水木しげる妖怪映像原画集・尻目』
この尻目というネーミングは水木さんによるものだそうでございます。見たまんま。
さて。
与謝蕪村がこの作品を手がけた当時(宝暦4年~7年)は江戸で妖怪ブームが起こった頃でございます。蕪村は京都の北部、丹後宮津に住んでいたそうですが、きっと江戸から伝わった妖怪ブームの影響で京都で起きた怪事件の噂話を空想上の妖怪として描いたのでしょう(いや、知らないですけど・笑)。
でもね。
たぶん当時の帷子ノ辻あたりにはこういう人が本当にいたんじゃないかと、私は勝手に推測しております。
私の仮説は2つ。
<仮説その1・脱肛説>
帷子ノ辻は京の都と嵯峨野を結ぶ道筋にございます。このあたり一帯は化野(あだしの)と呼ばれており、昔は風葬(死体を埋めずに放ったらかしにして風化させる葬法)の地として知られていたそうでございます。ですからね、当時はきっと草木の生い茂る荒れた道だったに違いありません(勝手な想像)。
夜更けの頃、その帷子ノ辻あたりでもよおした旅人Aさんがいたんですよ、きっと。で、草むらにわしゃわしゃと入って行き、着衣をはだけて用を足していたその時、いきんだ拍子にそのAさんは脱肛を起こしてしまったわけです。
脱肛ってものすごく痛いらしいんですよ。とてもじゃないけどひとりじゃどうにもならないくらい痛い。さて困った。
そこへ偶然、他の旅人Bさんが通りかかった。そこでAさん、肛門を見せつつ全裸で道に飛び出し助けを求めたところ、月明かりに照らされたその脱肛を見たBさんは「うわぁ~っ!!尻に目がありよる!!妖怪や!!」と誤解して逃げたと。でもAさんは痛くて追いかける事も出来ない。
そして京の都に逃げ帰ったBさんがこのお話を広めたんですよ。「尻に目があってな、それをばっと見せて来よんねん。でも追っかけても来いひんし、あれは愉快犯の妖怪に違いないな」と。
この場合、脱肛を起こしているAさんは腎虚証だと推測できます(笑)。
<仮説その2・露出魔説>
昔にだって変態はいたと思います。自分の裸を誰かに見て欲しいという欲求を持つAさんはきっと、人気のない帷子ノ辻で旅人に全裸を見せては悦んでいたんですよ。
ある日の夜更けの事。いつものように全裸で暗闇の茂みの中からガバッと出ようとしたところ、何かにつまずいて前のめりに転んでしまうわけですよ。その顛末を見た旅の娘Bさん、月明かりに照らされた変態Aさんの肛門を見て「キャーッ!!尻に目があるわー!!」とびっくり仰天。Bさんは一目散に逃げましたが、Aさんは転んだ痛みで追いかける事も出来ない。
そして都へ逃げ帰ったBさんがこのお話を広めたんですよ。「私が暗闇の中を歩いとったらな、突然尻に目がある妖怪が出てきてな、それをばっと見せて来よってん。でも追っかけても来いひんし、ありゃ愉快犯の妖怪に違いないわぁ」と。
この場合、露出魔のAさんは脾虚証だと推測できます(笑)。
ちなみに私、京都に住んでいた頃はよく帷子ノ辻あたりを通りましたが、残念ながら(?)尻目に会った事はございません(^^;)
・・・馬鹿な事やってないで仕事するか(-_-;)
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