工藤鍼灸院・院長のひとりごと2

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お灸もやってます

06年経絡治療学会夏季大学2日目

2006年08月08日 23時52分24秒 | 鍼灸師会・学会・勉強会
2日目は朝からJR京浜東北線が事故で運転見合わせとなる事態に巻き込まれ、5分程遅刻するという予想外のスタートとなりました。

午前中は池田政一先生の講義を聴講しました。漢方薬の証を経絡治療の証に置き換えて病理や病証の解説を加えるという講義で、臨床に直結する非常に有意義な時間を過ごせました。
午後はちょっと指向を変え、陰陽五行と仏教や儒教、道教の係わりについての講義を選択しました。この講義は昨年も聞いているのですが、話が複雑で(というより中国史に無知なので)理解できなかったため、もう一度聞いてみました。やっぱり2回目はわかりやすかった(^_^;)



夕方からは今話題の『ロハス』についての講演がありました。約2時間の講演は大変参考になりましたが、質疑応答の際、おもしろい出来事がありました。

ロハスから見た代替医療についてのお話があったのですが、ある先生が「免許を持っている鍼灸師と無免許のカイロプラクティックやリフレクソロジーを同じように扱うのはやめて欲しい」という発言をされました。「何年も勉強して免許を取ったのに、数時間の講義を聞くだけで治療している無免許者とは一緒にされたくない」と。その際、鍼灸学校の学生さんを中心に大きな拍手が沸き起こったのです。

すぐさま、講演してくださった先生が「免許のあるなしは一般の人には関係ない、というのが現実」という意見を出し、それに同調する先生の意見も出てパラパラと拍手が起こりました(僕はパラパラ拍手派)。

一般の方は安心を得るため、心地良さを求めるためだけの判断基準で、免許のあるなし何て見ていないですし、現実問題として関係ないはずです。学生さんや一部の先生は鍼灸の免許にある種のプライドを持っているようですが、つまらないプライドを盾に自らの努力を放棄しているように感じました。

個人的には、一般社会に認められるよう、健康管理のために鍼灸を選択して頂けるよう努力する事に必死で、他の施設に目を向ける余裕すらありません。ましてや、他の施設を批判したり規制を望んだりできるような偉い人間ではありませんから、そのような排他的な意見もひとつの思想として受け入れたいです。
ただ、そのような心の狭い術者にはなりたくないなぁ・・・。
免許があろうがなかろうが、お互いに相手に負けない努力をすればいいだけの話だと思います。あとの判断は一般の方にお任せするのみです。



午後8時、今日のプログラムが終わってから、友人とその同僚さん3人でお酒を飲みました。久しぶりにたくさん飲みましたが、ふたりは鍼灸学校の教員養成科の学生さんで、いろんな苦労話を聞けました。かなり酔いましたが、すごく楽しかった(^_^)

さて、明日は最終日!がんばれ俺σ(^_^;)
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4 コメント

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こんにちわ (夏期大学参加の一学生)
2006-08-10 17:20:11
こんにちは。突然お邪魔します。



ロハスの講演の時に

最後質問された先生は、興奮して、

「私たちは免許を持っている上に、毎年こんなに一生懸命勉強しています」と叫んではいましたが、無免許の人たちを批判していたでしょうか? 

「栄養ドリンクやサプリと一緒にされてショックだ」とは言っておられましたが。

そのあと、「ちゃんとわけて扱って欲しい」といわれ、拍手が起こったように記憶しています。



それを、講演者および主催側が、「100時間でとれるリフレと違うのはわかる」と、何度も置き換えておっしゃっていたように思ったのですが。



私にはそういう風に聞こえました。



私には正直なところ特に後半が退屈な講演でしたが、「一般のひとにとっては、全部同列だ」という講演者の方の最後の本音のご意見は、よく響きました。

返信する
疲れが取れない・・・ (院長)
2006-08-10 21:03:44
コメントありがとうございます。



確かに無免許の方に対する直接的な批判はありませんでしたが、「無免許者」という表現でこれら施術者と「分けて欲しい」とおっしゃった部分が、個人的には批判的に聞こえました。社会的立場上同等なのにあえて分ける必要ないと思います。サプリや栄養剤も、一般的には同じ代替医療の枠組みなのですから。

そして「私達は免許も持っているし毎年こんなに勉強している」という言葉によって、『区別して欲しい』という意味ではなく『差別して欲しい』という明確な意図を持ってのご発言だったのではないかという印象を受けました。



間違った解釈であれば訂正しますが、カイロや整体なども含めた代替医療は一般的には我々と同等に扱われている存在だ、という現実を普段から意識する事も大切ではないかと考えています。それが我々鍼灸師の技術向上につながるのだと思っていますし、今回ロハスについての講演だったのもまさにそれについての『気づき』を促すためではないか・・・と勝手に深読みして考えています。

それだけに、あのご意見はちょっと残念だったなぁと。こんな感想です。



ちなみに、外部から鍼灸と全く関係ない先生を呼んで来るのは経絡治療学会の特色ですし、非常に良い部分だと思っています。つまらない講演だと思っていても、数年後何かの役に立つ日が来ると思います!







学生さんですか・・・僕は学生の頃はこういう会に出て勉強しよう何て全く考えずに毎日遊んでました(どちらかといえばダメ人間でした)。毎年学生さんが大勢勉強に訪れているのを見ては、感心させられます。



貴重なご意見、ありがとうございました。

また時々遊びにいらしてくださいね。
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丁寧なお答え、ありがとうございます。 (一学生)
2006-08-11 11:05:07
先生のおっしゃる通り、一般的には同等だし、免許と治す力は比例しませんよね。そのことを、認識する重要性を、深く感じています。



私は、正直な感想を言われたあの先生のおかげで、講演会そのものがひきしまり、「気づき」が明らかになったように思います。



勝手な解釈ですが、あの先生も気持ちはどうであれ、差別的にならないように心がけていて、それで言葉を選んでいたのではないかと思ったのです。感情的になってしまったので、お気の毒でした。



私のただの思い込みかもしれません。



私自身、己の意見を述べるとき、相手に対して批判的・感情的・高圧的にならないでいたいとおもっているのですが、難しいですね。



先生の穏やかで分かりやすいコメントに、学びたいと思います。



失礼な投稿をして申し訳ありませんでした。



また遊びに参ります。ありがとうございました。
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コメントありがとう! (院長)
2006-08-11 14:09:55
再びありがとうございます。



あのような質問や意見は当然出てくるという前提での講演だったのだろうと思っています。

会長のひとことに考えさせられたという方も大勢いらっしゃると思いますし、それだけであの講演を聴講した価値は非常に高いと感じました。



ご質問されたあの先生の持っている技術は非常に素晴らしく、灸頭鍼やガーゼ灸の手技は思わず見とれてため息が出るほどです。婦人科疾患の治療に対しても経験豊富な先生です。機会があればご覧になってください。



八月はお休みですか?・・・夏休み、いいですね(笑)。
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