昨晩開催されたイラクvsヨルダンの試合。アディショナルタイムの2ゴールでヨルダンが大逆転勝利を収めるという、アジア杯の歴史に残る大激闘となりました。興奮のあまり、試合終了後の整列もないという異例の幕切れ。私も叫びまくって、寝ていた次男から「うるせぇ!!」と怒鳴られる始末です(;^^)
とにかく、とにかくすごい試合だったわけですが、大逆転負けを喫したイラクは76分のゴールを決めたアイメン・フセイン選手が2枚目のイエローカードで退場となったところからガタガタ崩れてしまった印象です。
その2枚目のイエローカードのシーンはピッチに座り込んで手で何かを食べるようなパフォーマンスに対するものでしたが、これがなぜイエローカードに該当する行為なのかについて考えたいと思います。
昨日の主審はイラン出身のアリレザ・ファガニー氏。アジアNO.1と言われるほどの実力を持つ素晴らしい主審です。現在はオーストラリアに移住しており、公務員として働きながら主にAリーグで笛を吹いています。時間稼ぎや遅延行為に対しては非常に厳しい審判員だそうです。
フセイン選手はゴールを決めた後、ゴール裏まで走って行きサポーターと喜びを分かち合いました。その後ピッチに戻って草食いパフォーマンスを行ったところでこの日2枚目のイエローカードを提示され退場となっていることから、一連のパフォーマンスが「時間稼ぎ」「無駄な時間の空費」と捉えられたという説が有力視されていました。この場合は公式記録には「遅延行為」と明記されているはずです。
ですが、他の見方もあるようです。
実はこの試合ではヨルダン側も先制ゴールのシーンで同じセレブレーションを、しかも大人数でそこそこ時間をかけて行っていました。これはヨルダンの伝統的な料理である「マンサフ」を食べるパフォーマンスらしいのですが、この際はカードは出ていません。
勝敗の分かれ道となったヨルダン🇯🇴とイラク🇮🇶のゴールパフォーマンスの比較pic.twitter.com/ILzUfKJ11Y
そのためフセイン選手へのイエローカードは「遅延行為」ではなく「侮辱行為」「挑発的」と捉えられたのでは?という説も出ています。この場合は公式記録には「反スポーツ的行為」と明記されます。
そこでAFCのサイトをチェックしたところ、フセイン選手への2枚目のイエローカードは「excessive celebration(過剰なお祝い)」に対するものという記載がありました。
公式記録ではないのでそれが正しいかどうかはわかりませんが、AFC的にはどうやら2枚目のイエローカードの理由は「遅延行為」ではなく「反スポーツ的行為」・・・というのが真相のようです。
一部では「ヨルダンは怒っていなかった」という理由で「excessive celebration(過剰なお祝い)」でのイエローカードには疑問を呈する論調もありますが、早い段階で主審が毅然と対応したからこそ場が荒れずに済んだという見方も出来ます。
あれだけの熱い試合だったにもかかわらず大きな混乱もなく試合が成立したのは、中東の国々の伝統を把握し、それをバカにするようなパフォーマンスだと即座に判断して毅然と対応したファガニー主審のファインプレーだったのかも知れません。そう考えるとアジアNO.1主審の称号は伊達じゃないですね。良い試合を見せてもらいました。今大会はどの試合も面白い!