工藤鍼灸院・院長のひとりごと2

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骨折後の鍼灸治療

2016年12月22日 19時38分49秒 | 工藤鍼灸院の出来事
娘が骨折してから4週間ちょっとが経過しました。よく「鍼治療してるの?」と訊かれるのですが、受傷後2週間が経過した頃から週に3回程度の治療を継続しています。

そんなに数は多くありませんが、時々骨折後後遺症の治療でご来院される方もいらっしゃいます。でもさすがに治療中の写真は撮影できませんからね。娘に協力してもらい、骨折後の鍼灸治療について何をしているのか公開したいと思います。



骨折後の状態を古典医学では局所の『瘀血(おけつ)』と考えます。瘀血というのは、血が停滞してそこに熱が加わって干乾びたものがこびり付いた状態のことです。おなべの底のおこげみたいなものを想像していただければと思います。骨折後の筋肉や関節の硬直は、瘀血があるため筋肉が硬直し、冷え固まった状態を現しています。

ちなみにですが、月経が関与する女性の下腹部には瘀血が出来やすくそれが様々な不定愁訴の原因にもなるのですが、そのお話はまた日を改めるとして。

骨折部位は極端な話、放っておけば自然とくっつきます。問題なのは、骨が付いた後に筋肉や関節の動きが元通りの100%に近い状態にまで回復するかどうかです。
正直、関節内骨折や靭帯損傷の場合は元通り受傷前の状態、100%に回復させるのは難しいですが、それを限りなく100%に近い状態に戻してあげられるかどうかが重要になってきます。ましてやスポーツ選手の場合は一般人以上に重要。そのためには本人のリハビリの努力が8割方、残り2割の最後の最後の部分をリハビリスタッフが請け負う、というのが私の感覚です。
娘は整形外科のリハビリにも週何回かお世話になっています。それももちろん大事ですし、日頃の本人の努力も大事。それらに鍼灸治療を併用することで受傷部位の回復を促し、競技への確実な復帰を実現してあげることが鍼灸治療の目的となります。

ここで大切なのは、早期回復を目的としないことです。あくまでも競技に復帰する、させることが大切なのです。特に成長期のスポーツ選手においては無理な早期回復を目的とする施術はかえって逆効果を生じる場合もあります。
・・・まぁでもほとんどのスポーツ選手が早期回復、迅速な競技復帰を望んで治療にいらっしゃるのが現実です。そこにどう対応するかが難しいのですが、あせらずゆっくりと、確実に治療することが、実は競技復帰への一番の近道となるわけです。



娘の骨折部位は左足の外くるぶしの上あたり。治療の目的はあくまでも筋肉や関節の硬縮・硬直からの回復と予防です。骨折部位に直接鍼を刺すことはありません。



しっかり温めます。



うつ伏せになり、ふくらはぎや足首の関節周辺に鍼をします。



刺鍼の様子はこんな感じです。鍼の深さは1mm程度。その他の治療でもそうですが、でこれ以上深く刺すことはほとんどありません。皮膚の表面を突っついているイメージを持っていただければと思います。これで十分よく効きますし、もちろん痛みはありません。



温めて回復を促します。



知熱灸で患部周辺の筋肉や関節を温め、瘀血を発散します。



骨折後後遺症に対する鍼灸治療はこんな流れで進みます。



あとは自宅で自分で出来るリハビリをするくらいですね。受傷後4週間ちょっとですから、今はまだそこまでがんばってリハビリをする時期でもありません。あと数週間、しっかり骨がくっついた時点でリハビリの強度を高める予定です。鍼灸治療の内容もそれまではこんな感じで継続します。

・・・の予定なんですけど、終業式だった本日、こんなのもらって帰って来ました。



校庭の周回数1位だそうで。骨折前に走っていた分があったのでトップで逃げ切れたらしいのですが、骨折後も松葉杖で3周したそうな。
・・・気持ちはわかるけど、あんまり無理するなよ(;^^)
コメント
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