工藤鍼灸院・院長のひとりごと2

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不妊治療の実際

2015年09月06日 11時51分00秒 | 工藤鍼灸院の出来事
当院には多くの不妊治療の患者さんに来ていただいています。不妊治療に力を入れていたわけではないのですが、気が付くとこうなっていました(;^∀^)
当院の場合、男性不妊と女性不妊の割合は4:6くらい。男性不妊の患者さんはほぼ全員、パートナーの女性も治療に来てくださっています(男女一緒に治療に来る方よりも、別々に訪れるご夫婦・カップルが圧倒的に多いです)。

不妊治療でご来院いただく場合、必ず当院では以下のお願いをしています。

①主治医による診察を定期的に受けていること
②女性は毎日の基礎体温を記録し、施術日に毎回ご持参いただけること

基礎体温を記録することの大変さは私も理解しています。時々忘れてしまったり、忙しくて付けられない日があったっていいと思います。必ずしも毎日でなくても、体温の変化が感じ取れるグラフであれば十分です(^^)b
実際に計測してみると、きれいに低音相と高温相の2層にはっきり分かれる方は意外と少ないものです。不妊治療中の女性ならそれも珍しくありませんし、むしろそこからいろいろな情報が見て取れるものですから、私が確認する分には何となく体温の変化がわかれば問題ありません。

そんな中でも時々、とってもきれいな基礎体温の方に出会うことがあります。先日妊娠された患者さんのグラフが驚くほどきれいなの!こんなにきれいなグラフにはめったに出会えないです。写真を撮影させていただいたので、ご紹介しますね。



左側、ガクッとグラフが下がっているところが月経初日で、急激に上がっているところが排卵日です。妊娠していなければ、その後グラフは再び急降下し、月経がはじまります。月経周期は28日から31日くらいの方が多いですね。

この患者さんの場合は妊娠周期28日目に病院で妊娠判定をし、陽性(+)となりました。着床するとhCGというホルモンが分泌されるようになり、それが尿に出て来るのを利用して判定しているのですが、市販の妊娠判定薬は尿に含まれるhCG濃度が50mIU/mL以上なのに対し、病院での検査の方は25mIU/mL以上と、早い段階での妊娠判定が可能なんです(最近は病院と同じ精度の早期妊娠判定薬を海外から取り寄せて使用している方もいるようですね)。

さてさて。

当院では妊娠判定陽性を確認後も、出来る限り基礎体温を計測し続けていただけるようにお願いしています。実際には9割以上の方が妊娠後は計測を止めてしまうのですが、ずっと測り続けていただける患者さんが時々いらっしゃいます。では、ずっと計り続けていると基礎体温はどうなるのか、皆さん存知ですか?



胎盤が出来上がると、基礎体温は急激に下がるんです!

胎盤が出来上がるのは妊娠周期14週から16週頃。そして胎盤が出来上がり体が安定期に入ると、こうして基礎体温は急激に下がります。ここまで来ればもう一安心(^^)v

妊娠周期14週より早い時期に基礎体温の低下が見られた場合、赤ちゃんに緊急事態が生じていることもあります。こうして安定期まで基礎体温を測り続けていただけると、万が一の際にも素早く対応できますので安心です。

今現在妊娠初期の妊婦さんは、もし余裕があれば基礎体温計測を継続してみてくださいね(^^)

ちなみにこのグラフの患者さん、初診は平成24年3月。平成25年2月にお仕事の都合で一旦治療をお休みしています。治療を再開したのが平成26年11月、妊娠を確認できたのが平成27年7月なので、実質的には9ヶ月ほどの治療で妊娠に至った計算です。
30代前半の患者さんでしたし、最初から状態はさほどこじれてはいませんでした。1年あれば妊娠できる体を作れると思っていましたけれど、結果的には私の予想より早く妊娠することができました。

不妊治療のゴールは「妊娠」ではなく「出産」です。患者さんが我が子をその腕に抱いた時、私ははじめて「おめでとう」とお伝えしています。妊婦生活を十分楽しんで、無事にご出産してください。

当院では不妊治療から妊娠中のケア、安産治療、産後のケアまでをトータルでサポートします。いつでもお気軽にご相談ください(^∀^)
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