実戦教師塾・琴寄政人の〈場所〉

震災と原発で大揺れの日本、私たちにとって不動の場所とは何か

足尾 実戦教師塾通信八百六十二号

2023-05-26 11:17:59 | 旅行

足尾

 ~銅山の足跡~

 

 ☆初めに☆

ゴールデンウイークに足尾銅山にとは、思いがけない選択でした。いつもと違う青葉の場所、という思い付きです。渡良瀬渓谷を渡る渡良瀬川は、前号に登場した足利にもゆかりの川です。わたらせ渓谷鉄道でも、トロッコ列車は休日とはいえ何本も通りません。それに乗車して、川のせせらぎと青葉を直に感じる旅でした。

東武スカイライナーで、館林付近を通過するところです。

足尾銅山と言って真っ先に思うことは、私も同じです。そのことはおいおい話します。

 ☆トロッコ列車☆

乗る時も降りる時も皆さんが写真撮影でごった返すのは、この列車ならでは。降りる時は、運転手さんが運転席から顔を出すサービスもしてくれたり。弁当は中で買おうと思ったのですが、予約してないとダメ。でも、車内のテーブルも座席もトロッコ列車的狭さで、向かい合った顔がくっつきそうに食べてる人が気の毒なくらいでした。

狭いけれど、賑わいと笑顔の車内。枝や葉っぱが車内までご挨拶って感じです。

外に広がる渓谷と青く照らされる道々。

ガイドブックによれば、川の側から見るとこんな感じみたいです。

 ☆足尾町☆

銅山から一番近いのが「通洞駅」。レトロな駅舎からは、ストーブの煙突が伸びてました。

失礼ながらどんなに寂しいところかと思っていましたが、駅前には普通の街並みが開けていました。ガラス戸にカーテンがかかってて、とても肉屋とは分からない肉屋さん。入口にベンチとソースがあって、どうぞ自由に食べて下さい、と書いてある。おばちゃんがお勧めはメンチだというので買いましたが、ベンチではなくホテルで食べました。

 

 ☆銅山「観光」☆

駅から歩いて数分で坑道内に通じる、今度もトロッコの専用列車に乗ります。奥に見えるのが坑道入口。

今度は、さらに小ぶりのトロッコ列車です。坑道内の採掘現場は、江戸時代の再現です。

 ☆田中正造☆

足尾銅山と言えば足尾鉱毒事件です。もちろん、どんな展示がされているのかを目当てにしてました。

トロッコ列車の中から見えた、かつての精錬工場。しかし、足尾における壮絶な鉱毒の経過解説は、全くと言っていいくらいなかった。銅山の歴史を記録した年表が、駅や坑道や資料館など様々なところにありました。でも、そこにも負の遺産を見出すことはできません。足尾銅山を世界遺産にする運動があるようですが、それは日本における鉱工業で果たした足尾の重要性という位置づけです。福島県双葉町の「伝承館」が施設の巨大な反面、展示に原発事故のひどく貧弱なことを思い出しました。足尾の鉱毒を明治天皇に直訴した田中正造の名前は、やっと坑道のトンネル内の年表に見つけることが出来ました。私と同じ視点で見に来ている人たちもいるようで、あったあったと言っている。

売店にあった資料集の一文が、資料館や坑道内の展示の基調になっていると分かります。

「足尾銅山の鉱山そのものが余り知られていないのに、なぜか公害のイメージだけは社会に根付いています」

年表の「精錬工程で出る亜硫酸ガスから濃硫酸の製造を開始し煙害問題は解決に」というかすかな記述から、公害の存在を読み取れる人はわずかでしょう。それらを知るなら、古河や谷中村でないといけなかったようです。

 ☆駅舎/温泉☆

不謹慎と知りつつ、それ等の懸念はおいときます。通洞駅のレトロ感に、たまらないものがあるんです。駅舎の窓枠が「木」だし、すべてが木で作られた当時のままの姿でした。

多くの乗降客は観光客ですが、駅員さんが二人で切り盛りする時の物腰は、日常という姿を感じさせるものなんです。

宿泊したのは、国民宿舎「河鹿荘」だったのですが、露天風呂の解放感と、イワナの唐揚げや豚しゃぶもさることながら、栃木県産のコシヒカリが贅沢です。歴史検証というより、れっきとした旅でした。

 

 ☆後記☆

長野の事件もありますが、柏もローカルなニュースになってます。見ましたか。市議による職員へのパワハラやセクハラの調査結果です。イメージ動画なども交じってましたね。身内を調べる活動なので難しい部分がある、とは知り合いの議員さんが言っていたことです。名前が公表されるかどうか見ものです。8月は市議会選挙なんです。

ホンダ、F1復帰ですね。どうやら私の観測で大方間違いなかったみたい。パワーユニットの提供先がアストンマーチンとは、こっちは意外でした。いいんですが、とにかくちゃんと中継で見たいです。

最後に、先週のこども食堂「うさぎとカメ」です。大型バットに収まった40人分の焼きそば、完売で~す。皆さん雨模様の中、ありがとうございました

 


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