実戦教師塾・琴寄政人の〈場所〉

震災と原発で大揺れの日本、私たちにとって不動の場所とは何か

ガザ・補 実戦教師塾通信八百九十一号

2023-12-15 11:45:57 | ニュースの読み方

ガザ・補

 ~世界の困難と因縁~

 

 ☆初めに☆

予定を変更して、ガザについて書きます。「補」なんてはずはないですが、仕方ない。何か出来ることはないのか、と思って書くことしか出来ない。これは何のためでもありません、自身のメンタルを維持するため整理しているようなものです。誰が見てもイスラエルがやっているのは、皆殺し作戦です。いまガザでは、イスラエルばかりでなく、世界中を憎悪する人々が大量に作り出されている、と言っていいのだと思います。現在の状況に何の関与も出来ませんが、西欧・東欧、そしてイスラム世界が、一体どのように共存してきたのか、振り返ります。矛盾は希望でもあります。

 1 寛容なイスラム教?

 イスラム世界が成立したあと、ついこの間(と言っても200年ぐらい前)まで、信じがたいと言っていいが、アラビア語で話すユダヤ教徒がパレスチナの地にいた。ご存知の通り、イスラム教もユダヤ教もれっきとした一神教であって、他の追随を許さない歴史がある。しかし、イスラム教の聖典「コーラン」がアラビア語というのは別に、キリスト教の前身でもあったユダヤ教の聖典・「聖書」のアラビア語訳があったのである。アラブとユダヤの世界が共存していた。驚いたついでだが、イスラム教の雄・オスマン帝国は、グーテンベルクが発明して間もない印刷技術を入手している。追放先のスペインから帰還した、ユダヤ教徒が持ち帰った技術だった。注目したいのが、ギリシャ正教(「キリスト教」)徒が印刷所の開設を、オスマン帝国から許可されていることである。そして方や、イスラム教・オスマン帝国の印刷は、何故かここから100年ほど遅れて始まる。オスマン帝国において、非イスラム(「非ムスリム」と呼ばれる)人が、ムスリム人より優先した。もちろん社会生活全般は、イスラム的様式が優先した。しかしこれらが、多様な宗教や民族が共存していたオスマン帝国、と言われる所以だ。西欧技術を使用するにあたって躊躇したせいもあったのだろうが、それなら印刷技術を全面的に禁止することも出来た。でも、しなかった。「厳格で封建的なのがイスラム教だと思ったら間違いだ」という声が届くことがある。それはこの辺りの事情から来るのかもしれない。

 2 西側と違うアイデンティティ

 ここまででも分かる通り、中東・バルカンエリアの国家事情は複雑に入り組む。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教は、それぞれに制圧を試み、その中のあるものは抵抗し、あるものは「敵方」に改宗した。この結果、例えば、アラブ人の中で複数の宗教が入り混じることが起きた。そして、これも例えば、ユダヤ教に西欧・東欧・中東の民族が存在するという事情が生まれた。国家や民族の境界はモザイクのようになった。しかし、部族や宗教、そして文化・言語をまとまりとする国家形態は、一定の形を保っていた。大航海時代のコロンブスやガマがすさまじい暴力で乗り込んでも、王族・部族、あるいは封建国家の根底は揺るがなかった。日本における鉄砲伝来も、ザビエルの時代も同じだ。これが変わる。産業革命後のイギリスにフランスが続き、それにドイツとロシアが必死に続こうとしたのは、それまでとはレベルを画する世界の制圧戦略だった。先端技術のもたらす、圧倒的な軍事力と財力、そしてそれらが形作る文化は、世界の到達すべき目標となるのに時間はかからなかった。アジアでの本格的開始はアヘン戦争であり、黒船だった。それでも日本は、これをひと括りのまとまりを作るきっかけとした。むしろ、文明開化のレールの下に、新たな国家形成へと向かった。しかし、バルカン・中東エリアは違った。すでに危険な均衡状態だったこのエリアは、西側の「近代」という異様な侵出によって、もっと危うい場所にさらされた。端折って(はしょって)しまって申し訳ないが、それが例えば、以前の「帝国」レポートで触れたポスニア紛争だ。ユーゴ人とムスリム人、クロアチア人の三者が混在するボスニアは、三者共存の合意で何とか対立・抗争を避けていた。不安定な中で、三者は将来の平和的解決を見据えるしかなかった。しかし、強硬なドイツがミスリードし、ボスニアの独立を認める。ついに不安定な均衡は崩れ、ボスニアが内戦状態となる。さらに、その尻ぬぐいと称して「平和のため」に、なんとNATO軍はサラエボを空爆するのである。不安定な共存という意味では、パレスチナとイスラエルの二国家共存(オスロ合意)もそうだった。アメリカやG7など西側が、イスラエルのジェノサイドを支持したのは、サラエボを空爆したNATOと全く同じ図だ。

 

 ☆後記☆

当たり前なんですが、やっぱり中途半端になってしまいます。ユダヤ人問題、そして日本が果たせる役割も、いずれ書く機会もあると思います。焦燥感と無力感が募ります。きっと皆さんも同じだろうと思っています。

 ☆☆

こんな時も勇気と元気をもらえます。幸せな気持ちになれます。オオタニさんの記者会見、見ましたか。話すべきことと出来ないことを選択する表情は思慮深いのですが、時にはユーモアを交えてさばいて記者たちの笑いを取る。何よりも、楽しそう。う~ん。エンゼルスへの配慮も感心しましたね。良かった、見れて。リタイア組バンザ~イ🎊✋

 ☆☆

子ども食堂「うさぎとカメ」、今年最後となりました。明日ですよ。天気は何とかなりそうですが、ドキドキ❤💛 初めてのフリマ風やり方です。そして、去年に続き、今年も公園でテントを張って🎪 みんなみんなおいで~。手をつないで🍩 みんなで歌おうMerryXmas🎅 HappyXmas🎄 お待ちしてま~す😊

明日発行「もしもしカメよ」№24。

岩手の別々なお二人から、蜜のたっぷり入った飛び切りのリンゴが届きました。MerryXmas🎅