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千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

どうなる?ギリシャ危機

2010-04-24 22:47:49 | Nonsense
[ニューヨーク 23日 ロイター] 23日のニューヨーク外国為替市場ではユーロ/ドルが1年ぶり安値から反発。ギリシャが金融支援策の発動を要請し、ドイツも支援に貢献する意向を示したことから、ユーロの需要がやや回復した。
ギリシャのパパンドレウ首相はこの日、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に支援策発動を要請したと発表した。当初ギリシャ支援に難色を示していたドイツも支援する準備があると表明。ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相は、支援の第一弾は5月19日までに実施されるとの見通しを示した。

ただ、アナリストの間では、緊急支援について、財政再建というギリシャが抱える長期的な問題に対する解決策にはならない可能性があるとの見方が根強い。 
ユーロ/ドルは終盤、前日比0.6%高の1.3372ドル。ロイターのデータで一時1.3400ドルの高値をつけた。1.3202ドルまで下落しほぼ1年ぶり安値をつけた。

ウエストパックのシニア通貨ストラテジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏は、ユーロはこの日上昇したものの、依然として市場ではギリシャ支援について懐疑的な見方が強いと指摘。このために依然として全般的にユーロは売られる傾向にあると話した。
ギリシャをめぐる懸念からリスク選好が低下し、安全資産としてのドル買いが膨らんだ。強い内容となった新築住宅販売などの米指標もドルを支援した。
ドル/円は0.7%高の94.03円。一時2週間ぶり高値となる94.32円をつけた。バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのシニア通貨ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は、この日の米経済指標は堅調だったとし「来週発表される第1・四半期米国内総生産(GDP)速報値は3.5―4%になる」との見方を示した。
(4月24日ビジネスニュースより)


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「借金王1000兆円!」懐かしや、弊ブログで日本の高額な借金を嘆いたのは、今から5年ほど前の2005年3月のことだった。
おかげさまであれから順調に?借金は膨らみ、国債683兆円、地方債163兆円&政府借入金や短期証券で163兆円で合計1009兆円!!年収を上回る借金を抱えて、しかも増え続けている。通常は、節約して収入を増やすよう努力するだろう。でも、もしリッチな兄弟がいたら、ちょっと泣きついて助けてもらうかも。

日本にはそんな優しい家族はいないが、ギリシャにはEU(欧州連合)がついている。
日本の1000兆円にくらべてみれば、まだましなように思えてしまいそうな約3000億ユーロ(37兆円)。しかし、GDPの113%と聞いたら世界がこの暢気な国に危機感をもつのは当然だろう。また、この国を信用できないのは、09年にギリシャ政権が交代して前政権による財政収支の粉飾が発覚したことだ。しかも初犯ではない。01年に欧州単一通貨のユーロ導入を許された時も、条件だった財政収支のデータをごまかしていたのだった。

こんなギリシャの借金地獄の原因は、働く人の約4割が公務員。公務員に偏見はないが、市場原理が働かない職種ばかりとはいかがなのものか。手厚い社会保障制度も理想だが、まずは現実の足元を固める努力を怠ってはいないだろうか。そこでギリシャ政府がうちだしたのが、公務員手当てや年金1割削減の切り詰めと増税で税収を増やすこと、3月には公務員の賞与3割削減や年金凍結、付加価値税の2ポイント引き上げで総額48億ユーロ規模の緊縮財政を発表した。ところが、これに反発した国民の怒りによって労働組合は大規模なストやデモを敢行。3月5日アテネでは国会前で警官隊とデモ参加者が衝突した写真を見た。増税回避のために、資金を国外や闇経済に避難させる国民まで。

日本も大借金だが、いざとなったら67兆円分の米国債を売却、もしくは日銀が紙幣をどんどん発行して銀行が国債を購入するサイクルを続ければ倒産しないという説もある。しかし、ユーロ加盟国は、景気刺激策として国内に出回る通貨量を独自に増やすことができないし、北朝鮮のように勝手デノミなどを行って、自国製品を外国へ輸出しやすくすることもできない。もしかしたら、ギリシャはユーロという家族から家出をするかもしれない。GDPで言えばユーロ圏16カ国全体のわずか3%の小国ギリシャではあるが、加盟国の危機管理が問われ、ユーロの信用問題に関わる。ユーロ安を個人的に歓迎できない事情もあり、スペインやポルトガルの財政問題も気になる。

■アーカイヴ

「借金王1000兆円!」

世界的な免疫学者・多田富雄さん亡くなる

2010-04-22 22:53:34 | Nonsense
訃報:多田富雄さん76歳=東京大名誉教授
 国際的な免疫学者でエッセーや能の作者としても知られた東京大名誉教授の多田富雄(ただ・とみお)さんが21日、前立腺がんのため死去した。76歳。葬儀は近親者のみで行う。「偲(しの)ぶ会」を6月18日午後6時半、東京都千代田区丸の内3の2の1の東京会館で開く。喪主は妻式江(のりえ)さん。

多田さんは茨城県生まれ、千葉大医学部卒。東京理科大生命科学研究所長、国際免疫学会連合会長などを務めた。71年、免疫細胞の一つで、免疫反応にブレーキをかけるサプレッサー(抑制)T細胞を発見。T細胞はそれまで体内に入った細菌などに対し、抗体を作るアクセル役と考えられていた。従来考えられていたT細胞とは逆の働きをする抑制T細胞を発見することで、アレルギーなど免疫疾患の治療に道を開き、世界中の反響を呼んだ。執筆活動も精力的に行い、免疫学研究を書いた「免疫の意味論」で93年大佛次郎賞、「独酌余滴」で00年日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、84年に文化功労者。アインシュタインの相対性理論や脳死、原爆投下を主題にした能も作った。01年に脳梗塞(こうそく)で倒れ、右半身不随になった。06年4月に診療報酬が改定され、リハビリの保険給付が最大180日で打ち切りになった際には「リハビリ中止は死の宣告」と批判し、反対運動を展開。闘病生活をつづった「寡黙なる巨人」で08年小林秀雄賞を受賞した。(22日毎日新聞ニュースより)

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先日読んだ「ダウンタウンに時は流れて」で深く感銘を受けた免疫学者の多田富雄さんが亡くなった。

「女は”存在”だが、男は”現象”に過ぎないように思われる」(「生命の意味論」)
T細胞の発見ではノーベル賞級と評価されて世界中の学会から招かれた多忙な中、名エッセイストとしても知られ、数々の名言を残した方でもある。ゆっくりと残された軌跡をたどってみたい。

バービーちゃんの就職活動

2010-04-14 22:40:47 | Nonsense
4月9日発売された「ウォール・ストリート・ジャーナル」にバービーちゃんが従事する次のお仕事にまつわるおもしろい記事が掲載されていたようだ。Y新聞掲載分より要約すると次のようになる。)

今冬、バービーちゃんの製造元マテル社は、彼女の次のお仕事を決めるために自社のHPで公募をするにあたり、建築家、ニュースキャスター、コンピューター技術者、環境運動家、外科医の5つの職業を提示して受付たところ、60万人以上の投票があったそうだ。世界中の女の子たちの圧倒的な人気(支持?)を集めたのはニュースキャスター。確かに、知性と美貌を兼備え、最も旬で最もホットな世界情勢を報道する彼女たちの凛々しい姿は憧れの職業だ。しかも、アラ還になっても田丸美寿々さんのように実力がちゃんとあれば一定の支持もえられてがんばれる。マテル社の上級副社長のステファニー・コータさんによると、この結果は「想定の範囲内」。しかし、同時に出た結果は「本当にびっくり」と想定の範囲外だったらしい。コンピューター技術者が1位となったのである!
実はこれにはからくりがある。投票は誰でもできるが、当然ながら複数回は不可と制限されている。投票がはじまるや1週間経過すると、”おとな”のコンピューター女性技術者たちがネットで投票を呼びかけて、あっというまに票があたかも洪水のようにおしよせてきたそうだ。

1959年に発売されたバービー人形は、今でも世界で最も売れている人形で、関連商品を含めて年間の売上は13億ドルを超えている。また、ファッションモデル出身の彼女の職歴はこれまで124職種ととても幅広いのだが、社会の変化を時には先取りするくらいに映すお仕事をしてきた。偶像にしかないバービーちゃんに、コンピュータ技術者であるお姉さんたち(おばさんたち?)が期待を寄せるのも、情報科学分野で働く女性たちの処遇全般がこの20年間で地盤沈下してきている危機感からだ。コンピューター科学の学位取得者も85年には37%だったが、一昨年には18%に減った。米国防総省で科学技術の研究をしているエリン・フィッツジェラルドさんも投票に貢献した。
「数学や科学、コンピューターに興味を持っていると、創造性や面白みに欠け、社交性のない退屈な人間と思われがち」と語る。確かに、日本でも理系の女子大学院生というと、めがねに白衣、無表情、音楽にも興味なしと思い込んでいる方が職場にもいる。何故か!しかも、同じ女性なのに。

同社には、「いけてる感じにして」「白衣はやめて」「おたくっぽくしないで」というシカゴに本部がある女性技術者協会からの要望も届いている。しかし、ポニーテールの髪に、ピンクのアクセサリーとやぼったいめがね、無線通信のヘッドセットをつけて、かかとの低い靴をはいたバービーちゃんが今秋にデビューすることになった。色っぽいタイトスカートにハイヒールのバービーちゃんは技術者には見えないだろうから、いかにもその職業”らしく”みえなければいけない彼女のおしゃれな(実はやぼったい)装いが、逆に女性コンピューター技術者への世間のイメージや思い込みをさらに助長するようなパラドックス。技術者協会のノラ・リン会長は、バービーをきっかけに、将来、技術者を希望する女の子たちが増えることを期待しているそうだが、その通りにいくだろうか。
ちなみに、一緒に社会人デビューする同期のライバルは、ニュースキャスターのバービーちゃんである。

テロの実行犯は17歳の少女

2010-04-09 23:11:06 | Nonsense
ロシアのモスクワの地下鉄駅構内は、それ自体オプショナルツアーが組まれるくらいに美しく芸術的である。先月の29日、そんなモスクワの地下鉄駅、ルビヤンカ駅とパルク・クリトゥールイ駅で起こった連続自爆テロ事件の実行犯はチェチェン出身の20歳の女性、そしてもう一人は実行犯、北カスカスのダゲスタン共和国出身の女性の、黒いヘジャブに覆われた透けるように白い顔は、まだ17歳の女性というよりも少女だった。今回の連続爆破テロ事件について「ニューズウィーク」では、「テロで露呈したプーチンの嘘」というタイトルの記事が掲載されている。

以下、要約すると内容は次のようになる。07年にプーチン前大統領が指名したチェチェン人武装勢力出身のラムザン・カディロフ大統領の”恐怖政治”による制圧で、テロは過去のものとなった・・・とロシア当局は国民にメッセージを送ってきた。プーチンがカフカスに平和をもたらしたというプロバガンダを信じてきたモスクワ市民の衝撃は計り知れない。当日の現場一帯の交通は封鎖され、頭上はヘリコプターが旋回、携帯電話による遠隔装置を恐れた警察によって携帯電話の電波も妨害された。市民の恐怖と混乱は、日本人の私でも想像できる。プーチン首相はテレビで怒りに燃えた様子でテロ撲滅宣言を誓ったそうだ。しかし、今回のテロをきっかけにメドベージェフ大統領が推進してきた政治改革も抑えつけらるのではないか、というのが反体制派の懸念である。これまでもプーチンは安全保障体制の強化という名目で州知事選を廃止して大統領による知事の任命制を導入してきた”実績”もある。

ロシア警察と特殊部隊は、テロ容疑者やその家族に対して拷問してきたことを認めている。紛争が終結されたとする02年には、行方不明とされた人(大半は若者)は2万人にものぼるという。その数字には、平和をめざすというよりも、いっそ凶暴すら感じる。モスクワの記者の「国民に隠していた一触即発の北カスカフ情勢がモスクワに飛び火した」というサブタイトルにこめられたプーチン批判ももっともである。しかし、もっともであるが、今回の自爆テロについて最も批判されるべきなのは、国民をプロバガンダでだましてきたと報道されているプーチンなのか。今回の事件について、チェチェン共和国のイスラム過激派の指導者ドク・ウマロフがビデオ声明で犯行を認め、動機はロシア治安部隊への報復だという。だったら、何故この指導者は自分が自爆しないのか。若い女性、少女だったらそれほど警戒されずに無事に目的を達成できるからなのか。少女だったら、洗脳が簡単だからか。少女だったら、夫を殺された被害者というイメージを強調できるからだろうか。しかし、夫をロシアとの戦いで亡くした未成年の少女の成熟していない思想と哀しみと憎悪の感情を巧みに利用して、罪のない市民を道連れにさせたテロリストの行為こそ批判されるべきだろう。最近では、貧しいこどもに報酬をあげるからある場所に品物を届けてほしいと、こどもごと吹き飛ばす時限爆弾や遠隔操作爆弾を運ばせる冷酷なテロリストたちも出現している。無邪気にこどもはわずかな報酬をえたいがために、自分の体が跡形もなくこっぱみじんになることも知らずに一生懸命にけなげにも爆弾を運ぶ。本当に憎むべきは、テロリストという殺人者たちである。そして断ち切らなくてはいけないのは、暴力と憎しみの連鎖ではないだろうか。

最近の韓流

2010-04-07 22:52:22 | Nonsense
韓国の李明博大統領は、今ごきげんである。
サムスン電子に代表される製造業は、日本企業を追い越した。音楽界でもこのところ韓国勢の台頭は目覚しい勢いである。バンクーバー冬季五輪では、金メダル5個、合計14個のメダルを獲得した。キム・ヨナら金メダル選手を昼食会に招き、サングラス姿でおどけて踊る姿の写真が掲載されたいたのも記憶に新しい。そして3月1日、日本の植民地支配にあった当時の1919年に起こった「3.1独立運動」では、日本の歴史問題にふれることなく、彼らメダリストの活躍からを称え、「彼らに暗い過去はもうない。我が国の若者は世界頂点に向かって堂々と挑戦している」と誇らかにうたった。そして”新しい韓国人”なる表現で、「人類共栄の新たな未来を開拓していかなければならない」と強調し、その姿勢には自信に溢れている。

韓国の学歴社会の苛烈さは日本の比ではないそうだ。そのためだろうか、芸能界で活躍している俳優でさえ、一応大学卒業、その点では日本よりも高学歴芸能界である。その韓国で今年明け早々に国際的な?不正入試が発覚した。ソウル語学学校講師は、バンコクでSAT(米国内の大学進学適性試験)を受験したタイ人男性から問題用紙のコピーを入手。12時間後に米国のコネチカット州でその試験を受験する韓国人留学生二人に事前にメールで問題と解答を送信した。韓国紙・東亜日報によると、塾講師はSAT成績を確実に上げることを保証し、生徒たちから1回に280万~300万ウォン、平均12回の授業で3000万ウォン(240万円程度)以上の”授業料”を受取っていた。学歴社会の象徴のような事件だが、むしろキム・ヨナを彷彿させる勝てば官軍のような風潮すら感じられる。

ところで、韓国では米国への留学生はそれほど珍しくない。小中学生の頃から英語習得を目的に母子を渡米させ、その留学費用を稼ぐために単身で自国で残って働くパパたち、”キロギアッパ”の存在が社会現象ともなっている。そこまでして獲得した頭脳も、在米韓国人博士号取得者の7割以上が米国に留まることを希望する現状は、若者の頭脳流出という深刻な問題にもなる。実際、2000年以降、韓国から毎年2万5千人以上の移民が海外に流出している。そこそこ経済的に余裕もある家庭の子息は、自ら国を棄てているということか。その反面、高校を卒業したものの正規の職業につくこともなく、進学も就職もしていない無職の若者「若年無業者」は推定80万6000人。2010年には100万人に達すると言われていた日本、自殺率の高さもまるで競うかのように10万人に20人の割合と日本に並ぶ。昨年は、妻や息子など家族の“金銭疑惑”に追いつめられてクリーンで庶民派と言われていた盧武鉉前大統領までが自殺した時はいろいろな意味で衝撃だった。

そればかりでない。少子化が進み、合計特殊出生率はとうとう1.19。こどもが生まれない社会で高齢者も自殺していく社会。華やかな勢いの表面に多くの深刻な悩みを抱えるお隣の国、韓国。大変なのは韓国だけではないけれど。。。

■アーカイブ
「国民のため息を聞いている」李大統領

NHK スペシャル 「人体“製造”~ 再生医療の衝撃 ~」

2010-03-29 22:40:02 | Nonsense
再生医療は人類の勝利なのか、神の領域への侵犯なのか。
残念なことに昨日のNHKスペシャル「人体”製造”~ 再生医療の衝撃 ~」は途中からの視聴。そのために救世主兄弟の部分のみアップ。

米国のトレヴィング夫妻の3歳になる長女・ケイティちゃんは生まれつき骨髄の肝細胞の働きが弱く赤血球をうまく作れない難病のため、毎週輸血に頼ってきたがそれも限界に近づいてきた。有効な治療として、血液をつくる肝細胞を移植するしかないのだが、HLA(ヒト白血球抗原)が一致しなければならない。他人ならタイプがあうのは、数万人にひとりの確率だが、兄弟だったら4人にひとり。夫婦は迷うことなく体外受精で23個もの受精卵をつくり、そのうち2個がケイティちゃんのHLAと一致することが確認された。その貴重な1個の受精卵を子宮に着床させて無事誕生したのが、クリストファー君だった。弟が1歳になった時に肝細胞を移植してケイティちゃんは元気になった。このような兄弟を”救世主兄弟”と名づけられている。

マイナス1になるよりもプラス1の選択をした両親の心情もよくわかる。しかし、不要とばかりに捨てられた可能性のある他の22個の受精卵の行方が気になる。HLAの型があわなかったばかりに、この世に誕生しなかった受精卵も間違いなく生命の萌芽である。そしてクリストファー君の存在は、生涯ドナーとしての価値がついてまわり、それは姉のケイティちゃんにとっても同様である。このような救世主兄弟は英国でも誕生し、社会的問題に発展して議論が紛糾した。生まれたこどもは誰かのスペアではないという倫理観は勿論だが、やがては臓器移植の目的のためにこどもを作る事態に発展する危惧もある。そのため、2008年に英国では議会で”救世主兄弟”は血液の障害のみに限定、臓器移植目的は禁止となった。
かたや米国では、個々の生殖医療従事者の良心にゆだねられていて、特段の規制は設けられていない。

その一方、英国人科学者が人工精子を肺幹細胞から製造することに成功したと発表している。またクローン人間作成に向かう研究者もいる。もしこのような科学が発展すると、いずれ女性は単体で妊娠・出産ができることにもなる。社会的コンセンサスが、科学の発達においつていないような気もしている。

ここまできたらカード依存ライフ・アメリカ

2010-02-13 22:24:35 | Nonsense
あなたは、カード派、それとも現金派?
支払い方に対するそれぞれのポリシーやお得な見返りの理由があるかもしれないが、成人した日本人の平均的なカードの保有枚数は3.2枚。日本クレジット協会による09年3月末のクレジットカード発行枚数は3億1783万枚だった。お買物でレジに並んでいる時、前のお客が広げる財布を見ていると実際は、もっと日本人はカードを持ち歩いているのではと思えるのだが。
カード社会の米国では、中底流層で保有しているのが平均10枚。ガソリンスタンドでの支払いからスタバでのカフェラテ一杯もクレジットカードで払える米国。便利なのか、むしろカードがないと不便なのか。ホテルや航空券の予約、レンタカーを利用するにも信用の履歴として提示を求められるカード。カードがなければ、担保として高額な保証金を求められるそうだ。そんなカード社会から、逆にカードに依存する国民を紹介しているジャーナリストの堤未果さんのレポートを読んだ。

カードの総負債額は、95兆円!実に日本の一般会計予算をはるかに超えている。一回払いの利息なしだったらOKだろうが、問題はリボ払いという要するに利息のつく月賦払いである。私がもっているカードも、どういうわけかボーナスシーズンの頃になると支払いをリボ払いにしませんか、という悪魔のささやきのようなおはがきが届くが、その手にはのりたくない。10~15%のサラ金並みのけっこうな金利がつくのである。車や住宅を購入するわけではない。ところが、米国では無収入な学生や主婦も簡単にカードを作れ、しかもミニマムペイシステムのおかげで毎月最低額を払えば残高を繰越できる。永遠に。。。

「毎月たった30ドルの支払いでOK!」
と言う宣伝につられて3200ドルのエクササイズマシンと2400ドルのソファーを購入した専業主婦マリー・ブルーム。支払いではない、正確には”返済”だと思うのだが、たった30ドルの返済金額にはなんと18%の金利がのせられている。そんなこんなで持っているマリーの持っているカードは12枚で負債は約2万ドル。彼女は、国民の3分の2の人々と同様に、負債は毎月繰り越せばよいと考えている。堤さんの元金が永遠に減らないのではと心配しても、金利の安いカードに借り替えるから大丈夫ととりあわないが、実は安いのは最初の数ヶ月で、その後には20%以上に跳ね上がり、一気に火達磨になるそうだ。それに、個人破産した人用に「個人破産者用クレジットカード」が存在する。破産しても心配ない。二年たてば住宅ローンも組めるし、過去の汚点もそのうち消えていく。個人破産の別名は「リフレッシュスタート」。それというのもカードが餓死しないための最後のセイフティネットの役割を果たしているという米国ならではの事情もある。

こんな状況にオバマ大統領はカード業界の規制強化法に署名したが、業界の圧力は強くローンの審査は益々ゆるくなっている。サブプライム・ローンの土壌を育んだきて米国らしい。クリスマス・シーズンでにぎわう米国の映画館では、こんなマリー向けにFRBが45秒のCMを流した。
<クレジットカード利用の4大原則>
支払い期日を守る、限度以上利用しない、不要な手数料を支払わない、請求書の額より多く返済を。
映画を観たマリーは、その足でクリスマスのお買物。購入したプレゼント用の品物の金額はしめて1850ドルだったそうだ。

■この人もカード依存症だった
映画『お買いもの中毒な私!』

今時のモスクワっ子住宅事情

2010-02-06 11:49:22 | Nonsense
「毎朝8時、週に6日、同じ制服を着た少年少女は、ソビエト連邦全域で、同じ間取りの家を出て同じ形をした学校に向かった。8時半になるとソ連全土にある同じ作りの教室で生徒たちは席につく。」

数学の難問の「ポアンカレ予想」を証明した天才数学者グリゴーリー・ペレルマンの評伝「完全なる証明」を書いたマーシャ・ガッセンは、ペレルマンと同時代に旧ソ連で数学のエリート教育を受けた。その「完全なる証明」から抜粋した上記の文章は、著者が選抜されてエリート校に転入する前の一般的なこどもたちの登校の様子である。当時のモスクワ郊外には、灰色のコンクリートでできた全く同じ形をした9階建ての住宅群があり、その全く同じ建物の中の、全く同じ間取りのアパートにこどもたちは暮らしていた。40代に入ったばかりの著者の年齢から推測すると、30年ほど前の旧ソ連の無機質で寒々とした住宅事情が目にうかぶようだ。

やがてソ連はミハイル・ゴルバチョフを指導者に迎えてペレストロイカの波にのりロシア連邦と変わり、その頃の住宅事情はトニー・パーカーの「ロシアの声」を読むと多少伺えるものがある。結婚しても住む家がなくて親戚のアパートの間借りする新婚さんもいたり、またアパート建設作業に毎日数時間従事することで、完成後には優先的に入居する権利をえる予定の看護師さんもいた。アパートは所有するものではなく、国から支給されるものだった。それでは、現在のモスクワの住宅事情は。読売新聞の「世界の家」シリーズに、モスクワから郊外へ22キロ、不動産デベロッパーのアレクサンドルさん(52)の自宅が紹介されていた。

地下1階、地上2階、約600平方メートルのりっぱな家は、土地代こみで約100万ドル(9000万円)。アレクサンドルさんのこだわりで1階はイタリアの建築様式をとりいれて床にはイタリア風モザイクを敷いて明るく洗練されている。一方、2階部分は田舎生まれのルーツを忘れないために太い木材を組んだ山小屋風にしてスキーリゾート地に来たような雰囲気でペチカもある。サウナもあれば、室内に卓球台もあり、地下にはワインセラー。車は二台とも日本製のレクサス!とグランディス。豹柄のブラウスを着たちょい派手めの二番目の妻の隣で微笑むアレクサンドルさんは、45という数字のロゴが入ったTシャツにGパンとまるで大昔のアメカジ・ルック。勿論、収入は多い。
月収約90万円+モスクワに所有するアパートの家賃収入が約22万円。家賃収入に、旧ソ連時代とは隔世の感がある。支出部門では、食費9万円に光熱費9万円とさほど日本と隔たりはなさそうだが、11歳と9歳のこどもふたりの教育費が36万円。小学生に、何故そんなにお金がかかるのか・・・、と思ったら家政婦さんふたり分の給与はたったの18万円。家政婦ひとりの賃金よりも二倍もかける教育費か。伝統的に田舎暮らしを好むロシア人にとって、財をなして郊外の自然の中に一軒家を構えるのは成功の証だそうだが、暮らし方も米国流と感じたのが、この自宅がアレクサンドルさんが共同経営する会社が開発した湖のほとりにある高級住宅地「緑の村」にあることだ。村には、学校、ロシアでもテニス場、そしてロシアらしくスケート場、スポーツセンターにおまけにヨットハーバーまで備わっている。クリーム色のとてもおしゃれでりっぱな「緑の岬」への門には、ちゃんと警備員が常駐して”関係者以外入れない”。

こんな成功者アレクサンドルさんの成功の秘訣は。
「完全なる証明」によると、1931年、モスクワ大学で数学会の長であり20世紀初頭のロシア数学の泰斗だったドミトリー・エゴロフが追放されたと記されている。理由は、信仰の篤かったエゴロフが、プロバガンダに不都合な人物だったために宗教的セクト主義者として逮捕する必要があったからだ。ソ連のイデオロギーと相容れない遺伝子学などの多くの研究がいっせいに潰されたのもこの国らしい。かってソビエトの科学は国家に奉仕するために、そして偉大なる指導者スターリンに奉仕するために存在した。アレクサンドルさんもその中のひとりで、国家に奉仕するためのソ連海軍の研究所に勤務する物理研究者だった。ところがソ連崩壊で給与は激減。食事にも困る窮乏状態の時は、同時に不動産の個人所有を認められたばかりの不動産業がなりたちはじめたばかり。代行の手数料が1件で5000ドル。5000ドルは彼の給料10年分で即決したのが、今日の成功への第一歩だった。

「ライ麦畑でつかまえて」サリンジャー氏死去

2010-01-31 21:53:26 | Nonsense
小説「ライ麦畑でつかまえて」で知られる20世紀米文学を代表する作家、J・D・サリンジャーさんが27日、米北東部ニューハンプシャー州コーニッシュの自宅で死去した。91歳だった。同作を書いて以降、ほとんど作品を発表せず、隠とん生活を送っていたため、生きながらにして伝説の作家になっていた。 同氏の長男で俳優のマット・サリンジャー氏が28日、声明を出した。自然死だったという。
サリンジャーさんはポーランド系ユダヤ人とアイルランド系の両親のもと、1919年、ニューヨーク・マンハッタンに生まれた。10代で執筆をはじめ、40年、ストーリー誌に掲載された「若者たち」でデビュー。42年に米軍に入隊し、ノルマンディー上陸作戦(44年)にも参加した。戦後、ニューヨーカー誌に発表した短編が評判になり、51年の「ライ麦畑でつかまえて」は大ベストセラーになった。成績が悪く高校を追い出された主人公の屈折した感情を、攻撃的な言葉で表現し話題になった。主人公の名「ホールデン・コールフィールド」は、戦後、悩める若者たちの代名詞になるなど社会現象を巻き起こした。

しかし、身辺が騒がしくなったことを嫌った同氏は53年、突然、ニューハンプシャー州の田舎町で隠とん生活に入り、メディアに登場することもなくなった。「ナイン・ストーリーズ」(53年)、「フラニーとゾーイー」(61年)を執筆、65年に同誌に出した「ハプワース16、1924」が発表された最後の作品になった。 「ライ麦畑でつかまえて」は多くの言語に翻訳され、これまで約6500万部以上を売り上げ、現在も毎年約25万部が売れるとされている。日本では、村上春樹さんの新訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」(03年)が話題になった。

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サリンジャーを知ったのは、大島弓子さんの作品からだったような記憶がある。今でも、ホールデンがライ麦畑でこどもたちを守っている絵が目にうかぶ。繊細で、悲しい美しさと慈愛のある絵だった。「ミモザ館でつかまえて」というタイトルの漫画もあったし。大学1年の時、サークルの会報誌で合宿のルポを書かされた時のタイトルは「キャベツ畑でつかまえて」だった。(長野県のキャベツ畑ばかりの民宿が合宿所だったから、懐かしい・・・)その後、庄司薫氏の「赤ずきんちゃん気をつけて」で薫君と出会い、彼を大好きになり、今でも薫君への片思いは続いている。思えば、オトナ社会の欺瞞におりあうことができず、自己のアイディンティを確立できずに悩む光が砕けるような青春像・・・。永遠の名作から、半世紀をへて青春文学は大きく変貌している。

4人にひとりは移民 シンガポール

2010-01-23 15:55:52 | Nonsense
ちょうど1年前、NHKで放映された番組「沸騰都市 シンガポール 世界の頭脳を呼び寄せろ」には、軽いショックを受けた。
この国を支配するリー一族のリー・シェンロン首相のしたたかな戦略に感心しながらも、その冷徹さに同じ人間としてなじめない部分も残った。当時の番組を再放送するかのように、情報誌「選択」に更に詳細が掲載されていたのが「移民国家 シンガポール」だった。

シンガポールの住民は、499万人。この内、シンガポール国籍と永住権取得者は373万人しかいない。4人にひとりが、母国から派遣されている駐在民もいるかもしれないが「移民」となる。しかし、この「移民」の実態を考えると、恒常的にこの国で生活していく「移民」ではなく、「雇用のバッファー(調整弁)」要員になるのが特徴である。この他にもサービス業、事務職など外国人労働者を100万人受け入れている。

トップレベルの”バッファー”は、番組でも紹介された03年から総額5000億ドルを投じて始まったバイオメディカルの研究拠点「バイオポリス」です。高額報酬、トップレベルの研究施設、素晴らしい生活環境、税制優遇などの”餌”に、ノーベル賞クラスの頭脳が集まる。この”餌”という表現は、日系企業幹部が使用したのを拝借したのだが、人類に貢献するかもしれない研究活動も、所詮、研究者も成果がなければ簡単にきられる雇用の調整弁であり、日本の税金も援助して育てたかもしれない頭脳の成果の果実もシンガポールに落とされていく。このトップレベルの人々とは対極的にあるのが、3Kシゴトに低賃金で使われるインド、スリランカ、バングラディッシュからの10万人にのぼる出稼ぎ労働者たち。労働ビザは二年間の期間限定で更新はなし、住民との結婚は不可、女性は妊娠したら国外退去とはっきりしている。長期滞在する外国人には、場合によっては学歴証明書やエイズの検査結果などの提出をビザによっては必要になる。

この国の上層部は、リー一族、中華系特権階級、小学校からの厳しい受験競争を勝ち抜いたごく一部のエリートで構成されている。それでは、能力至上主義についていけないごく普通の庶民はどうしているのか、と思う。生活費や教育費高騰でなかなか大変らしいのだが。
すると、言論統制、表現の自由もないこの国に見切りをつけ、海外移住や留学に活路を見出す者が増えているという。知識階級、優秀な頭脳の海外流出がとまらないために、研究所はそれを補完するための「頭脳」の輸入の目的でもあったのだ。出産ボーナス、有給出産休暇の延長、官製お見合いの効果もなく、出生率は1.24%と過去最低記録を更新中。シンガポールの雇用情報や企業紹介を行う首相府直属機関を、06年に英国に開設して約10万人のUターン推進事業ももはや焼け石に水。

ところで、長々とシンガポール事情を書いたのは、同じアジアとはいえ、エゴイスティックな政策やリー首相が統治する小さな他国に不快を感じるか、参考にするかの話ではない。ここ数年、気になっているのだが、都内のコンビニの店員や飲食店に中国人がとても増えていることだ。先日も渋谷を歩いていたら、中国人がとても多いことに気がついた。日本に住みついている雰囲気だが、表情や服装、顔立ちでなんとなく日本人と違う中国人とわかる。これまでの銀座を見物に来る観光客とはちょっと違う。彼、彼女たちを最初は学生の留学生たちのちょっとしたバイトだと思っていたが、もしかしたら日本に住居を移した移民なのではないだろうか。中国の極貧の農村事情を知れば、日本に避難してくる気持ちもわからなくもない。また、今後は、介護士や看護婦という典型的な3K分野にもインドネシアやフィリピン人が進出してくる。安い賃金で、サービス業や3K仕事に移民を使えることは、日本人の生活にリッチ感をもたらすかもしれない。しかし、渋谷の路上に止められた車からすさんだ顔の貧しい身なりの中国人男性たちが降りてくる様子を眺めていると、はっきり言って治安の悪化の懸念もある。海外生活の経験もなく、島国で育ったおおかたの日本人のひとりとして、移民政策を考えなければいけないのではないだろうか。そんなことも感じている。

■アーカイヴ
「沸騰都市 シンガポール 世界の頭脳を呼び寄せろ」
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