千の天使がバスケットボールする

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テロの実行犯は17歳の少女

2010-04-09 23:11:06 | Nonsense
ロシアのモスクワの地下鉄駅構内は、それ自体オプショナルツアーが組まれるくらいに美しく芸術的である。先月の29日、そんなモスクワの地下鉄駅、ルビヤンカ駅とパルク・クリトゥールイ駅で起こった連続自爆テロ事件の実行犯はチェチェン出身の20歳の女性、そしてもう一人は実行犯、北カスカスのダゲスタン共和国出身の女性の、黒いヘジャブに覆われた透けるように白い顔は、まだ17歳の女性というよりも少女だった。今回の連続爆破テロ事件について「ニューズウィーク」では、「テロで露呈したプーチンの嘘」というタイトルの記事が掲載されている。

以下、要約すると内容は次のようになる。07年にプーチン前大統領が指名したチェチェン人武装勢力出身のラムザン・カディロフ大統領の”恐怖政治”による制圧で、テロは過去のものとなった・・・とロシア当局は国民にメッセージを送ってきた。プーチンがカフカスに平和をもたらしたというプロバガンダを信じてきたモスクワ市民の衝撃は計り知れない。当日の現場一帯の交通は封鎖され、頭上はヘリコプターが旋回、携帯電話による遠隔装置を恐れた警察によって携帯電話の電波も妨害された。市民の恐怖と混乱は、日本人の私でも想像できる。プーチン首相はテレビで怒りに燃えた様子でテロ撲滅宣言を誓ったそうだ。しかし、今回のテロをきっかけにメドベージェフ大統領が推進してきた政治改革も抑えつけらるのではないか、というのが反体制派の懸念である。これまでもプーチンは安全保障体制の強化という名目で州知事選を廃止して大統領による知事の任命制を導入してきた”実績”もある。

ロシア警察と特殊部隊は、テロ容疑者やその家族に対して拷問してきたことを認めている。紛争が終結されたとする02年には、行方不明とされた人(大半は若者)は2万人にものぼるという。その数字には、平和をめざすというよりも、いっそ凶暴すら感じる。モスクワの記者の「国民に隠していた一触即発の北カスカフ情勢がモスクワに飛び火した」というサブタイトルにこめられたプーチン批判ももっともである。しかし、もっともであるが、今回の自爆テロについて最も批判されるべきなのは、国民をプロバガンダでだましてきたと報道されているプーチンなのか。今回の事件について、チェチェン共和国のイスラム過激派の指導者ドク・ウマロフがビデオ声明で犯行を認め、動機はロシア治安部隊への報復だという。だったら、何故この指導者は自分が自爆しないのか。若い女性、少女だったらそれほど警戒されずに無事に目的を達成できるからなのか。少女だったら、洗脳が簡単だからか。少女だったら、夫を殺された被害者というイメージを強調できるからだろうか。しかし、夫をロシアとの戦いで亡くした未成年の少女の成熟していない思想と哀しみと憎悪の感情を巧みに利用して、罪のない市民を道連れにさせたテロリストの行為こそ批判されるべきだろう。最近では、貧しいこどもに報酬をあげるからある場所に品物を届けてほしいと、こどもごと吹き飛ばす時限爆弾や遠隔操作爆弾を運ばせる冷酷なテロリストたちも出現している。無邪気にこどもはわずかな報酬をえたいがために、自分の体が跡形もなくこっぱみじんになることも知らずに一生懸命にけなげにも爆弾を運ぶ。本当に憎むべきは、テロリストという殺人者たちである。そして断ち切らなくてはいけないのは、暴力と憎しみの連鎖ではないだろうか。


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