太平洋戦争で日本の国を滅ぼした軍人たちを「指揮官と参謀」の組合わせに焦点をあて,軍隊という組織の脆弱さを浮き彫りにした本です。
13組の「指揮官と参謀」が登場するが,当然のことながら人間的に魅力ある人物はいないです。軍人がのさばっていたこの時代の異様さが伝わってきます。
「勝てっこない戦争を奇襲による短期決戦に活路を見出し,和平交渉にもっていこうとしたのが太平洋戦争」「終戦直前に海軍と陸軍とを統合した国防省構想があったが前者がこれを蹴った」など昭和史についてのいくつかの知識を得られたのは収穫でした。
最終章の「天皇と大元帥-同一人格のなかの二つの顔-」だけは異彩を放っていあす(ある時は仁慈に満ちた天皇として,ある時は大元帥として賞詞を述べるという二重人格)。
愉快になれない本でしたが,それはもとより著者の責任ではなく,軍国主義日本に,あるいはそれを許した日本人の愚かしさに由来するものです。
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