【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

グレアム・タタソール/『数学脳で考える-フェルミ推定的日常生活のすすめ-』ランダムハウス講談社、2009年

2012-06-05 00:09:32 | 自然科学/数学

             

 フェルミ推定の実践。


 フェルミ推定というのは、ある数量的問題をそれほど難しくない計算手続き(ほとんど加減乗除)で概算し、答を出すというもの。例えば日本の総世帯の車の保有台数をもとめる問題。日本の総人口1億2800万程度しか知識がないとしても、そこから世帯数、一世帯当たり車の保有台数が推定でわかるから、約7000万台前後と推定できる。

 上記は簡単、本書ではもう少しフェルミ推定問題に適した、ある意味で驚くべき問題がカテゴリー別に(生活編、コミュニティ編、エコロジー編)列挙されている。
 問題は次のようなもの。あなたが知っている言葉の数、1年で出るゴミの量、バスの重さ、月の重さ、1つの都市にいるピアノ調律師の人数、クルマをひっぱるのに必要なハエの数、嵐と原子爆弾とではどちらが威力があるか、などなど。
 ただ知っておくべき公式はいくつかあるようで、それは球の体積、球の表面積、速度のエネルギーの求め方など。フェルミ推定は、座ったままで、変数間の数量的連関を、必要最小限の計算式で推定するところに妙味がある。著者はこれを数学脳(ギーグ)と呼んでいる。

 宝くじ関連の面白い箴言があった、曰く「宝くじ券の購入料は統計を知らない人が払う税金である」と。なるほど。


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