佐々木力『数学史入門ー微分積分学の成立』筑摩書房、2005年
本書は一般市民のための「微分積分学成立史」。
数学史がなぜ必要なのか? 著者はこたえています、まず「学問の遂行にはその歴史的過去に通ずることが重要」であるからであり、次いで過度に抽象的になった現代数学の意味内容を充実化させることが必要だからである、と。この説明は冒頭の部分にあり、「リー群論」を例に出していますが、実は本書の課題である「近代微分積分学」の歴史そのものが、数学史が必要な所以の例証になっています。
数学史がなぜ必要なのか? 著者はこたえています、まず「学問の遂行にはその歴史的過去に通ずることが重要」であるからであり、次いで過度に抽象的になった現代数学の意味内容を充実化させることが必要だからである、と。この説明は冒頭の部分にあり、「リー群論」を例に出していますが、実は本書の課題である「近代微分積分学」の歴史そのものが、数学史が必要な所以の例証になっています。
以下は内容の要約です。
「近代西欧数学の象徴であり、今日の科学技術革命の基礎である」微分積分学の端緒は、17世紀後半の無限小記号代数解析です。
もう少し詳しく言うと、近代の微分積分学の誕生は、ニュートン、ライプニッツによってなされた、アルキメデスの無限小幾何学の記号代数的言語よる無限小代数解析への転換が前提としてありました。
すなわち、無限小記号代数解析(微分積分学の基本定理の発見)はニュートン、ライプニッツの包括的な数学的天才によって提示されたのですが、それは古代ギリシャのアルキメデスによる「パラボラの求積法」という遺産(帰謬法的な幾何学的思考方法)の、ヴィエト、デカルト的記号化(アラビア数学である代数にもとづく)がなければありえなかったというのです。
このあたりの数学史の展開は、この学問のダイナミズム、醍醐味を味わわせてくれます。
余滴:数学上の思想的革命は「古代ギリシャにおける公理論的体系の発見」「17世紀の微分積分学の定式化」「19世紀初頭の非ユークリッド幾何学の形成」。
東京大学大学院数理科学研究科での講義録のハイライトを一般読者向けに書き直したものだそうな。しかし、難しかった。やれやれ。
「近代西欧数学の象徴であり、今日の科学技術革命の基礎である」微分積分学の端緒は、17世紀後半の無限小記号代数解析です。
もう少し詳しく言うと、近代の微分積分学の誕生は、ニュートン、ライプニッツによってなされた、アルキメデスの無限小幾何学の記号代数的言語よる無限小代数解析への転換が前提としてありました。
すなわち、無限小記号代数解析(微分積分学の基本定理の発見)はニュートン、ライプニッツの包括的な数学的天才によって提示されたのですが、それは古代ギリシャのアルキメデスによる「パラボラの求積法」という遺産(帰謬法的な幾何学的思考方法)の、ヴィエト、デカルト的記号化(アラビア数学である代数にもとづく)がなければありえなかったというのです。
このあたりの数学史の展開は、この学問のダイナミズム、醍醐味を味わわせてくれます。
余滴:数学上の思想的革命は「古代ギリシャにおける公理論的体系の発見」「17世紀の微分積分学の定式化」「19世紀初頭の非ユークリッド幾何学の形成」。
東京大学大学院数理科学研究科での講義録のハイライトを一般読者向けに書き直したものだそうな。しかし、難しかった。やれやれ。
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