宇宙全体は何から構成されているのか。地球以外のどこかに生命は存在するのか。20世紀半ば以降の宇宙科学の発展は目覚ましいものがありましたが、根源的なことがまだわかっていないらしいです。
本書は宇宙科学の最前線を、対話形式でわかりやすく説く良書です。宇宙論の課題を説明するとき、キーワードは「暗黒」だそうです。「暗黒物質」「暗黒エネルギー」等々。
「暗黒物質」とは正体は不明だが、可視光を含め、電磁波(光)でその存在を直接見ることができない物質のことです。宇宙の構成は、この暗黒物質と暗黒エネルギーが96%を占めるというのだから驚きです。
この話から始まって、銀河系、銀河群のなかの地球の位置、星、銀河までの距離をどう測るのか、星の一生の決まり方、太陽の年齢と内部構造、物質の歴史、宇宙の起源、太陽系外の星の惑星の発見(1995年)、その画像での確認(2008年)、惑星をもつ星の条件と広がっていきます。
著者の専門は恒星物理学、天体分光学ですがその専門分野の立場から宇宙の成り立ちを書いてみたということです。
『全国商工新聞』(2009年6月15日~2010年4月12日)に連載された「星博士の星から見る宇宙」をもとに加筆、再構成されたものです。
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