【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

内田康夫『崇徳上皇殺人事件』中公文庫

2013-11-29 23:41:06 | 小説

                 
 皇統をめぐる争いに敗れ、呪詛のうちに流刑の地で没した崇徳上皇。特別養護老人ホーム「白峰園」を経営する理事長・栗石はこの上皇を敬っていた。

  その施設内で、老人の不可解な死が疑われた。天皇家にまつわる怨霊伝説を追う浅見光彦は、京都で見知らぬ女性から唐突にフィルムを受け取る。女性はフィルムを渡す人を間違えたのだった。現像してみると、それには老人の死体が写っていた。不思議なことに、女性があうとしていたフリーライターが坂出で殺された。殺人事件はさらに続く。

  浅見が真相究明を目的のために、探していたその女性が実はこの特養老人ホーム「大原荘」で働いていたのだが、突然行方が知れなくなる(後日、湖底に沈んだ車のなかで死体で発見される)。事件はますます、迷宮に入っていく。

  この小説、冒頭では、諏訪部恭一という人物が主宰する句会で、坂口富士子の句が評判になったところから始まる。富士子は仕事を探していたが、運よく老人保護施設の事務員におさまる。富士子はその仕事について、福祉行政、老人ホームがかかえているさまざまな問題を垣間見る。老人保護施設「白峰園」が実は一族総がかりで、福祉行政の隙間をねらって甘い汁をすっていたのだった。浅見と富士子は連携して、難しい事件の究明にあたる。老人殺しは、意外な人物がかかわっていた。


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