【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

地井武男「ちい散歩:職人の技・老舗の味」日本文芸社、2009年

2012-07-02 00:25:33 | 旅行/温泉

           

 俳優の地井武男さんが、6月29日に亡くなった。心からご冥福を祈りたい。


 わたしは「ちい散歩」という番組を時々見ていた。テレビ朝日の朝の番組で、関東地域のあちこち(ごくたまに北海道函館市とか、ハワイもあった)を地井さんが散歩しながら地域の風景、人々の生活を紹介する番組である。
 そこで働く人たち、暮らす人たちとの会話もあり、たのしくさわやかな番組だった。月曜から金曜まで毎日放映され、地井さんの散歩そのものは、月から木曜まで。時間的に毎朝見ることはできないので、ほとんどは録画でとって、後から時間の空いたときに見ていた。


 地井さんは毎回の散歩のあとには、印象にのこった画をかいていて、それは地井さんの絵手紙としてよく知られ、何冊か本も出ている。
 今日、とりあげたのは、「地井散歩:職人の技・老舗の味」である。番組で訪問した町の工場、お店、職人の仕事場が、詳しく綺麗な写真入りで紹介されている。番組は6年間続いたが、その間に訪れた場所がこんなにあったのかとその数に驚かされる。


  実は、この本のなかに載っている石鍋久寿餅店で(pp.122-127)、先日、久寿餅とお茶をいただいた。夕方、4時半に近かった。そのお店をかつて番組で、地井さんが訪問していたことは知っていたが、偶然、その話をお店の人としたところ、その方が「地井さんが今朝、亡くなった」ということを教えてくれた。あまりの偶然に、驚いた。
 1月頃から体調をくずされ、これ以上、番組を続けられないということで、降板し、そのあと加山雄三さんにバトンタッチしたのだが、そんなに体調が思わしくなかったとはつゆ知らず、そのあとしばらくショックが続いた。


 地井さんはわたしにとっては「戦争と人間」などの多くの映画でしっていたし、TV番組「北の国から」でもその名演技をみた人である。数年前には、新宿でサイン会があり、そこでお会いもした。

 「ちい散歩」での少年のような笑顔、天真爛漫な素顔、声かけのいい、親しみやすいお人柄をもう見ることができないのは、残念でたまらない。合掌。