ある飲み屋で、若いサラリーマンが熱弁していた。聞くと30歳。話の内容は、野球コミックをめぐってのよう。はっきりとは聞き取れないが、プロ野球を新しい切り口で、ドラマ化しているという。
飲み屋の帰り際に、「君たちがはなしていたコミックのタイトルは何ていうの? あまりにも面白そうに話していたから、教えてくれる?」と尋ねると「『グラゼニ』です」との返事? 「グラゼニ?」、何のことかわからない。
帰って、子どもにきくと、「知っている」とのこと。だが、読んだことはないという。それでも「TSUTAYAに行けば借りられる」と言うので、あるとき、ついでに借りてきてもらった。
そして、読むと・・・。「うーん」。そんなに面白いとは思わないが、確かに野球の試合そのものではなく、その裏面が描かれている。
要するに、野球選手は、ある意味で商品で、年棒がすべて。主人公は、凡田という中継投手(26歳、年収1800万)なのだが、年棒の高い選手と対決したり、逆だったり・・・。そのときの微妙な心理など。また友情も。
「ぼくの職場」「谷間」「習性」「ともだち」「県人会」「引退へのレール」と続く。
「グラゼニ」とは、野球のグラウンドにはゼニが埋まっているということ。確かに、ある切り口ではあるが、そんなことは知っていたので、いまひとつ興にのれなかった。