京都旅行の記事が続いたため、この間、ブログにUPできなかったイベントがいくつかありました。今週前半は、それらを掲げていきます。
そのひとつが 「特別展 円空 こころを刻む-埼玉の諸像を中心に-」(埼玉県・歴史と民俗の博物館)です。10月8日~11月27日の間、開催されていました。円空(えんくう、寛永9年[1632年] - 元禄8年[1695年])は、江戸時代前期の行脚僧です。木彫りの「円空仏」とも呼ばれる独特の作風を持った仏像、神像を残しました。今回の展示は約170体でした。
円空の仏像は全国各地にあるようですが、埼玉あたりはその数が多いそうです。生涯に12万体の仏像を彫ったと伝えられています。現存するものでも、北は北海道・青森から、奈良県、三重県、南は愛媛県まで5000体を超えます。わたしの住んでいる蓮田東部もそうらしいですが、久喜、春日部、宮代などでも、円空仏が今でもずいぶん発見されているようです。江戸から日光へ向かう途中に滞在し、製作したとのことです。
展示会での注目は、春日部市観音院の聖観音菩薩立像で、高さ約2㍍です。久喜市幸福寺の不動王坐像、同市西願寺の如来形坐像、宮代町個人蔵の阿弥陀如来坐像も重要です。
円空というと鉈(なた)などで大胆に木材をカットして仏像をつくった人のようにいわれ、多作ですが、作品のひとつひとつはそれぞれの個性をもっています。
今回の展示物をみると、細かな細工がたくさんあり、認識をあらためました。その仏像の特徴は、口元が微笑んでいる仏が少なからずあること、衣装の雲紋、そして廃材を使ったものがたくさんあること、などです。