黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

ブルーベリー@ながの

2009-01-25 | スイーツ
 上はブルーベリージャム。その下と土台は同じチョコのスポンジで、真中がブルーベリーのムース(…ガラスケースの中の説明文には、違う言葉が書いてあったような気がするのですが、度忘れ;)。

 ながの洋菓子店:新潟(長岡)

カラク@ながの

2009-01-25 | スイーツ
 チョコのスポンジとクリームが交互に重ねられていて、上にチョコがコーティングされています。
 一番上にはしましまのチョコ。

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 ながの洋菓子店:新潟(長岡)

 小さなケーキ屋さん。
 何気に寄りそびれていたのですが、ようやく行けました(笑)。


『現人奇談』椹野道流(講談社)

2009-01-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
1月の半ば、琴平敏生の尊敬する画の師匠・高津園子が急逝。
それからひと月程度が過ぎたある日、そのショックも覚めやらない敏生に天本が手渡したのは、彼女から生前託されていたというデッサン帖であるスケッチブックだった。そしてその間からは、ひとつの古いメダイが…。
師の顧問弁護士・渡辺の元を訪れた2人は、そこで彼女からのもうひとつの遺言を渡される。そこには、彼女がかつて熊本の天草地方を旅した折に出会った少女とのエピソードが綴られていた。
そして、2人が一緒に見た夕日のような椿を描くと約束していたが、それが果たせず申し訳なかったという思いと、少女から預かっていたメダイを天草へ届けて欲しい、という。
その思いを果たすべく、天本と共に天草へと向かった敏生は、彼女のスケッチブックを手掛りとし、少女の元にたどり着いたのだが……

奇談シリーズ。第…何作だったかは忘れてしまいましたが(笑)、3年ぶり待望の新刊ですvv
園子さんを敬愛していただけに、敏生の心情を思うと切ないですね…;
2人の関係はあいかわらず甘々。小一郎はちょっと成長したっぽい?(中身が)
天本パパも何気に登場して、今後が気になるところですが、次は早く出ると良いなぁ…(笑)。

<09/1/24>

『バナナは皮を食う 暮しの手帖*昭和の「食」ベストエッセイ集』檀ふみ:選(暮しの手帖社)

2009-01-23 | 読了本(小説、エッセイ等)
扇谷正造『奥様にヒゲのないわけ』、田宮虎彦『地獄極楽』、平塚らいてう『陰陽の調和』、天野貞祐『わたしの生活から』、牧野富太郎『バナナは皮を食う』、里見『生きる智慧』、日夏耿之介『乱世の味』、米川正夫『雛祭』、野村胡堂『無手勝流』、河原崎長十郎『思い出の味』、木下順二『味覚と人格の関係について』、井伏鱒二『カラハナの草』……食についてのあれこれを取り上げた“食ア・ラ・カルト”、
吉川英治『母の掌の味』、佐多稲子『空襲』、幸田文『おにぎり抄』、サトウ・ハチロー『哀愁と郷愁』、辰野隆『ドンと弾丸と』、高濱虚子『贈物』……おにぎりに特筆した“おむすびの思い出”、 
久松潜一『食物の好み』、火野葦平『どんこ料理』、今日出海『すき焼の辯』、野上彌生子『茶台ずしと黄飯』、石井桃子『しゃけの頭』……自分の好きな食べ物について語る“わたしの大好きな味”、
阿部次郎『自炊の話』、坂口安吾『わが工夫せるオジヤ』、石井好子『巴里の自炊』……自炊のエピソードなど“自炊や工夫は身を助ける”、
堀口大學『泉よ、どこから』、小宮豊隆『鵞鳥の焼肉』、池田成彬『うまいもの』、木村荘十二『餃子のうまさ』、武者小路公共『寒月君と喰べたソーセージ』……海外で経験した食べ物について語る“海外での甘い味辛い味”、 
山本嘉次郎『新しい星よりも』、和田信賢『十七字の味覚』、河盛好蔵『わが衣食住』、森田たま『雑談』、佐藤春夫『わが母の記』……“味覚のこだわり”、
吉村公三郎『お茶漬け』、小倉遊亀『初代の店子』、永井龍男『青とむらさきと白と』、渋澤秀雄『たくわん』、海音寺潮五郎『ハムチョイ』、奥野信太郎『北京のつけもの』、草野心平『茄子の気持ち』……つけものについて語る“つけものばなし”を収録。 

創刊60周年を迎える『暮しの手帖』に掲載された、著名人による食に関するエッセイの中(昭和23年~32年)から厳選してまとめたエッセイ集。
巻頭には、檀ふみさんの選考にあたっての『昭和も遠くになりにけり―選考にあたって』も。
食という観点から“昭和”という時代が語られていて、興味深かったです。

<09/1/23>

『ぽんこつ喜劇』浅暮三文(光文社)

2009-01-22 | 読了本(小説、エッセイ等)
売れっ子作家のゴーストとして作品の企画案を提出するアサグレ。そんな案の数々を読みながら酷評する、光文社の編集者、鈴木と小口。その陰で、ある存在による、計画がひそかに進行していた……『第一話 プロローグ』、
その男はとてもよく知られている。世界中の人間が彼のことを知っている。没個性の代表ともいえる彼を“ミスター・サムワン”と呼ぶことにしよう。彼は、サラリーマン。入社6年目で同僚と結婚したが……『第二話 ミスター・サムワン』、
それはナスビの声だった。ほんの囁き程度の声。やがてキュウリやキャベツ、さまざまな野菜たちがそれぞれに同じ一言だけを呟きはじめ……『第三話 八宝菜は語る』、
隣同士に暮らす、よく似た家族構成の家庭……夫妻の間には高校3年の息子と、高校2年の娘。その片方に赤ちゃんが産まれたが、隣の奥さんも先に産んでいた。だがそこにはある秘密が。両家の人々は、掲示板や独白、ブログなどで自分の心の内を語り……『第四話 十指相関図』、
星占いの中で、密かに予言される世界の危機。それは宇宙へと拡大し……『第五話 星を巡る言葉』、
かつて火星に栄えていたらしい失われた文明の遺物である石板が発見された。全部で8枚あるというそれを順に解読してゆく中で、明らかとなる彼らの正体と滅亡の理由とは……『第六話 八枚の石』、
監察医である私が、これまで出会った変死者たちのファイル。ある男は、体をのけ反らせて手首を足首に届かせるような状態で死んでいた。ある老人は胡座を組み、手を合わせている状態で……『第七話 博士の事件簿』、
悩みの相談室に持ち込まれる、数々の相談。相談にやってきたのは、盗賊たちの岩戸を開ける秘密の言葉を思い出せない、たきぎ拾い、天啓で船を造れといわれた男……『第八話 こちら相談室』、
借金で首が回らなくなり、死に場所を探していた私は、歩き続ける中でおかしな貼り紙を見つける…“太安売り”“注意?”“およそ六”……『第九話 海へ』、
数ヶ月前からスパゲティが食べられなくなった私。渦が怖いのだ。10年ほど前にも同じ症状に陥ったことがあり、そこから考えるに、それはこれから起こるであろう不運な出来事に対する予兆らしいのだが……『第十話 渦』、
かつてロンドンのセビルロー通りの一本裏手にジャック・クックという男がいた。腕のよい施盤工だったが、やがてハンガーの開発にとりつかれるようになり……『第十一話 或る発明史』、
最後までこの本を読んでしまったあなたへの……『第十二話 エピローグ』を収録。 

設定的には、文字に乗っ取られたアサグレさんがこれらの話を書かされてる感じになってます。
図版を利用して展開する形になっていて(第四話は、見た目本当に雑誌の星占い風/笑)、ちょっと実験的。くすっ、と笑えます。

<09/1/22>

『猫を抱いて象と泳ぐ』小川洋子(新潮社)

2009-01-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
唇の上下が閉じたまま生まれ、医師により分たれたそこに、脛の皮膚を移植された少年。その容貌ゆえに友人がいなかった彼は、大きくなり過ぎて屋上から降りられなくなった為、デパートで一生を終えた象・インディラと、自宅の壁の隙間に挟まれたまま閉じ込められ亡くなったという少女のミイラに親愛の情を抱いていた。
そんな彼は、廃棄されたパスで暮らす元運転手で、今はバス会社の寮の管理人を務める男性・マスターに出会い、チェスを学ぶ。しかしそんな少年は、チェス盤の下にもぐらないと思考ができず、マスターの飼猫・ポーンと共に姿を現さないまま籠もり、そこでチェスの世界へと没頭してゆくのだった。
ところが、マスターの身体はバスの中で巨大になり過ぎ、やがてそこで息絶えたことから、彼にとって成長することが悲劇の象徴となり、それを拒絶するように小さな身体のまま大人となる。
マスターの元からチェス盤を持ち出した彼は、やがて、権威あるパシフィック・チェス倶楽部の地下で行なわれている、もうひとつの倶楽部、パシフィック・海底チェス倶楽部において、チェスの自動人形“リトル・アリョーヒン”……『盤上の詩人』と呼ばれた、ソ連のチェスのチャンピオン、アレクサンドル・アリョーヒンを模したことに因む……に潜み、その頭脳として盤下でチェスをすることになり、彼自身もまたその名で呼ばれてゆく。
そんな彼に、補佐役としてついたのは、鳩を乗せたマジシャンの娘。彼女が、隙間から抜け出してきたミイラの少女自身だと確信したリトル・アリョーヒンは、彼女を“ミイラ”と呼ぶ。
倶楽部でさまざまな人たちとチェスの勝負を繰り広げてゆく、リトル・アリョーヒンだったが……

後に“盤下の詩人”と呼ばれたチェスの名手リトル・アリョーヒンの数奇な一生を描いたお話。
ただのゲームでは括れない、チェスの世界の奥深さを感じました。
ミイラとの手紙のやりとり、そして彼女と最後にすれ違う場面がとても切なく、印象的。

<09/1/20,21>