大学のクラブの後輩である“黒髪の乙女”に、ひそかに想いを寄せる先輩“私”。
新緑も盛りが過ぎた5月の終わり。
クラブのOBである赤川先輩の結婚の内輪のお祝いに参加した“私”はこの機会に、彼女と親しくなろうともくろみ、京の町をさまようが、見失ってしまう。
一方、彼女は先斗町をさまよう中で、酒好きの美人・羽貫、自称天狗の樋口らと出会い、さらに偽電気ブランで李白と対決することに……第一章 夜は短し歩けよ乙女、
お盆休みの頃。彼女が古本市に出かけると知った私は、近づくきっかけをつかむべく、下鴨神社へ。そんな中でひとりの少年につきまとわれながら、彼女の姿を探すうち、閨房調査団の代表である、京料理屋・千歳屋の若旦那に出会い、李白の売り立て会に参加することに。そこでの我満くらべに勝利したものが、望む本を手にすることができるらしい。
一方、彼女は古本市で“ラ・タ・タ・タム”という、自分がかつて大事にしていた絵本を探して……第二章 深海魚たち、
晩秋。なるべく彼女の目にとまる作戦、略して『ナカメ作戦』を遂行中だが、彼女に「奇遇ですね」と流されてしまい、その結果はいまひとつな私。
折りしも大学では学園祭。学内で彼女の姿を探すことに。そんな中、彼女は“ゲリラ演劇・偏屈王”の主人公プリンセス・ダルマとなり、背中に緋鯉、首には達磨を下げながらあちこちに出没する……第三章 御都合主義者かく語りき、
冬。巷で悪性の風邪が流行り、バタバタと人々倒れる中、ひとり無事な彼女。どうやらその風邪の出所は李白。風邪に効くというジュンパイロを手に入れた彼女は……第四章 魔風邪恋風邪の4章収録。
文庫版で再読。巻末に、羽海野チカさんの解説ならぬイラストが載っていて可愛らしいです。
タイミングよく、本日、森見さんの御結婚が発表されましたが(ブログで)、お相手の方は黒髪の乙女のような方なのでしょうか?(笑)
<09/1/6>