黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『幽霊コレクター』ユーディット・ヘルマン(河出書房新社)

2009-01-05 | 読了本(小説、エッセイ等)
ベルリンでわたしのルームメイトだった、舞台女優のルート。その後小さい街に引っ越していた彼女の元を訪れたわたし。ルートは俳優のラオルに恋していたが、彼はルートに冷たく、やがて彼女の前から姿を消した。その後、わたしの元に彼からヴュルツビルク行きの乗車券が同封された手紙が届き……『ルート(女ともだち)』、
ある日、ヨーナスから届いた荷物。それは1年前、彼と恋人のイレーネがアイスランドにやってきた時に、一緒に撮った写真だった。
かつてマグヌスはベルリンにいたことがあり、そこでイレーネと彼女の元恋人と知り合った。そんな彼女が、今の恋人であるヨーナスと共にアイスランドにやってきた。彼らがやってきた頃、マグヌスと子持ちの恋人のヨニーナは、ちょうどレイキャビクの古い港湾地区にある四部屋の住宅を買ったばかりだった……『冷たい青(コールドブルー)』、
両親がヴェネツィア旅行から今回も無事帰ってきた。わたしは毎日、自分の両親が姿を消すことを覚悟している。老いてからたびたび一緒に出かけるようになった両親の旅行に、かつて一度だけ合流したことがあったが……『アクア・アルタ』、
温泉地・カルロヴィ=ヴァリにやってきた、ヨハネスとわたし。ふたりはベルリン在住で、彼は絵描きで、わたしはそんな彼の絵に解説文を書いている。その関係は恋人未満で……『ヒモ』、
アメリカのオースティンにやってきた、エレンとフェリックス。恋人以上だけど夫婦未満、微妙なふたりは、太った幽霊コレクターの女性に出会うが……『幽霊コレクター』、
現在の恋人であるヤーコプに、過去の話を聞かせるわたし。プラハにペーターと行った頃は、ルーカスが好きだった。しかしルーカスはわたしを好きではなく、ペーターはわたしが好きだった。ルーカスとペーターは友達で……『道は何処へ』、
CDを出したものの売れず、音楽を止めるつもりだった、オーウェンとわたしは、オーロラフェスティバルに招かれ、ノルウェーのトロムゾという町を訪れた。しかし、やってきたのは彼らだけで、フェスティバルは中止に。その後も町に留まる彼らだったが……『アリ・オスカーソンへの愛』の7編収録の短編集。

どの作品にも旅が象徴的に登場し、何がしかの変化をもたらす感じ?
細やかな描写で微妙な関係が描かれている作品でした。
ただ、カタカナ名前が苦手なので、読んでいるうちに人物が誰が誰やらわからなくなってしまったり(苦笑)。

<09/1/4,5>