黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『トーキョー・プリズン』柳広司(角川書店)

2009-01-13 | 読了本(小説、エッセイ等)
昭和21年。終戦直後の東京。戦犯らが収容された監獄・巣鴨プリズンに、元ニュージーランド海軍少尉で、現在は私立探偵をしているエドワード・フェアフィールドがやってきた。戦時中に、行方不明になった従兄弟のクリスの行方を探すべく、当時の記録を調べる為だ。しかし、巣鴨プリズン内の資料を見せてもらえる見返りとして、副所長であるジョンソン中佐から頼まれ、囚人である元陸軍中尉・キジマサトルのパートナーを務めることに。
キジマは、戦時中捕虜を虐待した罪で収容されているが、その当時の記憶を失っていた。その記憶を取り戻すことになったのだった。
そんな中、フェアフィールドは、キジマの友人・アタマギイツオと、彼の妹でキジマの婚約者であったキョウコと知り合う。キジマの虐待容疑を晴らすべく、奔走することになった彼ら。
時を同じくしてプリズン内で、青酸系毒物による死亡事件が発生。ただでさえ物の持込みが厳しいその場所で、さらに部屋は密室。その頭脳を見込まれ、事件について推理することになったキジマだったが、同様の事件がその後も発生して……

戦後まもない巣鴨プリズンを舞台にしたミステリ。
ホームズめいた洞察力を持つキジマの存在が光りますが、それだけに最後が切ない;

<09/1/13>