黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ファージョン作品集3 ムギと王さま』エリナー・ファージョン(岩波書店)

2009-01-12 | 読了本(小説、エッセイ等)
村の校長先生のむすこ・ウィリーは、少々頭の回転がにぶく村の人々から“お人よしのウィリー”とよばれていた。
8月をその村ですごすことになったわたしに、彼が語ったエジプトの王とムギ畑の話とは……『ムギと王さま』、
ある晩、王女さまは月がほしくて泣いていると、コウモリとツバメに出会う。それぞれが<夜>と<昼>に報告すると、事態は思わぬ展開に……『月がほしいと王女さまが泣いた』、
お年よりのドウ嬢の家の女中さんだった、ヤング・ケート。ドウは、彼女に、牧場に行ってはいけない、川へ行ってはいけない、森へ行ってはいけないというが……『ヤング・ケート』、
農夫のむすめクリスティが、花をひとつ摘んだ。かあちゃんやとうちゃんにその花の名まえをきくがわからず……『名のない花』、
すべての魚が海にいたころのこと。一ぴきの金魚が海に住んでいた。ある日、世界を知りたいと願った金魚は……『金魚』、
木こりであった父・ジョンが亡くなり、家を追い出されたジョー。歩いている途中で、美しいクランバー・スパニエルの子犬を手に入れて……『レモン色の小犬』、
貧しい漁師たちの島のじまんは、少女ロイスの家にある小さなバラの木。ある時、島を女王が訪れることになり……『貧しい島の奇跡』、
シシリー島のリンガグロッサにマリエッタという少女が住んでいた。彼女は、自分が生まれた日に植えられたモモの木を、世界じゅうの何よりもだいじにしていたのたが、島を火の川がおそい……『モモの木をたすけた女の子』、
アクセク国の若い王さまには、シライナという孤児の女中がついていたが、彼女の受け答えにいつもイライラする王さま。そんな中、女王を迎えるようにと大臣たちに乞われた王さまは、周りの国の王女さまたちに会いに行くが……『西ノ森』、
道に迷って、森を歩いていた旅人は、手まわしオルガンの音を聞いて……『手まわしオルガン』、
あまりに大きすぎて人の目に見えない巨人と、逆に小さすぎて人の目に見えない小人がすんでいた。しかしふたりの心はその反対。ある日、巨人の耳から小人が入ってしまい……『巨人と小人』、
あるところに大きな仕立屋さんに奉公する、小さな仕立屋さんの少女・ロタがいた。彼女の方が腕がよいけれど、独立されると商売がたきになってしまう為、それは知らせずこき使っていた。その国の老女王さまは独身で、あとつぎはいない為、彼女の甥で、となりの国の王さま・リチャードが一緒におさめることに。そんな彼に結婚をすすめる女王の頼みを断り切れず、彼が出した条件にあう3人の令嬢と日替わりで踊ることに。そんな令嬢たちのドレスをつくることになったロタは……『小さな仕立屋さん』、
あるところにひとりのおくさまが白い部屋にすんでいた。しかし彼女はしばらくするとその部屋にあきてしまい、妖精にたのんで部屋の色をかえてもらうが……『おくさまの部屋』、
7人いるうち、いちばん髪の長い王女を、後の女王にしようといった王さま。6人の王女たちにはうばがおり、王女たちの髪の手いれをおこたらなかった。7人めだけはおきさきが手入れしていたが、やがておきさきは亡くなった。そこへ<世界の王子>がやってきて、7人の中から女王となるものと結婚するという……『七ばんめの王女』、
天国でくらしていた3人の小さい王子たち…フェリックス、リスパン、テオドール。そんな彼らの世話をするイヴォンヌと暮らしていた彼らだったが、フェリックスとリスパンはクラリネットという妖婆にだまされ、天国を出て行ってしまう。そしてテオドールは、彼らを連れ戻すために、世の中へと飛び出して……『天国を出ていく』、
ある日、谷間のまん中を流れる川で、赤いバラと白いバラを見つけたメアリとジョン。それは丘の上のお屋敷にすむ小さなお嬢さまのバラ園のものだった……『小さいお嬢さまのバラ』、
ある州の州議会議員が散歩のとちゅうで、何もない場所を番している番兵に出会った。しかしその番兵も決まりに従っているだけで、何を守っているのか知らない。そこを守るにいたったはじまりは、むかしむかしにさかのぼる……『むかしむかし』、
7歳の少年ダニー・オ・ツール。同級生のアルバートは、彼がほらばかりいっているという。ダニーの父は、アイルランド人で、ことあるごとにコネマラに住んでいたと口にする。そこには白いロバがいると聞いたダニーはそれを学校でいうが、うそつきだといわれて病気になってしまう……『コネマラのロバ』、
イギリスに、みんなが仲良くくらしていた村があった。仲良しだった理由はティムさんたちがくらしていたから。村の人たちは、何か心配ごとがあると彼らに相談に行って……『ティム一家』、
十円だまを拾った少年ジョニー・ムーンは、駅の自動販売機で、ずっと気になっていた板チョコを買おうと出かけて行った。ところが出てきたのはチョコではなく切符で……『十円ぶん』、
110歳になるカーフューひいばあちゃんの世話をしつつ、貧しいながらも仲良く一緒に暮らしていた少女・グリセルダ。ところが彼女が熱病に侵され、入院しているあいだに、ひいばあちゃんは周囲の人たちによって養老院にいれられてしまう……『<ねんねこはおどる>』(※“こ”は、小文字)、
ダイナばあさんのところでは1ペニーでおみくじを引ける。他の子どもたちがそれを買うのをうらやましく思っていたスーザだったが、彼女のはそこに払うお金がなかった。ある日、そこを通りがかった彼女は、思いがけずおみくじを手に入れて……『ボタンインコ』、
フランスで生まれた人形・セレスティーンは、歳月を経ながら、少女キャシー・グッドマンの元へやってきた。サン・フェアリー・アンと名を変えて。
4年まえに疎開してきたキャシーは、ずっと可愛がっていたその人形を、村の少年・ジョニーの手によって池に投げ込まれてからというもの、微笑むことがなかった。ある日、村のお医者さん・レイン先生の奥さんが、池のそうじを思い立った。そこからはさまざまなものが出てくるが、キャシーの人形は出てこず……『サン・フェアリー・アン』、
アナ・マライアは笑顔の素敵な少女。クリスマスがすぎたころ、通りすがりのおくさまからクリスマスツリーをもらった彼女は、そこについているかざりさえも子どもたちに上げてしまい……『ガラスのクジャク』、
けちで評判で、それで財をなした地主ロバート・チャードン。しかし娘ジェイン・フラワー(チイジェイン)が生まれてからというもの、彼女の笑顔の為にみんなに優しくなり、ついには財産すべてを無くしてしまうが……『しんせつな地主さん』、
羊飼いの老人ダン・シアールと少年・ネッドは、いつもけんかばかりしている仲。そんなある日、ネッドが行方不明になって……『「がみがみシアール」と少年』、
フランスの詩人アンドレ・シェニエのかいた詩に歌われたパニュキスとは?
5歳の女の子・パニュキスと、同い年のいとこ・キュモンは、赤ん坊のときからいっしょに育った。お互いに大好きだったふたりだったが……『パニュキス』の27編収録。

童話集。
オーソドックスなハッピーエンドだったり、逆に風刺が効いていたりとさまざまなテイストのお話。
個人的には『西ノ森』『小さな仕立屋さん』『七ばんめの王女』『サン・フェアリー・アン』あたりがお気に入りかな(オチのつけ方が素敵v)。
『<ねんねこ~>』の「ねんねんねん!」が微妙に頭から離れません(笑)。

<09/1/11,12>