黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『退出ゲーム』初野晴(角川書店)

2008-11-19 | 読了本(小説、エッセイ等)
高校1年の秋。片思いの相手の姿を携帯で隠し撮りしていた画像を、うっかりクラスメイトたちに見られてしまったことから、1週間登校拒否をしていた上条春太(ハルタ)の元を、幼なじみの穂村千夏(チカ)が訪れた。名誉挽回のチャンスとしてチカが告げたのは、文化祭に毎年届く恒例の脅迫状。今年の要求は教頭のかつらだ。
さらに化学部が文化祭の展示物として用意していた、劇薬でもある、硫酸銅の結晶が盗まれたという。警察沙汰にすると文化祭の開催が危うくなり、そこでしか活躍の場がない文化部が存亡の危機を迎えることになってしまう。チカとハルタは弱小吹奏楽部に所属していて、ハルタはホルン、チカはフルートを担当。顧問である草壁先生に恋するライバルでもある2人は、問題解決に乗り出して……結晶泥棒、
冬。11月上旬から、突然学校内ではルービックキューブが大流行。吹奏楽部の部員獲得を目指す2人は、かつてオーボエの名手であった成島美代子に目をつける。しかし彼女は、全日本吹奏楽コンクール出演中に、容態が急変した弟・聡の最期を看取ることができなかったことを原因として、オーボエを辞めていた。その聡はパズル好きで、どの面も真っ白なルービックキューブを遺していた。それを解くことになったハルタは……クロスキューブ、
演劇部に所属する中国系アメリカ人、マレン・セイが、サックス経験者であることを知った2人。彼を引き抜く為、演劇部の部長・名越と看板女優・藤間弥生子と“退出ゲーム”を行なうことに。それは、ある設定の劇の中で、相手からの妨害をものともせずその場から退出できた方が勝ちというもの。そんなマレンは、ある悩みを抱えていて……退出ゲーム、
フルートの練習をしていたチカの元に生徒会の日野原秀一が現れた。練習場所を提供する条件として、彼に協力することに。発明部の萩本兄弟…兄・肇と弟・卓が、学校のホームページの掲示板で、1個1万円もするオモイデマクラ…自分が見たい思い出の構成要素である色、3色までを申告して、それを夢でみせる…という胡散臭い発明品を販売してしまったのだという。購入した人物は2人。ひとりはハルタだったのだが、もうひとりは正体不明。しかも、その人物が挙げた色は“エレファンツ・ブレス”という誰も見たことがない色で……エレファンツ・ブレスの4話収録。

弱小吹奏楽部に所属するハルタとチカが、部員獲得に奔走する中で謎を解く青春ミステリ。
爽やかさもありつつ魅力的な謎もあり、良い感じのバランスでした。まだまだ続きそうなので楽しみです♪

<08/11/19>