日々届く配信占いメールを信じている、29歳のシステムエンジニア・渡辺拓海は、家に帰るなり髭の男・岡本猛に拘束された。彼は、嫉妬深い拓海の妻・佳代子から、浮気を白状させる為の拷問要員として派遣された男。4年前も、あらぬ濡れ衣で、浮気を疑われた拓海は、妻の指示を受けた男たちによりぼこぼこな目に遭わせられていた経験があったのだ。どこまでもシラを切る拓海だったが、同僚の桜井ゆかりと浮気中。彼女と一緒に写っている写真をつきつけられ、否定しつつも彼女の素性を教えるハメに。おりしも彼女は海外旅行中で、すぐに報復されることは避けられそうだった。
そんな中、会社の先輩・五反田正臣が失踪。彼が、別のソフトウェア会社から派遣されているプログラマー・工藤と共に手がけていた、ゴッシュという会社の出会い系サイトの仕事を、後輩・大石倉之助と共に引き継ぐことになってしまう。
容易だと思われたその仕事だったが、何故か先方と連絡が取れず戸惑う彼ら。そんな拓海の前に、3人組の七三男たちが現れ、五反田の居場所を教えろと脅迫。そこへ岡本登場、彼を助けてくれたが(あくまで自分が拷問したいがために)、まだ戻らないはずだったゆかりの帰国を知らされる。
やがて五反田の残した暗号を解き、彼の失踪には、ある検索ワードが関わっていることを知る……それは、5年前に生徒の虐殺事件が起きた中学校の名“播磨崎中学校”と、“個別カウンセリング”という言葉、そして安藤潤也という人物が社長を務める盛岡の会社“安藤商会”。
友人である作家・井坂好太郎からもその会社について調べた頃から、おかしなことが起きていると忠告を受ける拓海。
そして、その注意もむなしく、検索した翌朝、大石は埼京線における47人での婦女暴行事件の主犯として捕まり、岡本の家は燃え、嫌な上司・加藤課長は自殺した。
事実を確かめるべく、どうやら母方の祖母の親戚であるらしい安藤潤也の元へ、井坂が書いた原稿『苺畑さようなら』に秘められた意味を考えながら向かう拓海だったが……
一応『魔王』の続編?あれから数十年後(50年くらい?)の世界が舞台になってます。
ある言葉を検索した人の身に何かが起こるというと、システムがわからなければ、ちょっとしたホラーのようで、怖いですね(わかっても怖いですが/笑)。
怖いといえば、佳代子さんの最強っぷりもアレですが…(笑)。
<08/11/8,9>