黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『草祭』恒川光太郎(新潮社)

2008-11-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
中学3年の初夏、友人の椎野春が失踪した。かつて彼と一緒に出かけ、“のらぬら”を見た“けものはら”に行ったのではないかと確信した持田雄也は、4年ぶりにそこにやってきたが……『けものはら』、
美奥の尾根崎地区には、家の守り神である猩猩を屋根に乗せる風習があった。
クラスで山添京子を筆頭にしたグループからいじめにあっている高校生・藤岡美和は、ある日、タカヒロという少年に出会い、たびたび彼と話をするようになる。そんな中、彼と一緒にファミレスにいたところを京子たちに絡まれて……『屋根猩猩』、
幼い頃、山に住んでいた少年は植物の知識に長けた叔父を殺害した後、リンドウという僧侶に拾われ、春沢という村にやってきた。叔父の死と共に声を失い、テンと名付けられ、リンドウの娘である絹代、孫の花梨らと過ごす中で、再び話せるようになった。
やがて数年が経ち、山で山賊に襲われていた女を助けたテンだったが、その復讐として絹代たちが攫われてしまう……『くさゆめがたり』、
建築士である傲慢な父を嫌い、家を出てきた少女・望月ゆうか。そこでタッペイとコウヘイという双子の少年たちに出会い、“クトキ”だと彼らの家に連れてこられた彼女は、親分やおばさんと共に“天化”という不思議なゲームを興じることに。そんな中、ゆうかは密かに思いを寄せていた少年・黎磁と、彼が付き合っていたアミのことを思い起こしていた……『天化の宿』、
ある事情から家を出た香奈枝は、長船という中年男性の元に身を寄せ、彼の世話をしていた。彼が語る美奥に惹かれていた彼女は、ある日、彼が自分の町を持っているという話を聞く……『朝の朧町』の5編収録。

“美奥”という不思議さが同居する町を舞台とする連作短編集。
恒川ワールド全開で、とても幻想的かつ魅力的なお話でしたvv

<08/11/29>