CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】「この世界の片隅に」さらにいくつもの映画のこと

2022-07-11 21:10:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
「この世界の片隅に」さらにいくつもの映画のこと  著:片渕須直

アニメーション映画「この世界の片隅に」について、
各地で行われた、監督と原作者、そのほか諸々の方々のインタビューを集めたもので、
なかなか面白く読めました
上映前のインタビューから、だんだんと流行していき、
そして、「さらにいくつもの」の制作が始まってと、
進んでいくにつれて、内容が宣伝というでもないが、
想いを伝えている部分から、結構映画の中身、物語の中身についての対談になっていってて
とても面白く読めたのでありました
そうか、そういう意図があったのかという話が、ごろごろ出てきて
これはまた見たくなってしまうじゃないか

原作漫画の方を読んでないので、この本によって
かなり補完されるところが多く、映画見た人は読んでおいて損がないなと
監督の思いと、制作中の悲喜こもごももでてきて
とてもよい内容でありました
別段、戦争ものだからと、変に思想の偏る話が出るわけではない
物語の面白さとそれをどう作るかという技術論ではないけども、
映画にこめられたものへの細かな配慮がうかがえて
なるほどなぁと驚くことが多かったのでありました

かなり詳細に調べて作っていたとは知っていたものの、
原作者、映画監督それぞれが、自身の方法で調べていて
別にお互いで答え合わせしていたわけでもないというのが
また、いいものを作るうえで大切だったのかもなと思わされるところが多くて
調べていくうちにわかってくること、
その出来物を見てもらって、さらにそれが深まっていくという
ある意味歴史を掘る作業というのが凄くて、
物語を作るというのは、とんでもなく大変なことなんだなと改めて思い知ったのでありました

表現に関するチャレンジなんかも随所に見られたことが、
この本で解説されてやっとわかったりしていたんだけども
そのしかけをあれこれ、押し付けてこないでいたというのが
この映画の最大の魅力でもあったんだなと思うばかりである
個人的には、主演でもあった、のんさんとの対談なんかも読んでみたかったが、
そういうのは存在しないのかもなと思ったりしたんだが
関係者それぞれの思いや経験なんかも読んでみたい
いや、インタビューだから聞いてみたいというのが正しいのか
ともかく、よいものを読んだと思ったのでありました