パチンコ 作:ミン・ジン・リー
朝鮮半島を日本が統治していた時代から始まり、
数奇な運命を経て在日コリアンとなった少女を中心に、
家族四代にわたる来し方を描いた小説でした
まるで朝ドラのような展開というか、
二次大戦を挟むあたりの東アジアはどこも
みんな貧乏で、そこから這い上がってきたということだろうかと
その当時のたくましい生き方と、苦難があり
家族の絆があったと思わされる内容だった
バックボーンのひとつにキリスト教徒という一種のカテゴリがあり、
決して、そこまで敬虔ではないものの、
神に祈る、ある種の犠牲を厭わない精神のようなものも見え隠れして、
様々なものを乗り越える強さや、たくましさを感じた
気高さというか、ある種曲げられない何か、
強い憤り、激しやすさといったものが、ありありと描かれていて
それが、民族性に帰するものではないとしつつも、
そのこだわりが、ある種の差別を想起させて、
その袋小路に思い悩むといった展開、
やがてそれが死を招いてしまうといった事件なんかもあり、
決して明るい話ではないけども、民族、血縁といったものから逃れることの
難しさを感じるものだった
面白かったというには重過ぎるんだけど、
つまらないとか、退屈なんてことはなく、
じっと読んで、うまく感想に昇華できないもどかしさを感じる小説だった
何かテーマがという抽象的なものよりは、
在日コリアンという存在とその歴史を物語の形にしたもの、
思想とか考えではなく、そういったことがあったという
そのフラットな内容がよかったように思う
ただ、ちょっとだけ気になったのは、
在日コリアンであることを隠して結婚していたというくだりがあるんだが、
それは日本の戸籍システム上、できない相談じゃないかなと思ったんだが、
このあたりが盛り込まれると、一層、この物語が描く、
特異的な歴史というものが立体化したのではと感じた
朝鮮半島を日本が統治していた時代から始まり、
数奇な運命を経て在日コリアンとなった少女を中心に、
家族四代にわたる来し方を描いた小説でした
まるで朝ドラのような展開というか、
二次大戦を挟むあたりの東アジアはどこも
みんな貧乏で、そこから這い上がってきたということだろうかと
その当時のたくましい生き方と、苦難があり
家族の絆があったと思わされる内容だった
バックボーンのひとつにキリスト教徒という一種のカテゴリがあり、
決して、そこまで敬虔ではないものの、
神に祈る、ある種の犠牲を厭わない精神のようなものも見え隠れして、
様々なものを乗り越える強さや、たくましさを感じた
気高さというか、ある種曲げられない何か、
強い憤り、激しやすさといったものが、ありありと描かれていて
それが、民族性に帰するものではないとしつつも、
そのこだわりが、ある種の差別を想起させて、
その袋小路に思い悩むといった展開、
やがてそれが死を招いてしまうといった事件なんかもあり、
決して明るい話ではないけども、民族、血縁といったものから逃れることの
難しさを感じるものだった
面白かったというには重過ぎるんだけど、
つまらないとか、退屈なんてことはなく、
じっと読んで、うまく感想に昇華できないもどかしさを感じる小説だった
何かテーマがという抽象的なものよりは、
在日コリアンという存在とその歴史を物語の形にしたもの、
思想とか考えではなく、そういったことがあったという
そのフラットな内容がよかったように思う
ただ、ちょっとだけ気になったのは、
在日コリアンであることを隠して結婚していたというくだりがあるんだが、
それは日本の戸籍システム上、できない相談じゃないかなと思ったんだが、
このあたりが盛り込まれると、一層、この物語が描く、
特異的な歴史というものが立体化したのではと感じた