CLASS3103 三十三組

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【読書】卵をめぐる祖父の戦争

2019-01-09 22:29:37 | 読書感想文とか読み物レビウー
卵をめぐる祖父の戦争  作:デイヴィッド・ベニオフ

ミステリとされているけども、謎ってそこかよっと
つっこみいれたくなるようなオチの物語でした
でも、凄い面白かった
そして、読後感がとても素晴らしい

おじいさんの戦争中の思いで話を聞くという体裁なんだが、
二次大戦中のソ連とドイツが交戦しているあたりが舞台
紆余曲折があって、脱走兵のような扱いを受けている
不思議な青年と、上官のために卵を探してこなくてはならなくなったと
情けない冒険が始まったのだが、
その冒険の行く先々が、戦争の悲惨さをありありと伝えていて、
重苦しいというか、生きることの辛さと、
戦争の残酷さが、まざまざ映るようで白眉

街では、食人鬼に襲われたりするあたりが
かなり衝撃的で、実際に、人を食うしか生き残るすべがなかったんだろうなと
当時のソ連の状況を感じたりして、怖気が絶つというか、
戦争とは恐ろしいもんだなと改めて思い知らされたのでありました
また、割と抵抗なく食べてそうなところが怖い

無残な人死にもいっぱい出てくるので、
かなり陰鬱な感じなのだけども、
主人公二人の会話が、それを晴らそうとするかのように
かなり下品なジョークに彩られていて、
暗いだけの物語になっていないのがよかった

最終的に、当然ながら祖父が助かるわけで、
そのオチにいたる部分が、かなり衝撃といえばいいか、
そうか、そこが謎だったのか、謎解きされてから
初めて謎に気付いたみたいな感じなんだけども、
このオチだからこそ、凄くいい気分で読み終えられて
悲しい物語なのに、とても楽しく読み過ごせたと
思うのでありました

いい本読んだ、あたりだ


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