CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】任侠病院

2019-01-16 23:35:21 | 読書感想文とか読み物レビウー
任侠病院  作:今野 敏

ヤクザが病院の再建に取り組むといったお話、
で説明できそうなのだけども、
実際は、実力のある病院が、悪い病気(ヤクザ)にかかっていたので、
それを取り除くという仕事をしただけで、
病院は立ち行きましたと
そういうお話でありました
大変清清しくて面白いお話であります

実際、こんなことないだろうなどと
言ってはならないわけでありますが、
様々な問題が、ヤクザだからこそ解決できるというところで
するりと取り除いてしまえば、
あとは、関わった人たちそれぞれのやる気で
なんとでもなるという、
或る意味、リーダーがしっかりしていたら
組織はちゃんと動くという話のお手本のようでもあって
なかなか興味深いのでありました

やや、水戸黄門めいた様式美というか、
だいたいのオチがついているのでありますけども、
人情と、きっちりとした凄みで場をしきっていき、
見事に調停してしまう
これこそが、ヤクザという人たちの仕事でもあるし、
もともと備わっていたものなのかもなと
思わされたりするのでありました
まぁ、そういう場を取り仕切るというのは、
良し悪しの判断がつきにくいところであるなと
物語だからこそ、素直に喜んで読めるものだと
思ったりするのであります

実際に、この組はどうやってシノギをしてんだろうかと
不思議になってしまうような、
この案件だけ見ていると、まさにボランティアしているだけで
徳を積むというただ、それを果たしたという
そんな風にも見えてしまい、そうではない場面は
描かないからこその物語なのかもとも
思ったり感じたりしつつ、
とりあえず、医者の凄さと、その男気にこたえようという物語は
ただただ、楽しく読めるので
よい一冊だったと思うのでありましたとさ