CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】不良

2020-08-03 21:19:23 | 読書感想文とか読み物レビウー
不良  作:北野武

ビートたけしさんの本は初めて読んだ
不良少年の一生、というほどの大層な話でもないが、
昭和の頃の不良がどんな生涯を送ったか
それを書いている物語でありました
ヤクザもんが、ヤクザのようになり、ヤクザらしくおっちぬ
そんな按配で、心に来る何かというものは存在しないけども、
なんとなし、読み終わって、少しだけしんみりというか
しょんぼりしたのでありました
なんだかんだ、物語に引き込まれたってことなんでしょう

物凄い手のつけられない不良と一緒に過ごしたというお話なんだけども、
その不良も、ヤクザとなり、いけるところまでというほど
出世したわけではないまま、結局シャブ中になって死んだといった感じで
仕方ねぇなぁという人生が描かれているのでありました

それを少しだけ離れたところで観ていた主人公が、
やや生きながらえるけども、大した人生でもなく、
地べたをはいずって生きているだけという感じが
無常観を誘うのだが、いや、そういう難しい言葉じゃなくて
なんか、しょんぼりしたものを感じて、
でも、そこと、今現在の自分に、
善悪の大小多寡はあるけど、あんまり意味のあるなしでは
どっこいかなと思わされるみたいな感じで
なんか嫌いじゃないなぁという物語であったと思うのであります

もう一本、短編で野球の話があるんだが、
こっちは、よくある笑い話みたいな感じで、
目新しいこともなく、むしろどっかで聞いたことすらあるんじゃという
手軽な物語で、気分よく楽しめたのがよかった
どっかで、という感じはするものの
実際にはそんなことはないし、それを的確に形にしているところが
いいんだろうなと思ったりしながら、
難しくない言葉と、ありきたりとすら思える展開で、
期待どおりに進む物語を読める
楽しいと思えた時間を過ごしつつ、
読み終わると、なんかちょっとだけ物悲しいといった気持ちが残る
不思議な読み応えでありました

自分が感傷的になりすぎてんのか、
そういうところをひっかいてくる文章なのか
不思議だ


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