CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】黄昏に眠る秋

2021-09-16 20:59:09 | 読書感想文とか読み物レビウー
黄昏に眠る秋  作:ヨハン・テオリン

スウェーデンを舞台にしたミステリ小説でありました
過去の事件が、唐突に動き出す
そんな物語でありましたが、終わってみれば
なるほどそういうことかと、納得の終局で面白かった

序盤は、過去の出来事がなんであったか、
その犯人と思しき男の過去の話と交差しながら物語が進んでいくんだが、
こういう手合いに多い、後半になるほど面白い小説で
終盤には、次々ページをめくらされる内容で、
最後はどうなってしまうんだと固唾を呑む感じで凄くよかった

物語は、過去に起きた子供の行方不明事件に始まる
その事件よりもずっと後、未だその傷を引きずる母親のもとに、
子供の祖父、母親の父にあたる男から連絡が入り
物語が動き出すといった具合
行方不明になったときにはいていたと思われる靴が
唐突に手に入ったという話で、
現代に、犯人が蘇ったかのようになっていくのでありました

過去、この村には嫌われ者の金持ちの息子がいたのだが
その男の過去の話も並行して進んでいくのだが、
どうにも、この男が犯人なのか、そうではないのか、
それはそれとして、随分酷い男だなと思ったりしていると
そのうち、大変可哀想というか、なかなか酷い目にあってしまうといった感じで
物語がどこにいくか、わくわくしながら進んでいくのが楽しいのでありました

現代と過去とをいったりきたりしながら、
探偵でもないが、主人公である母親とその父親が
まるでタフじゃないというのがよいところで、
アクションとか、鋭い推理とかを武器にするわけではなく、
ある種翻弄されるように流れていくのに
真実に近づいて、事件の全容を明らかにしていくというのが面白いのでありました

犯人というか、事件は、思ったよりも意外な結末になっていて
なかなか衝撃的というか、終わってみれば、なるほど
そりゃそうかと、割と手近な事件でもあったなと思えるほどで
こういうところも面白かったのであります
結構古い小説だったんだが、4部作構想だったそうで
今その続編すべてが出ているのかはわからないが
面白く読めたミステリ小説でありました


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