CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】車のある風景

2024-04-10 20:55:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
車のある風景  著:松任谷正隆

ユーミンの旦那
そんな風に思ってしまうのは、私が若干なりとも若いからだろうかと思いつつ
そうか、テストドライバーやってる人でもあったのかと
編曲家以外の仕事を知って驚いたのであるが、
その松任谷さんが車に関してあれこれと語るエッセー
と言いたいところであるが、車が出てくる思い出話といった感じで
割と、下世話というか、尾籠な話が多くて、やれやれ苦笑いしながら読んだのである
語り口からして、とっておきというか、定番のエピソードなんだろうと思うが
エッセーと、世間話では、エピソードの消化方法が違うよなと
感じてしまったのである

ま、それはさておき、ユーミンとの日常というか喧嘩なんかもさらっと出てきたり、
若い頃の自動車事情の話があったりと、自分の親の少し下くらいの世代らしく、
昔懐かしい日本の風景が読み取れるのが面白かったのである

興味深かったのは、古い外車の話で
無理やり右ハンドルにしてある車の乗りにくさと、
やたら壊れるという、よく聞く話の実体験部分
本当に壊れてたんだなと、最近のだいぶ事情がよくなった外車しか知らない身分では、
どんな世界線の話だと思いつつ読んでしまうんだけども
それでも、なんとかして乗り続ける、直してしまえるという
その時代の車というのに惹かれる気持ちを持つのであった

とりあえず中央フリーウェイは、松任谷さんをうたったものではないことと、
隣に乗せるととんでもなく煩い嫌なドライバーであることが理解できたのであった

遍歴の車種紹介が趣深くて、タルガとかいいなーと思いつつ
やっぱりお金持ちなんだなと感じてしまうのは
昭和生まれの人間だからなんだろうかと思ったりしつつ
大きな車に乗って、自分が大きくなった気になるとか、
その反動で小さいものに乗ってとても安らいだとか
難儀な性格の人だなと思いつつも
どことなし、そういうことあるのかもなと思わされたりして
しみじみ読めるエッセーだったと思うのである

しかし、古いイタリア車は本当によく壊れるものと見えて、
アルファスッドなんて、知らない車だったけど
まぁ見たことありそうな顔ながら、そのポンコツっぷりは想像を絶するほどではなかろうかと思うのである
エッセー中には出てこなかったが、古いレンジローバーのカッコよさが、
車遍歴の部分で知られてとてもよかった
やっぱ車はイギリス車だぜと思うのだが、松任谷さんはドイツ車贔屓なんだろうなと思うのである