CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

映画  のぼうの城

2012-11-05 22:19:31 | ドラマ映画テレビ感想
見てきました
結構話題になっているということで
かなり楽しみにしてしまった次第
まぁ、なんせ、延期という憂目にあってのことでしたので
その間に、原作も読み終わったし、というか、
読み終わるのが前すぎてどんな話だったかも思い出せない感じで、
これなら別物というか、一つの映画として楽しめるぜと
前向きになりながら見てきたのであります

結構、面白かった

割と普通の感想でありました
いや、正式にいうと、ちゃんと見られるし、
そこそこ面白いんだけど、私のようなひねた人間が
これは凄いとか、手放しで喜ぶようなそれはなかったのであります
考えてみると、原作からして、爽やか路線なので
まぁ、これは標準であっただろうかと思うのですが、
ともあれ、見に行って、時間返せとか
そんなことは言わない、十分に楽しめる映画でありました

キャストについて、あちこちで言われているようですが、
個人的には、野村萬斎は違ったんじゃないかなというところ、
なんというかシャープすぎる、かっこよすぎる、
そのために、間が抜けたいわゆる「のぼう」なところに、
どうしても説得力が感じられないのが残念でありました
すげぇいいし、いわゆるひょうげているという感じで、
それは独特のものだったんだけど、
やっぱりこの人は、鞍馬天狗とか、ああいう
かっこよくて色気のある役をやってほしい
そんな風に思ったのであります

ただ、野村萬斎を主役にした要因の大半であろう
田楽踊りなんかの凄さというか、面白さ、
腰の落ち着き具合は見事でありまして、
考えてみると、あの内容で、あのシーンをやれる人って
誰がいるんだろうかなといえば、難しい、
もしかしたら、お門違いを承知で、
和泉何某のほうがよかったんじゃないかとか
失礼きわまりないことも思ってしまいましたが、
田楽踊りの滑稽さと、それなのにものすごく芯がしっかりしている
芸として出来上がっている具合は面白かったのであります

主役はそんなところでありましたが、
もう一人の主役といっても過言でない、
佐藤浩一演じる丹波がよかった、
これはもう、序盤から結構馬に乗って疾走しまくるんだが
かっこいいなんてもんじゃない
なんか、佐藤浩一のPVなんじゃねぇのかと思うくらい、
朱槍をたずさえての一騎がけもあるし、
最期のシーンなんて、あの表情とあの展開は、
なんというか、個人的に時代劇としてはがっかりなんだけども
見事なシーンだったと惚れ惚れしたのであります
いやもう、佐藤浩一がかっこよすぎるだろう、
あれ見るだけでも価値が高い、すばらしい

そして、確か本編でもけっこういいところ役だった
甲斐姫さまが、思ったよりも前に出てこなくて残念でありました
ロマンス分はもともと少ない原作だったと思うと
映画でのあの使い方はちょっとというか、だいぶもったいない感じ
あれだったら、もっと女武将的なそっちをクローズアップして、
改変とまでいかないまでも、もそっと遊んでほしかったと
残念しきりであります
まぁ、丹波とか和泉とかぶっ飛ばしてたから面白かったんですが
もそっとやってもよかったように思う
あと、原作で未だに覚えている台詞である
「こうなったら、秀吉をたらしこんで天下をとってやる」的な
そういう台詞もなかったのが残念
あの颯爽としてて、まさに女武将という風情を描ききった感が
ステキでありましたのに
乙女感を出されると、なんだかなという感想

あとは、まぁそれなりに面白かったという感じで、
小野真千子がどっかに出ていると聞いていたので
楽しみにみてたら、まさかの村娘役で、
これはこれで当たっていたように思うところでありました
なかなかよかった、というか、田舎娘の格好させると
妙な色気があるんだなと感心、いい女優さんであります
そのうち、剣客の三冬でもやってくれないかな

あとは、大谷刑部がかっこよかったところくらいでありましょう
あのインパクトあるひげはすばらしいなと、
清盛でも活躍中の姿を思い出して、
清盛で見せた猿の田楽踊りは、このときにひっそりマスターしてたんじゃねぇかとか、
いらんことを思ったりしたのであります

ともあれ、すかっと爽やかで、まったく陰鬱なところがない
ほがらかな時代劇として、家族で見られる内容だと
独り身で思うのでありました