家庭を捨ててミュージシャンになった母が、娘の離婚をきっかけに家族との絆を取り
戻そうとする母と娘の再生を描いたヒューマンドラマです。
主演はメリル・ストリープで、実の娘メイミー・ガマーと母娘役で共演。リッキーのバン
ド仲間役を1980年代に一世を風靡したグラミー賞歌手リック・スプリングフィールドが、
リッキーの元夫役をオスカー俳優ケビン・クラインがそれぞれ演じています。
監督は「羊たちの沈黙」でアカデミー賞監督賞を受賞したジョナサン・デミ、脚本は「J
UNO ジュノ」のディアブロ・コーディが手がけるなど、キャスト・スタッフともにオスカー
受賞経験者が揃いました。更にメリル・ストリープ自らエレキギターを手にし、ローリン
グ・ストーンズやレディーガガなどの名曲を歌い上げています。
そんなことでメリル・ストリープの大熱演を見たり聞いたりするだけでも楽しいのです
が、加えてこの人がこのような一風変わった役柄にチャレンジし、全くその役になり切
って演じているのにも驚きで称賛したいと思います。途中でこの先は一体どうなるの
かと心配しますが、清々しいラストで客はいい気持ちで見終わる筈です。大作ではあ
りませんが、見ごたえのある作品なのでお薦めします。