日本の魔法少女アニメにあこがれる少女とその家族がたどる、思いがけ
ない運命を描いたスペイン映画です。四つの人生が交錯するという独創
的なストーリーで、全編を貫くブラックユーモアが話題を集め、スペイ
ンのサン・セバスチャン国際映画祭でグランプリと観客賞を受賞するな
ど、高い評価を獲得した作品です。
監督はこれが長編映画デビュー作となるイラストレーターでありマンガ
家のカルロス・ベルムトだということも話題になっています。
あまり明るい題材ではありませんが、とにかく見ごたえ十分の作品です。
最初はどんな展開になるのか心配しましたが、段々と判ってくるし、独
特の構成にも慣れてきてとても面白く見ました。画面があまり明るくな
いのは内容と連動した製作側の狙いかもしれませんが、私は通常画面で
良かったのにと思います。
父親は白血病で余命わずかな娘のアリシアが、日本のアニメ「魔法少女
ユキコ」の大ファン。ユキコのコスチュームを着て踊りたいという夢を
かなえようとする・・・から物語は始まり、随所に日本が顔を出すのも興味
ありです。
とにかく野球で言えば、直球・カーブ・シュート・ナックルボールの全
てが見られる感じで、この映画は映画ファンを楽しませてくれる魅力に
溢れています。是非ご覧ください。