映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「毛皮のヴィーナス」

2014年12月30日 | 日記

   

     「マゾヒズム」の語源となったことで知られる、19世紀オーストリアの小説家レオ
     ポルド・フォン・ザッヘル=マゾッホの自伝的小説「毛皮を着たヴィーナス」をも
     とにした戯曲を、80歳になったロマン・ポランスキー監督が映画化した作品なの
     で、私は期待して見ました。

     自信家で傲慢な演出家のトマは、舞台「毛皮のヴィーナス」のオーディションで
     35人の女優に会ったものの気に入る女優が見つからず、遅刻してきた無名の
     女優ワンダも追い返そうとしますが、渋々彼女の演技を見ることになったトマで
     した。

     がさつで厚かましく、知性の欠片も感じさせないワンダでしたが、演技を始めて
     みると、優雅な上流階級夫人に豹変しセリフも完璧で、トマは段々と彼女の演
     技に飲み込まれて行きます。
     やがて二人の立場は逆転し、トマはワンダに支配されることに酔いしれて・・・。

     ポランスキー監督の妻でもある女優エマニュエル・セニエがワンダ役を務め、ト
     マ役は「潜水服は蝶の夢を見る」のマチュー・アマルリックですが、登場人物は
     この二人のみです。
     たった二人だけの演技とセリフだけで、よくぞ96分が持ちこたえると感心します
     が、やはり監督の手腕であり、微細なコンテのなせる業だと感服しきりです。

     でも、たまにはこのような変わったマゾヒズム料理に満足しながらも、このよう
     な料理は年に一度くらいでいいと思う不思議さもあります。当然好き嫌いはあ
     るでしょうが、見ておいた方がいいと思いますよ。
コメント
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