10代の少年少女を対象としてケアする短期保護施設を舞台に、人には言えない
心の傷を抱えた女性と子どもたちが、過去を乗り越えて生きて行く希望を見出す
姿を描いたヒューマンドラマです。
ティーンエイジャーを預かる短期保護施設(ショート・ターム)で働くグレイス(ブリ
ー・ラーソン)は、子どもたち見守り、新人の指導も任される有能なケアマネージャ
ーです。
同僚でボーイフレンドのメイソンとの間に子どもが出来たことから、幸せな将来が
訪れると希望を抱きますが、彼女には彼にも打ち明けられない深い心の傷を抱え
ていたのです。
そんな時にグレイスは新入りの少女が父親に酷い虐待を受けていることに気付き
ます。それを解決するためには、自分の過去とも向き合うことになるのでした・・・。
この作品は、2013年のサウス・バイ・サウスウェスト映画祭でプレミア上映されて、
審査員特別賞を受賞し、そのほか多数の映画賞を獲得して話題となった作品です。
華やかさや娯楽的な要素は少ない作品であり、海外から戻ったばかりの私は、見
逃しそうになりましたが、間に合って良かったと思います。
出演者の好演と、物語にも非常に現実感があって感心しながら見ました。現実感
を出すためか、手持ちカメラでの撮影が多いのですが、これだけはあまりいただ
けません。
監督は劇映画2本目というハワイ出身のデスティン・クレットン。登場人物を冷静
に見守る演出には包容力が感じられ、この監督の今後の活躍を注目したいです。