Yoshi Veggie & Salon de Topinambour

自然な暮らしとナチュラルフード、地球の多様な食文化を愛する、旅する植物料理研究家YOSHIのつれづれ

Vege a Table CAFE TOPINAMBOUR→Salon de TOPINAMBOUR→秩父へ旅は続く

旅する植物料理研究家YOSHIは、食文化と風土の多様性を愛し、ベジタブルを愛し、そのきらめきとときめきを料理に、レシピに、食卓へとつなげていきます。

2018年春、国立→秩父へ拠点移動中 タミパン&料理ワークショップ・料理制作等々、プライベートグループへの出張も随時行っています。 お問い合わせください。

新・マイファーマーを探して

2006-07-29 | Cafe Topinambour
近隣農家の産直野菜のお店で教えていただいた、一人のお百姓さんを訪ねた。
アリサン時代は、出入りの有機農家さんのお野菜に恵まれていたし、
自然食品店も近所だったのだけど、
新しい場所に越してきて、無農薬有機栽培野菜の入手先についてはリサーチ中だったのだー。

ハウスに転がっているのは、ホワイトロッペンという大粒のにんにく、大玉、小玉のたまねぎさんたち。。。
ナスにモロヘイヤにみょうがたち。。。
納屋の裏手に広がる畑の野菜たちは、この間のヒョウの影響を受けながらも、夏らしい元気な気を出していた。

お百姓さんはおっしゃる。
「土壌菌や病気の問題はだいたいクリアした、クリアできないのは草だ!」

一言で言うけれど、長年土壌を分析し、土作りに執念を燃やしてこられた結果の発言なんだろう。
通常は、これができないんで除草剤や殺菌剤を施す。

お母様と二人だけでやっておられるので、草とりが一番大変だとおっしゃっていた。

風貌は野獣系(おっと失礼)。
しかしよく勉強されており、相当深く考えておられるお百姓さんでした。

植物に必要なものって、窒素、リン、カリ、それだけじゃあないでしょう、ってこと。
欧米人はもともと糖尿病になりにくい体質だった、ってこと。
40年前のヒョウの話。
草と共生するヨーロッパの農。
日本の農家は潰れる?って話。
固有の文化に自信をもってるか、って話。。。

突然の訪問にも関わらず、話題は尽きないまま蚊に襲われながらしばしの立ち話。


「お百姓」
百の姓をもつ人。
百の知や技や洞察をもつ人。
だから私はお百姓さんという呼び方をする。

お百姓さんはときに、
政治家であったり、社会学者であったり、科学者であったり、思想家だったりする。
そしてそれがすべて、命を育む大地と、そして自らの労働とつながっているから、
そこからゆっくりじっくりと、導き出される答えは、
納得!と思わせるものであることが多いんだ。

別れ際に、先に話題に挙がった「長崎ちゃんぽん」のような、そんな象徴的な料理をやってみたら、との一言をいただいた。
最近まで深く考えてみたことのなかった、長崎の郷土食、ちゃんぽん。
いろんな具材がひとつにまとまって、完全栄養食になった料理、ある意味深くて、そして象徴的な料理。
そうだね、料理教室ではそんな料理をベジで表現してみたい。
そして長崎料理の面白さをもっともっとひも解いてみたい。

さりげなくいただいた一言だったが、ぴたりと言い当てられたような、入り口がまたひとつ開けられたような、そんな一言だった。


長崎料理―百花繚乱ふるさとの味

長崎新聞社

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